休憩時間中、ユースティティアはヤン・スンビンに会いに行き、ク・ドウァンを釈放する代わりに彼を呼び出すよう持ち掛けます。ヤン・スンビンは承諾し、ク・ドウァンを呼び出します。この状況をユースティティアは面白がります。
一方、ハン・ダオンはユースティティアを捕まえようとしますが、ユースティティアは隙を見て逃げ出し、階段に隠れます。ハン・ダオンが去った後、ユースティティアは逃げ出しますが、待ち伏せしていたハン・ダオンに見つかり、どこに行っていたのか問い詰められます。ユースティティアは、証拠がない限り自分を逮捕できないと仮論します。ハン・ダオンは現場でヤン・スンビンの息子の壊れた携帯電話を発見し、修理には1ヶ月かかると聞きます。審判までに証拠を見つけなければならないと焦るハン・ダオン。
審判当日、ハン・ダオンは駆け込み、携帯電話の録音を入手します。録音はヤン・スンビンが人格分裂ではなく、正気のまま息子を殺害した証拠でした。「父親を警察に訴えるなんて」と息子に激怒し、様々な人格を演じて殺害したのです。帰宅した妻もその現場を目撃し、ショックを受けますが、ヤン・スンビンは妻も殺害します。物音で目を覚ました娘も同様に殺害されてしまいます。ヤン・スンビンには以前、エレベーター内で妻を暴行した過去もありました。
しかし、ユースティティアは事前に提出されていない証拠は認められないとし、ヤン・スンビンを解離性同一性障害と認定し無罪を宣告、2年間の治療を言い渡します。落胆するハン・ダオン。護送車に乗ったヤン・スンビンは襲撃を受け、兵長によって連れ去られます。車は爆破されます。兵長はグレモリーに報告し、指示通り死傷者は出なかったと伝えます。
ハン・ダオンはユースティティアの部下に彼女の情報を求めますが、何も語ろうとしません。ユースティティアはヤン・スンビンを連れ出し、彼が行った行為と同じ苦しみを与えます。ヤン・スンビンは最初はユースティティアを罵倒しますが、激しい拷問を受け、命乞いをします。ユースティティアは彼の家族も同じように命乞いをしただろうと言い、ヤン・スンビンを殺害し、額に印をつけます。警察は価たような死因と印を持つ3体目の遺体を発見しますが、手がかりは見つかりません。
会長は帰宅すると、家にグレモリーがいることに気づきます。グレモリーは会長が人間と恋愛していることを知っていると告げます。ハン・ダオンから聞いたと思った会長に対し、グレモリーはハン・ダオンを監視していた時に偶然二人の会話を聞き、その後会長を調べた結果だと明かします。抵抗しようとする会長に、グレモリーは恋人を惨殺することもできると脅し、地獄の裁判を受ける代わりに恋人の命を助ける取引を持ち掛けます。会長は自殺を選びます。
皇天洞に住む女性が夜に出かけた際、男に襲われ路地に引きずり込まれ、殺されそうになります。
第6話の感想
第6話は、正義とは何かを問いかける、重く暗いエピソードでした。ユースティティアの冷酷なまでの判断は、法の限界と、彼女自身の歪んだ正義感を浮き彫りにします。ヤン・スンビンの残虐な行為は許されるべきではありませんが、法的手続きを無視したユースティティアの私刑もまた、正義と言えるのでしょうか。彼女の行動は、法の裁きよりも自身の裁きを優先する、危険な独善性に傾倒しているように見えます。
ハン・ダオンの無力感も印象的でした。彼女は証拠を集め、真実を明らかにしようと奔走しますが、ユースティティアの壁に阻まれ、正義を貫くことができません。法廷での彼女の落胆は、視聴者にも深く突き刺さるものがありました。真犯人を目の前にしながら、法の不完全さゆえに裁けないもどかしさは、正義とは何かを改めて考えさせられます。
また、会長とグレモリーの対峙も緊張感がありました。グレモリーの冷徹なまでの支配欲と、会長の苦悩は、地獄の恐ろしさを改めて感じさせます。人間との恋愛という、地獄の掟に背いた行為に対する罰は、あまりにも残酷です。会長の自殺という結末は、地獄の支配からの逃れようのない絶望を象徴していると言えるでしょう。
つづく