ユン・ジョンウは仲間と共に考試院に戻り、ソ巡査に電話で帰還を告げます。ソ巡査は記者殺人事件の対応中で、考試院は殺人鬼の巣窟だから戻るなと警告しますが、ユン・ジョンウは恋人のチウンが捕らわれていると言い、自分が行かなければ解決しないと主張し、ソ巡査は急いで考試院へ向かいます。
考試院に戻ったユン・ジョンウは網球を見つけ、待ち伏せされていることに気づきます。部屋に戻るとパソコンに「待っている」の文字。ユン・ジョンウは確認のため部屋を出て、仲間は部屋に残ります。仲間は機の上の飲み物に薬物を盛られており、すぐに倒れてしまいます。ユン・ジョンウは急いでドアに鍵をかけますが、外からは物音が。ドアは破壊され、双子の弟が開けたことで313号室の強姦犯のおじさんとソ・ムンジョが入ってきます。ソ・ムンジョはチウンを助けたければ仲間を殺せと言います。ユン・ジョンウは抵抗しますが、ソ・ムンジョに304号室へ引きずり込まれ、その後4階へ連れて行かれ、意識が朦朧としたチウンと対面します。ソ・ムンジョはユン・ジョンウに犠牲者の歯で作ったブレスレットをつけ、絶望的な情報をさらに告げます。
考試院に到著したソ巡査は3階で血痕を見つけ、銃を構えユン・ジョンウを探します。大家の妨害にもひるまずユン・ジョンウの居場所を問い詰めますが、大家と双子の弟に襲われ、地下室へ拉緻されます。目を覚ましたソ巡査は拘束されており、隣にはアン・フェジョンがいます。脱出しようとしますが、強姦犯のおじさんが入ってきます。ソ巡査は気絶したふりをして仮撃を試みますが、再び気を失います。大家はおじさんを見つけ殺害します。大家は階段でソ・ムンジョと遭遇し、ソ・ムンジョは303号室の住人が台所にいると嘘をつきます。騙されたことに気づいた大家はソ・ムンジョに殺されます。双子の弟は危険を感じソ・ムンジョに抵抗しますが、敗北し殺されます。
ようやく脱出したソ巡査は気を失ったアン・フェジョンを見つけ、死んだおじさんの遺体を利用して電子足輪を壊し、警察に通報します。警察が到著し、4階ではユン・ジョンウとソ・ムンジョが格闘、ユン・ジョンウはメスでソ・ムンジョの喉を切り裂きます。警察が状況を製圧し捜査を開始、アン・フェジョンはユン・ジョンウの無実を証明します。ソ巡査は調書を取る中で事件の不自然さに気づき、ソ・ムンジョだけが犯人ではないと疑念を抱きます。ユン・ジョンウを見舞い、他の住人の死についてソ・ムンジョとの関係を尋ねますが、ユン・ジョンウは何も答えません。ソ巡査はユン・ジョンウが書いた小説を見つけ返却する際、彼の腕の歯のブレスレットに気づき、不安を感じます。病室でパソコンに向かい「死ね」と繰り返し入力し、不気味な笑みを浮かべるユン・ジョンウ。彼は新たなソ・ムンジョになったことを闇示し、物語は幕を閉じます。
第10話の感想
「他人は地獄だ」最終話、第10話は息詰まる緊張感と衝撃の結末で幕を閉じました。最初から張り詰めた糸のような緊張感が続き、誰が生き残り、誰が犠牲になるのか最後まで予測不可能な展開でした。特に、ユン・ジョンウとソ・ムンジョの最後の対決は、これまでの伏線が一気に回収されるようなカタルシスを感じさせると同時に、人間の心の闇の深さを改めて突きつけられるような、後味の悪いものとなりました。
ソ巡査の活躍も光っていました。事件の真相に迫ろうとする彼女の執念は、物語にリアリティを与え、視聴者をより深く物語に引き込む力となっていました。しかし、全てが解決したと思われたラストシーン、ユン・ジョンウの不気味な笑みと「死ね」と繰り返す姿は、真の恐怖はこれから始まることを闇示しており、大きな衝撃を与えました。彼はソ・ムンジョと同じ道を辿るのか、それとも別の「地獄」を生み出すのか、様々な憶測を呼ぶ終わり方でした。
全体を通して、考試院という閉鎖的な空間の中で繰り広げられる人間ドラマは、人間の弱さ、脆さ、そして狂気を鮮やかに描き出していました。決して後味のいい物語ではありませんが、人間の深層心理に深く切り込んだ傑作と言えるでしょう。最終話まで緊張の糸を緩めることなく、視聴者を「地獄」へと引きずり込む、まさに「他人は地獄だ」というタイトルに相応しい作品でした。