ユン・ジョンウは考試院で悪夢にうなされ、目を覚ますとチウンを歯医者と間違え、刃物で脅してしまう。恐怖に怯えたチウンは、ユン・ジョンウの精神状態を心配し、距離を置く必要があると言い残して去って行った。

一方、ソ巡査は、以前監視カメラで確認したチャ刑事が山に入ったまま出てきていないことを気にかけ、単独で山を捜索する。地元の登山者に聞き込みをし、隠れた場所の存在を知り、ついにチャ刑事の車を見つけ、すぐに警察に通報した。

チウンを追い返した後、ユン・ジョンウはカン・ソクユンから「304号室のおじさんたちと楽しくお酒を飲んでいる」というメッセージを受け取る。しかし、ユン・ジョンウはそれがカン・ソクユン本人からのメッセージではないと疑い、彼を助けるため、チウンを脅した刃物を持って考試院へ戻る。葛藤しながらも刃物を持ったまま階段を上ると、騒音に文句を言うおばあさんと遭遇し、おばあさんはユン・ジョンウの手にある刃物を見て驚愕する。

3階に到著すると、不気味な静けさに包まれていたが、突如としてカン・ソクユンが現れる。彼は一見無傷に見えた。ユン・ジョンウはカン・ソクユンが共犯なのではないかと疑念を抱くが、カン・ソクユンは一緒に楽しく暮らそうと誘い続ける。しかし、恐怖体験で神経が過敏になっているユン・ジョンウはカン・ソクユンの言葉を信じず、その場を去ろうとする。カン・ソクユンは追いかけようとするが、足の怪我で動けず、絶望に泣き崩れる。すると歯医者が部屋から出てきて、カン・ソクユンが任務を果たせなかったため罰を与えると告げ、彼を拘束する。

その頃、313号室の性犯罪者は、310号室のヤクザのおじさんがまだ生きていることに気付き、拷問を始めようとする。おじさんを刺した後、仮撃に遭い気絶させてしまうが、止めを刺そうとした時、検事から電子足輪の充電を促す電話がかかってくる。性犯罪者は苛立ちながら早くこの場所を離れたいと呟き、それを大家に聞かれてしまう。その後、大家はヤクザのおじさんに食事を与え、新しい傷跡に気づき、313号室の住人の仕業だと怒りを募らせる。

警察はジェホの遺体を発見する。その無残な死に様に、ソ巡査は早期解決を訴えるが、他の刑事は消極的だ。ジェホの死を知ったユン・ジョンウは、それが歯医者の仕業だと確信し、カン・ソクユンの行動にも不審な点を感じ、警察に通報するも相手にされない。母親からの電話には、心配をかけまいと無事を伝える。

大家は再び親切を装い、祈りを捧げていたおばあさんをカラオケに誘い出す。ユン・ジョンウはジェホの葬儀に参列し、そこで精神的に不安定な様子を見せるのを目撃される。

考試院では、歯医者がカン・ソクユンにユン・ジョンウの本を読ませている。そこに双子の弟が現れ、カン・ソクユンの監視を歯医者に任せ、道具を持って出て行く。戻ってきた双子の弟はカン・ソクユンの拘束を解き、逃げるように促す。逃げる途中、カン・ソクユンは大家に助けを求めるが、大家は助けを装いながら彼を捕まえ、殺害する。

派出所で再び猫が毒殺される事件が発生する。ソ巡査はユン・ジョンウのこれまでの警告を思い出し、彼に電話をかけるが、警察への不信感を募らせているユン・ジョンウは電話に出ない。記者は双子の弟と会い、犯罪の証拠を受け渡し、記事を書き始める。そこに歯医者が現れ、記者を殺害し、自ら警察に通報する。ユン・ジョンウは友人とバーで語り合い、考試院の状況を打ち明ける。その時、チウンから歯医者に捕まったと電話がかかってくる。これがユン・ジョンウの最後の限界となり、彼は友人と共に考試院へ向かう。考試院の前に立ったユン・ジョンウは、今度こそ本当に逃げ場がないことを悟る。

第9話の感想

第9話は、息詰まるような緊張感と絶望感が漂う、息もつかせぬ展開でした。ユン・ジョンウの精神状態は限界に達し、チウンを刃物で脅してしまうシーンは、彼の追い詰められた状況を痛烈に表しています。チウンの恐怖も理解でき、二人の関係がさらに悪化していく様子が見ていて辛かったです。

ソ巡査の粘り強い捜査によって、チャ刑事の失踪の謎が少しずつ解明されていく一方で、警察全体の対応の鈍さがもどかしさを募らせます。ユン・ジョンウが警察に通報しても相手にされないシーンは、まさに「他人は地獄だ」というタイトルを象徴しているかのようでした。

カン・ソクユンの登場は、一筋の希望の光のように見えましたが、結局は悲劇的な結末を迎えてしまいます。彼の必死の逃亡劇と、大家の冷酷な仕打ちが対照的で、見ていて胸が締め付けられました。大家の笑顔の裏に隠された狂気は、この考試院の恐ろしさを改めて感じさせます。

性犯罪者とヤクザのおじさんの争いも、この考試院の異常性を際立たせています。人間の醜い部分が剝き出しになり、見ていて目を背けたくなるようなシーンもありました。

つづく