キム秘書はいったい、なぜ? 第11話 あらすじ/ネタバレ

夜が訪れ、劇場の照明が舞台を照らし出す。華やかなマジックショーが始まり、観客の視線は舞台に釘付けになる。しかし、ステージから軽やかに舞い降りる女優の姿を見て、客席にいるキム・ミソの心はざわつく。赤いハイヒールと巨大な蜘蛛、そして恐怖に満ちたあの記憶が蘇る。ミソの顔色は蒼白となり、身体は大きく揺れ、ついには座席に倒れ込んでしまう。

その様子を見たイ・ヨンジュンは、まるで矢のように飛び出し、前に立ちはだかるイ・ソンヨンを押し退けてミソを抱き上げ、緊急で病院へと向かう。

病院のベッドで目を覚ましたミソは、幼い頃の闇い記憶に再び苦しめられる。母が帰ってきたと勘違いして、赤いハイヒールに導かれ薄闇い部屋に入ったあの夜。そこで、鎖で繋がれた幼いヨンジュンと共に、夫の浮気を恨む悪女の犠牲になったのだ。恐怖に震えるミソを、ヨンジュンはキャンディーでなだめ、自身は女性の残忍な行為を目の当たりにし、消えない心の傷を負う。彼は巧みに嘘をつき、「巨大な蜘蛛」で弔り下げられた惨状を隠し、ミソの純粋さを守った。

9年の月日が流れ、ミソはヨンジュンの手ほどきを受け、普通の高校卒業生から優秀な秘書へと成長する。二人は共に過ごし、絆を深めていく。しかし、ミソが辞表を提出すると、ヨンジュンの世界は崩れ落ちる。彼は絶対に彼女を手放したくない。病床でミソの手を握りしめ、早く目を覚ますように祈りながら、長年隠してきた真実を深く仮省する。

ミソが目を覚ますと、ヨンジュンを責めながらも、彼の深い愛情と苦悩を感じ取る。二人は苦い記憶を胸の奥底にしまい、共に未来へと歩み出すことを決意する。

ミソの心と身体の負担を軽減するため、ヨンジュンは念入りにスパ旅行を計画し、苦痛と記憶が刻まれた場所を再訪する。新しい思い出で過去の傷を癒すためだ。

回転木馬の前で、ヨンジュンはミソに、ここはかつて彼らを囚われていた場所だったと打ち明ける。今は楽しいメロディーに包まれているという。願いの池のほとりで、彼はミソの幼い頃の家の変遷を語り、一つ一つの場面が過去のわだかまりを解き放ち、未来への期待を膨らませる。

夜が訪れ、ヨンジュンはミソが一人で恐怖に立ち向かうことを心配し、彼女の家に引っ越すことを決意する。寄り添うことで彼女の心の闇を払拭するためだ。

一方、真実を知ったイ・ソンヨンは深い自責の念と迷いに陥り、彼の母も衝撃を受ける。そして、複雑な恋愛関係に悩むパク社長は、ヨンジュンに慰めを求める。仕事以外でも、二人は互いの恋愛話を共有する。秘書室の同僚たちは、スパの後、前例のないリラックス感とチームワークの温かさを感じている。

このエピソードでは、愛、友情、家族愛が織りなす感動的な場面が描かれる。誰もが過去の影に打ち勝ち、より良い明日を迎えようと努力する。様々な困難を乗り越えてきたキム・ミソとイ・ヨンジュンは、互いに支え合いながら、心からの癒しを得て成長していく。

第11話感想

第11話は、キム秘書がなぜ辞表を提出したのか、そしてイ・ヨンジュンが彼女をどれだけ大切に思っているのかが明らかになる重要なエピソードでした。

特に印象的だったのは、イ・ヨンジュンが幼い頃に受けたトラウマをキム秘書に打ち明けるシーンです。彼は、キム秘書を守るために嘘をつき、辛い過去を一人で抱えて生きてきました。しかし、キム秘書への愛情が彼を強くし、ついに真実を語る決意をしたのです。

また、キム秘書がイ・ヨンジュンの気持ちを受け入れ、共に未来を歩んでいく決意をするシーンも感動的でした。二人はこれまで様々な困難を乗り越えてきましたが、これからも互いに支え合いながら、幸せな未来を築いていくことでしょう。

つづく