荒涼とした野原を、棺を乗せた馬車で進むチャン・マンウォル。風にスカーフが飛ばされるも気に留めず、死者の魂が泊まれる宿を探し、道端の茶屋の女主人に尋ねる。女主人曰く、「チャン・マンウォル客棧」には死者しか入れないという。マンウォルは自害を試みるが、仇敵たちに追われ、剣を抜く。しかし彼らは通り過ぎるだけで、マンウォルはまた人を殺めてしまったと悟り、罪滅ぼしにチャン・マンウォル客棧へ向かう決意をする。
再び襲撃されたと思い剣を振るうが、それは大樹だった。剣は大樹に呑み込まれ、枝が伸びて客棧へと姿を変える。茶屋の女主人も老婆の姿に戻り、満足げにマンウォルの馬車を押し去る。
時は流れ1998年、ク・チャンソンの誕生日。貧しい家庭のチャンソンはケーキを買ってもらえず、父と川辺に座っていた。通りすがりのカップルが落としたお金を父は拾うが、チャンソンは返すことを主張する。花売りの老婆が彼に花を贈り、未来の災難を警告するが、父は信じない。
デルーナホテルの社長、チャン・マンウォルはチャン・マンウォルを嫌う。ホテル支配人は看板に灯りをともすことを提案するが、マンウォルは興味を示さない。一方、チャンソンの父は息子の誕生日費用を捻出するためコンビニで金を盗み、警察に追われ、逃走中に倒れてしまう。彼の魂はデルーナホテルへ行き、手続き中の亡くなったばかりのイ刑事に出会う。父もホテルに入ろうとするが、まだ生きていることがバレて追い出される。
ホテル内を彷徨う父は不思議な光景を目にする。花を摘もうとして転んだところをマンウォルに見つかり、殺されそうになるが、鉄樹が開花したことで命拾いする。条件は20年後、息子チャンソンをホテルで働かせること。生き返った父は口座に大金が入っているのを見て、夢ではないと確信し、チャンソンを連れて韓国を離れる。20年後、チャンソンはソウルに戻り、ホテルで働き始める。
29歳の誕生日、チャンソンは月見草とデルーナホテルからの招待状を受け取る。拒否するもマンウォルの執拗な勧誘、そして恐ろしい女の幽霊まで送り込まれ、ついに根負けする。レストランでマンウォルと会食中、元市長が彼女を襲撃するが返り討ちに遭い、チャンソンは全てを目撃し、デルーナホテルで働く運命を受け入れる。
第1話の感想
「ホテルデルーナ」第1話は、幻想的な世界観とミステリアスな展開で、一気に視聴者を物語に引き込みました。冒頭の荒涼とした風景を馬車で進むチャン・マンウォルの姿は、美しくもどこか寂しげで、彼女の過去に何があったのか、強い興味を掻き立てられます。
特に印象的なのは、大樹がホテルへと変貌するシーン。まるで魔法のような演出は、このドラマが持つ独特の雰囲気を象徴しているかのようです。時空を超えた物語、生者と死者の世界が交錯する不思議な空間、そして個性的なキャラクターたちが織りなすドラマに、期待が高まります。
主人公チャン・マンウォルは、美しく冷酷なホテルのオーナー。その振る舞いは高慢で、時に残酷ですが、どこか憎めない魅力があります。彼女がなぜこのような性格になったのか、過去にどんな秘密を抱えているのか、今後の展開が気になるところです。
対照的に、ク・チャンソンは心優しく正義感の強い青年。そんな彼が、マンウォルと出会い、どのように変化していくのかも見どころの一つです。
また、随所に散りばめられた伏線も巧妙で、例えば花売りの老婆の予言や、チャンソンが受け取った月見草など、今後の物語にどう関わってくるのか、想像力を掻き立てられます。
つづく