イタリアに著いたウンタクは、街の風景に既視感を覚えます。まるで以前来たことがあるように。さらに、公園の露店の店主がウンタクのネックレスに見覚えがあると言い出します。それは、かつてキム・シンがイタリアでウンタクに贈ったものだったのです。

一方、キム・シンと死神の暮らしには再び温かい空気が戻っていました。死神はキム・シンにイタリアへ行きウンタクを探すよう促し、キム・シンはお馴染みの扉を開いてイタリアへ渡ります。

イタリアの街を歩く二人。キム・シンはかつて初恋の人とイタリアを旅した思い出を語り始めます。ウンタクはそれを聞いて面白くありません。彼女はまだ、その初恋の人が自分自身であることに気づいていないのです。部屋に戻ったウンタクは、ノートに書かれた「彼の笑顔、彼の姿」という文字を見つめますが、どうしても彼が誰なのか思い出せません。

ウンタクとキム・シンはステーキを食べる約束をします。高級レストランでキム・シンを待つウンタク。この光景は、キム・シンが何年も前に予見した、ウンタクの29歳の未来そのものでした。あの時、ウンタクが誰と会う約束をしていたのか分からなかったのは、相手がキム・シン自身だったからです。

死神はフライドチキン店を訪れ、サニーに手紙を渡します。サニーはドクファを通して死神の電話番号を聞き出し、電話をかけます。サニーの記憶からは、あの奇妙で切なく、そして忘れられない出来事が消えていませんでした。二人の心には、あの頃の想いがまだ残っていたのです。

ウンタクはイタリアの旅行ガイドをめくっていると、突然、断片的な記憶が蘇り始めます。いてもたってもいられなくなったウンタクは、キム・シンに詰め寄ります。「なぜノートに“彼の新婦”と書いたのか」「私たちにどんな過去があったのか」と。しかし、キム・シンは何も語りません。

イタリアの街に舞い散る紅葉。その美しい紅葉を見つめていたウンタクの脳裏に、すべての記憶がフラッシュバックします!我を忘れて走り出したウンタクは、クリスマスのショーウィンドウのロウソクの火を吹き消します。すると約束通りキム・シンが現れ、二人は深く口づけを交わします。

長い歳月を経ての再会は喜びに満ちたものでした。二人はこの十年間の思い、苦しみ、そして待ち続けた気持ちを語り合います。キム・シンはウンタクに、これからはこの上ない幸せを与えると約束します。キム・シンはウンタクを家へ連れて帰り、二人は甘い新生活を始めます。まるで普通の恋人たちのように、親密な日々を過ごします。しかしウンタクは、この幸せが幻ではないかと、心のどこかで不安を抱えていました。

キム・シンとウンタクが一緒に帰って来たのを見た死神は喜びますが、ウンタクが29歳だと知ると、表情を曇らせます。10年前、死神はウンタクの未来を見ていました。29歳になったウンタクを、死神が迎えに来るという未来を。それはつまり、ウンタクは29歳までしか生きられないということを意味していました。

ウンタクはサニーを訪ね、イタリアの土産を渡します。記憶を失っていないサニーは、ウンタクをからかいながらも、心の中では兄とウンタクの幸せを願っていました。

キム・シンは突然ウンタクにプロポーズをします。キム・シンの澄んだ瞳を見つめたウンタクは、そのプロポーズを受け入れます。

第15話の感想

第15話は、ウンタクとキム・シンの切ない愛がついに成就する感動的なエピソードでした。長い歳月を経て、記憶を取り戻し、再会を果たす二人の姿は、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。特に、イタリアの街並みを背景に、運命的に再会するシーンは、美しく、そしてロマンチックで、ドラマ史に残る名シーンと言えるでしょう。

ウンタクが記憶を取り戻すまでの葛藤、そしてキム・シンの秘めた想い、それらが丁寧に描かれており、感情移入せずにはいられませんでした。再会後の二人の幸せそうな姿は、これまでの苦難を乗り越えてきた二人だからこそ、より一層輝いて見えました。まるで夢のような時間の中で、二人は普通の恋人同士のように愛を育んでいきます。しかし、ウンタクの寿命が29歳までという事実が、この幸せな時間に影を落としていることが気がかりです。死神の表情からも、今後の展開への不安が感じられました。

サニーと死神の再会シーンも印象的でした。記憶を失っていないサニーは、死神への想いを断ち切ることができず、電話をかけるシーンは、二人の切ない関係性が改めて浮き彫りになりました。

つづく