第3話では、エデン考試院を舞台に、不可解な出来事が次々と起こります。
歯医者は電話の後、302号室の前で、車から転げ落ちた死んだ警官を見つけます。302号室の住人は歯医者に対し、全て自分が処理すると告げます。歯医者が落としたケーキの箱には注射器がぎっしり詰まっており、彼はその注射器で302号室の住人の首を刺します。その後、屋上でユン・ジョンウと会い、二人は共通の好きな作家レイモンド・チャンドラーや、ユン・ジョンウが執筆中の小説について語り合います。小説の主人公は、人を絞殺することで快楽を感じるピアニストです。歯医者は殺人に独特の感性を持っており、殺人の際、両手が無数の炎で燃えるような感覚を覚えると語り、ユン・ジョンウはそれに共鳴し、歯医者を考試院の中で最も正常な人間だと感じます。
その夜、306号室の住人はスコップを持って荒野に行き、他の住人たちと共に302号室の住人と殺された警官の遺体を埋葬します。ユン・ジョンウは部屋に戻るとパソコンが閉じられていることに気づき、306号室の住人を疑い始めます。翌日、ユン・ジョンウは歯医者と会い、夜の飲み会に誘われますが、ユン・ジョンウは既に約束があるため断ります。パソコンの件が気にかかるユン・ジョンウは、対策を講じてから仕事に出かけます。
警察では、ソ巡査が警察署の外をうろつく外国人女性に気づきます。女性は、行方不明になった夫がエデン考試院に住んでおり、「誰かに殺される」と話していたと証言します。ソ巡査は、この情報を以前の事件と関連付け、考試院の関係者、以前不審な行動で警察に連行されたピョン・ドクチョンを含む306号室の住人を調べます。
仕事の後、ユン・ジョンウは恋人チウンとのデートを試みますが、チウンは残業のため来られません。帰宅途中、ユン・ジョンウは311号室の住人と遭遇し、その奇妙な行動に不安を感じます。その後、子猫を見つけ、餌を買って与えます。
夜、ユン・ジョンウは偶然、双子の住人が310号室の住人の遺体が入った袋を運んでいるのを目撃します。歯医者が現れ、隠蔽しようとしますが、ユン・ジョンウは袋の中身を確認しようと主張し、血まみれの遺体を見つけます。歯医者は猫の死体だと説明し、ユン・ジョンウを飲み会に誘います。屋上で、歯医者は大家が作った肉をユン・ジョンウに勧めます。ユン・ジョンウはこれまでの出来事から肉の味が気になり、歯医者は自然に振る舞いますが、それがユン・ジョンウの不安をさらに掻き立てます。
このエピソードは、複数の視点から考試院内の複雑な人間関係と隠された秘密を明かしつつ、ユン・ジョンウがこの陰謀に巻き込まれていく過程を描いています。
第3話の感想
第3話は、じわじわと恐怖が積み重なっていく展開に息を呑みました。冒頭の302号室住人の死と歯医者の不気味な行動は、まさに悪夢のような光景。ケーキの箱に注射器が詰まっているという異常性が、この考試院の異常さを象徴しているかのようでした。
特に印象的だったのは、歯医者とユン・ジョンウの屋上での会話です。一見普通の会話に見えつつも、歯医者の語る殺人の感覚は恐ろしく、異常な世界観を垣間見せてくれます。レイモンド・チャンドラーという共通の話題で親近感を抱かせつつも、底知れない狂気を孕んだ歯医者の存在感は圧倒的でした。
ユン・ジョンウが次第に考試院の異変に気づき始める様子も緊迫感を高めています。パソコンが閉じられているという些細な出来事から、双子の住人の怪しい行動、そして310号室住人の遺体との遭遇まで、徐々に追い詰められていくユン・ジョンウの姿には恐怖を感じました。
また、ソ巡査の捜査も今後の展開を期待させる重要な要素です。行方不明の夫を探しに来た外国人女性の証言は、考試院の闇を解明する鍵となるのでしょうか。
つづく