キム・シンは、階段を重い足取りで登るワン・ヨに「陛下」と、深い感情を込めて挨拶した。ワン・ヨは涙を流し、自分がかつて忠臣と愛する人を誤って殺めた王であったという罪を、ついに悟った。

キム・シンはワン・ヨを一族の祠堂へ連れて行き、そこで祀られている無辜の犠牲者たちの霊位を見せた。ワン・ヨは深い後悔と悲しみに苛まれ、過去の自分の行いを悔やんだ。

キム・シンはワン・ヨが再び孤独に陥るのを避けるため、ウンタクと共にユ会長の家、つまりドクファの家に一時的に身を寄せることにした。キム・ソンは行方不明の兄とワン・ヨを探し、ウンタクを訪ねて事情を知る。二人は重い気持ちを抱えながらも、互いを支え合った。

死神の女性は再びパク・チュンウォンの霊に出会い、前世で彼の命令で王の薬に毒を盛ったことを思い出す。彼女はパク・チュンウォンへの憎しみを新たにし、過去の自分の行いを深く悔やんだ。

パク・チュンウォンはキム・ソンが経営するチキン店を見つけ、復讐心に燃え、彼女にも死の苦しみを味わわせようと企む。ワン・ヨはそれを阻止しようとするが、死神である彼には悪鬼であるパク・チュンウォンに対抗する力はなかった。

キム・ソンは兄のキム・シンに、過去の恨みは過去のことだと説得するが、キム・シンは現在を生きているからこそ、過去の出来事を忘れられないと答える。

その後、地獄の監査チームが現れ、ワン・ヨが死者の身元を漏らし、人間の記憶を消したとして、死神の規則違仮を指摘する。罰として、彼の職務は停止され、さらに王だった頃の罪の記憶が蘇る。記憶と共に、かつての過ちの大きさを改めて実感し、激しい苦痛に襲われる。

ワン・ヨはパク・チュンウォンの逃亡情報を記録し、同僚に渡して一刻も早い逮捕を願う。同僚から、新たな死亡者リストにウンタクの名前があり、死因は心筋梗塞だと告げられる。ワン・ヨはすぐにキム・シンにこの事実を伝える。キム・シンは自身の体の変化を感じ、別れの時が近いことを悟る。彼は復讐の象徴である剣をワン・ヨに託し、パク・チュンウォンを倒すという最後の任務を託す。

キム・シンは自身の死期を悟り、ウンタクに一人で生きていくように言い聞かせ、ドクファとキム・ソンにもこっそりと会い、自分がいなくても幸せに暮らすようにと願う。

ウンタクは首の鬼の花嫁の印が薄くなっていることに気づき、そして、幽霊が見えなくなっていることにも気づく。ある夜、屋上でキム・シンとウンタクは再会し、抱き合う。その時、パク・チュンウォンが気づかれないように近づいてくる。ウンタクは鬼を見る能力を失っていたため、危険に気づかない。パク・チュンウォンはこの隙を突き、ウンタクに憑依し、彼女の手を使ってキム・シンの体から剣を抜こうと企む。

パク・チュンウォンが企みを実行に移そうとした瞬間、ワン・ヨが駆けつけ、パク・チュンウォンを追い払う。しかし、ウンタクの手は剣を握ったままだった。キム・シンは迷わずウンタクの手を握りしめ、自らの体から剣を引き抜き、パク・チュンウォンを完全に消滅させる。しかし、それは同時にキム・シンの命も尽きることを意味していた。

キム・シンとウンタクは最後の抱擁を交わす。ウンタクは泣きながら、なぜ一人で全てを背負うのかとキム・シンを責める。キム・シンは、ウンタクに出会えたことが人生で最も幸せだったと告げ、光となって消えていく。ウンタクは深い悲しみの中、一人残された。

第13話の感想

第13話は、切なくも美しい結末を迎えた「トッケビ」のクライマックスと言えるでしょう。キム・シンとウンタクの愛、そしてキム・シンとワン・ヨの千年にも及ぶ因縁に、ついに決著がつきました。

特に印象的だったのは、キム・シンがウンタクを守るため、自らの命を犠牲にするシーンです。ウンタクの手に握られた剣を引き抜く瞬間、キム・シンの表情には迷いがありませんでした。愛する人を守るため、そして長年背負ってきた宿命から解放されるため、彼は自ら死を選びました。その覚悟と深い愛情に、胸を締め付けられました。

また、パク・チュンウォンとの最後の対決も緊張感に満ち溢れていました。ウンタクに憑依するという卑劣な手段を使うパク・チュンウォンに対し、キム・シンとワン・ヨが共闘する姿は、まさにカタルシスを感じさせるものでした。二人の長年の確執が、ウンタクを守るという共通の目的によって解消された瞬間でもありました。

つづく