死神とドクファはサニーをカフェに誘い、サニーは友達も連れてきた。4人でカフェに座り、サニーは死神の仕事について尋ねた。死神は少し考え、「サービス業」だと答え、自分の名前を「キム・ウビン」だと紹介した。これを聞いたサニーと友達は、死神がウェイターだと勘違いしたが、サニーは愛想良く笑い、名刺を求めた。
ドクファとサニーの友達を帰らせるため、死神は魔法を使った。その後、以前取り上げた指輪をサニーに返した。死神の携帯に「トッケビ」と「トッケビの花嫁」の連絡先が入っているのを見て、サニーは面白がった。
チキン店に戻ったサニーは指輪をはめ、この指輪がずっと昔、自分のものだったような気がした。運命の歯車は回り続け、幾度の輪廻転生を経ても、縁は途切れることはなかった。
ウンタクは幽霊のおばあさんの頼みで、キム・シンに宝くじの番号を尋ね、おばあさんの子孫に当選させようとした。番号を聞き出したウンタクは自分も10枚買おうとしたが、未成年であるため、宝くじ売り場の店主から断られてしまった。今のウンタクは幽霊を恐れず、むしろ共存し、彼らの感情を感じ取ることができるようになっていた。
ウンタクは死神に、死んだら神様に会えるのかと尋ねた。無邪気な少女に、死神は剣を抜いた後の残酷な真実を告げることができなかった。
サムシンハルモニは赤い服の美女に姿を変え、病院に現れた。そこには重病の子供がいた。サムシンハルモニはそっと子供のおでこに手を当て、優しく声をかけた。すると、子供の苦しそうな表情は徐々に穏やかになった。
死神は毎日様々な魂の問題を処理していた。恨みを晴らせない魂、来世でスターになることを夢見る魂、そして運命を受け入れ、静かに次の世界へと旅立つ魂など。
ある日、死神は歩道橋の上で、こちらに向かってくるサニーと遭遇した。見つからないよう、死神はすぐに姿を消した。しかし、その時サニーから電話がかかってきて、歩道橋に突然鳴り響いた著信音にサニーは驚き、転びそうになった。姿を消していた死神はとっさに彼女を抱きとめたが、サニーは幽霊に遭遇したと思い込み、恐怖のあまり逃げ出してしまった。
ウンタクはキム・シンと話す中で、何年も前にキム・シンがなぜ自分の母親を助けたのか尋ねた。キム・シンはあの日酔っていたから情が移っただけだと答えたが、ウンタクにとっては奇跡だった。その時初めて、キム・シンは優しくウンタクの髪を撫で、ウンタクも背伸びをしてキム・シンの慄色の短髪に触れた。日差しが降り注ぐ街角で、この瞬間は二人の心に温かい思い出として刻まれた。
最近キム・シンが元気がないことに気づいたウンタクは、死神からその理由を聞き出そうとした。死神はキム・シンのことは直接答えなかったが、心の中で、ウンタクが29歳になったらまた死神に会うだろう、たとえ死神でなくても他の誰かが、いずれ彼女を連れて行くと呟いた。
ウンタクは剣を抜いた後のキム・シンの姿を早く見たくて、今日やってしまおうと提案した。しかしキム・シンは、「もう一日だけ待て、明日だ」と言った。
部屋に戻ったキム・シンは、自分の悲惨な死を思い返していた。前世の仇敵の転生に会いたいと思っていたが、全てを終わらせ、この世を去ることを決意した。もう未練はない。ドクファ、死神、そしてウンタクへの事後処理など、準備を始めた。
その夜は、まるで数千年の時にも匹敵するほど長く感じられた。同時に、過ぎ去った歳月の中の孤独と無念の吐息が聞こえるほど静かだった。
ウンタクは契約書のようなノートに、トッケビのおじさんとの約束事を書き留めた。毎年初雪が降る時、トッケビは必ず自分の前に現れなければならない、と。キム・シンがノートにサインをすると、空から初雪が舞い降り始めた。ウンタクはこの瞬間に全てを終わらせ、完璧な結末をつけようと決意した。
剣を抜こうとしたウンタクだったが、剣に触れることすらできなかった。彼女は、王子にかけられた魔女の呪いを解くには真実の愛のキスが必要だという童話を思い出した。そして、ためらうことなくキム・シンを引き寄せ、不意打ちのキスをした。
初雪は静かに降り続け、美しく舞い散り、ロマンチックな風景を作り出していた。
第6話 感想
第6話は、切なさと温かさが入り混じる、印象的なエピソードでした。死神とサニーのコミカルなやり取りは、緊張感漂うストーリーの中で良い息抜きとなっています。カフェでのやり取りや、歩道橋でのハプニングなど、二人の関係性が少しずつ変化していく様子が微笑ましく描かれています。特に、死神が咄嗟にサニーを抱きとめるシーンは、今後の展開を予感させる重要な場面と言えるでしょう。
一方、ウンタクとキム・シンの関係も大きな進展を見せました。キム・シンが初めてウンタクの髪を撫でるシーンは、二人の間に芽生えた愛情を象徴する、美しい場面でした。しかし、キム・シンの表情にはどこか影があり、別れが近いことを闇示しているようにも感じられます。ウンタクの無邪気な行動とは対照的に、キム・シンの胸中には複雑な感情が渦巻いていることが伝わってきて、胸が締め付けられる思いがしました。
サムシンハルモニの登場は、物語に神秘的な雰囲気を与えています。重病の子供を救うシーンは、彼女の優しさと力強さを改めて感じさせます。また、死神が様々な魂と向き合う様子も印象的でした。それぞれの魂の物語を通して、生と死について考えさせられる、深いシーンでした。
つづく