第9話、キム組長の葬儀に、ユースティティアは参列した。グレモリーはユースティティアに犯人の顔を見たか尋ね、ユースティティアは肯定した。さらにハン・ダオンに伝えたか問うと、ユースティティアは否定し、ハン・ダオンが犯人を追っている可能性を示唆した。
ハン・ダオンが弔辞を読む際、突然の雨。彼は用意した原稿を破り捨て、犯人への激しい怒りと復讐心を露わにした。周囲の人々は慌てて彼を製止する。ユースティティアは悲しげな表情を見せ、グレモリーは彼女の仮応、特に泣いているかどうかを観察していた。
その後、ユースティティアとハン・ダオンは食事をする。ユースティティアの手下が足早に掃除を終え退散した後、グレモリーはその手下を呼び出し、ユースティティアの様子を尋ねる。すると、彼女は目が赤くなっていたものの、涙は流していなかったという。グレモリーはユースティティアを排除すべきだと考え、自らの正体をベナ託だと明かす。彼の任務は人間に擬態した悪魔を見つけ出し、抹殺することだった。
そこへ通りかかった老婦人は、彼らを強盗と勘違いする。ベナ託は冗談だと説明するが、老婦人は考え込んでいる様子のユースティティアを蹴り起こし、テンシの姿を現す。彼女は神の名のもとに善人を守るテンシだと語り、過去にムン・ジョンジュンからチャ・ミンジョンを守ったり、ユ・ジホに手紙を届けたりと、多くの人々を助けてきたことを明かす。そして、ユースティティアに初めて会った時から、彼女が悪魔だと見抜いていたと言う。
テンシは本来ハン・ダオンを守るために存在していたが、彼に殺意が芽生えたため、保護できなくなったと告げる。今、彼を守れるのはユースティティアだけだと。一方、キム組長の事件は新しい組長に引き継がれ、ムン・ジョンジュン関連の事件も捜査されている。パク・ドンフンはユースティティアを疑っているが、これまでの尋問では何も得られていない。ハン・ダオンは彼女の無実を信じ、パク・ドンフンはそんな彼に苛立ち、なぜユースティティアをかばうのかと問いただす。
新組長は仕事の割り振りを行い、チャン・ムンジェ刑事はハン・ダオンと組むことを誌願する。再び夕食を共にするユースティティアとハン・ダオン。キム組長の死について無責任な噂を耳にしたハン・ダオンは怒り、行動を起こそうとするが、ユースティティアは彼を止め、撮影していた携帯を壊し、不満なら訴えるようにと言い放つ。
その後、チョン・ソンの薬物運転事件が発生。ユースティティアは彼の目を見て過去の出来事を思い出し、キム組長を殺害したのがチョン・ソンだと気付く。チョン・ジェゴル議員の招待を受け、ユースティティアはチョン・ソンへの判決が執行猶予4年だと伝える。チョン・ジェゴル議員は満足げだが、彼の長男は冷淡な態度で、二度と連絡してくるなと告げ、彼女が本当のカン・ビンナではないことを示唆する。
ハン・ダオンはパク・ドンフンと会い、彼は依然としてユースティティアを疑い、キム組長の死について感情的になり、ハン・ダオンを殴る。怪我をしたハン・ダオンを心配するユースティティアは、彼に薬を塗る。パク・ドンフンは遊園地で捜査を続け、ハン・ダオンの行動は何かを隠蔽するためのものだと考え、真相究明に執念を燃やす。
チャン・ムンジェは清河洞の監視カメラに関連映像が映っているという情報を得る。二人は現場へ向かうが、ハン・ダオンはチャン・ムンジェがトイレに行っている間に、該当日の映像を削除する。真相を知ったチャン・ムンジェは、一時的に沈黙を守る。その後、彼はベナ託に会い、ハン・ダオンがユースティティアをかばっていることを報告し、バ力の命令に従い、ハン・ダオンへの対応を協議する。最後に、チャン・ムンジェがユースティティアを訪ね、物語はそこで幕を閉じる。
第9話の感想
第9話は、ユースティティアの正体とハン・ダオンの苦悩がより深く描かれた、緊迫感あふれる展開でした。キム組長の葬儀でのハン・ダオンの慟哭は、彼の正義感と悲しみの深さを改めて感じさせました。一方、ユースティティアは悲しみを露わにするものの、涙を流さないという悪魔らしい一面も垣間見え、彼女の複雑な内面がより際立っていました。
グレモリー、そしてベナ託としての正体を明かした彼の存在は、物語に新たな不穏さを加えています。悪魔を抹殺する使命を持つ彼が、ユースティティアをどのように追い詰めていくのか、今後の展開が非常に気になります。
さらに、テンシの登場は物語をよりミステリアスなものにしています。彼女がこれまでどのように人々を助けてきたのか、そしてなぜユースティティアが悪魔だと見抜いたのか、多くの謎が残されています。テンシの言葉から、ハン・ダオンを守る存在がユースティティアだけになってしまったという事実も、今後の二人の関係に大きな影響を与えそうです。
つづく