ウンタクは剣を抜くことでキム・シンが消滅してしまうという事実を知り、悲しみに暮れます。これが鬼の花嫁の運命なのかと涙を流すウンタクを、死神は慰めます。誰のせいでもなく、ただ運命なのだと。一方、サムシンハルモニはキム・シンに、早く剣を抜かないとウンタクの命が何度も危険に晒されると忠告します。
自分の部屋に戻ったウンタクは荷物をまとめ始めます。この温かい家も自分の居場所ではなく、自分は一生孤独だと悟り、家を出ていきます。一人で歩くウンタクはキム・シンとの思い出を振り返り、彼がなぜ悲しそうに彷徨っていたのか、別れを告げていたのだと理解します。降り出した雨は、二人の悲しむ心の表れでした。
サムシンハルモニとトクファは偶然出会い、まるで旧友のように飲み物を一緒に楽しみます。もしかしたら、トクファにも何か特別な存在理由があるのかもしれません。
キム・シンはウンタクを探し回りますが、見つかりません。チキン店に行ったキム・シンは、そこでキム・ソン、つまり転生した妹に出会います。千年ぶりの再会ですが、二人の兄妹の縁は切れていませんでした。ウンタクを悲しませたのがキム・シンだと知ったキム・ソンは、激しく怒ります。
大学修学能力試験の結果が出ますが、担任はウンタクを見つけられません。キム・シンは成績表を受け取り、花嫁に渡そうとします。ウンタクの成績は優秀で、名門大学への進学は間違いありません。
テレビでは、夜に赤い月が現れ、深い霧が発生したと報道されます。まるで神の嘆きのようです。キム・シンは一人でビルの屋上に立ち、本当にあの選択をするべきなのかと考えます。世界を異常な状態にしたのは、ウンタクに姿を現させるためでした。
では、ウンタクはどこにいるのでしょうか?
スキー場で働くウンタクは、疲れながらも忙しく過ごしています。赤い月と霧のニュースを見て、キム・シンの仕業だと気づきます。ついにキム・シンはスキー場にいるウンタクを見つけ、二人は本音を語り合います。ウンタクはキム・シンに消えてほしくないので、他人として遠く離れて暮らすことを決めます。
しかし、剣が抜かれないため、ウンタクは再び命の危機にさらされます。棚が倒れて下敷きになり、気を失ってしまいます。二人の運命は、どちらか一方が生きれば、もう一方が死ぬというものです。死神はウンタクの死亡名簿を受け取ります。死因は凍死。死神はすぐにキム・シンと共にウンタクを探し始めます。キム・シンはウンタクを救出しますが、今回助かっても、次はどうなるかわかりません。生死の境を彷徨ったウンタクは、キム・シンの元に戻ることを決意します。
キム・ソンは占いに行き、死神が地獄の使者だと聞きますが、ペテン師の戯言だと思っています。占い師はキム・ソンに指輪を捨てるように言います。指輪には前の持ち主の未練と悪縁が宿っているからです。
キム・ソンと死神が言い争いをしている時、キム・ソンは指輪をはめた手で死神の手を掴みます。その瞬間、死神は前世の記憶を思い出します。美しく微笑む女性、愛した王妃、自分が殺害を命じた女性、絵を見て涙を流した女性、それは彼女でした。そして自分は、彼女を殺した残酷な王だったのです。
死神の顔には驚きと戸惑いが浮かびます。本当にあなたなのか? 千年の時を超え、再びあなたに出会えたのか?
第9話の感想
第9話は、キム・シンとウンタクの切ない愛と、死神の衝撃的な過去が明らかになる、感情が揺さぶられるエピソードでした。ウンタクはキム・シンが消滅してしまうという運命を受け入れられず、彼を救うために別れを選びます。一人でスキー場で働くウンタクの姿は、健気ながらも見ていて胸が締め付けられました。キム・シンもまた、ウンタクを愛しているからこそ、彼女を守るために苦しい決断を迫られます。二人のすれ違う想いがもどかしく、赤い月と霧の演出が二人の悲しみをより一層際立たせていました。
一方、死神とキム・ソンの再会は、物語に新たな展開をもたらしました。前世の記憶が蘇るシーンは、鳥肌が立つほど衝撃的でした。死神がかつての王であり、キム・ソンが王妃だったという事実は、今後の物語に大きな影響を与えることは間違いありません。千年もの時を超えて再び出会った二人の運命が、どのように展開していくのか、非常に楽しみです。
また、サムシンハルモニとトクファの意外な関係性も気になるところです。トクファの正体や、彼が物語にどのように関わってくるのか、今後の展開に期待が高まります。全体を通して、切ないロマンスとミステリー要素が絶妙に絡み合い、目が離せない展開でした。
つづく