ク・チャンソンは目を覚ますと、枕元に虎柄のスーツと「ありがとう」と書かれたカードが置いてありました。差出人はチャン・マンウォル。高価なスーツをどうやって買ったのか疑問に思ったチャンソンは、その後、サンチェスからマンウォルが最高級の馬を売るのを手伝ったと聞かされ、その馬がチョン会長からの報酬だと気付きます。

チャンソンはマンウォルを見つけ、多くの客から夢の通話料を受け取りながら契約を履行していない理由を問いただします。マンウォルは、それらの客が夢を使って他人を呪おうとしていたと説明します。チャンソンは客たちの願いを葉えることを決意し、夢の中で家族に冷麺の秘伝を伝えたり、交通事故で亡くなった父子に代わり加害者に謝罪させたりします。最終的に双方に心の安らぎが訪れます。マンウォルは全てを見届け、疲れながらも深い満足感に満たされます。感謝の気持ちを表すため、チャンソンはマンウォルの大好物の餅スープを予約します。

夜、おしゃれをしたマンウォルを連れて餅スープを食べに行き、二人は楽しい時間を過ごします。マンウォルは特に嬉しそうでした。一方、キム・ソンビ、チェ・ソヒ、ソンジュンは、月霊樹の花がさらに咲き誇っていることに気付き、マグ神がもうすぐマンウォルを連れて行くと予想し、それぞれの将来について考え始めます。

その頃、パク・ヨンスはネット上で死者への悪質な攻撃が行われているという通報を受け、すぐに警察に捜査を指示します。キム・ユナはソンジュンと協力し、被害者の幽霊たちを見つけ、犯人の価顔絵を描かせます。チウォンは引っ越し業者からキム・ユナの情報を聞き出し、学校へ調査に向かいます。

事件を調べているキム・ユナを見たチャンソンは止めようとしますが、ユナは得た情報をチャンソンに渡します。ファン・ムンスク総長はチャンソンに会い、かつてデルーナホテルの支配人だったと明かし、マンウォルに会いたいと告げます。チャンソンはマンウォルをホテルへ連れて行きます。ソンジュンたちはムンスクを見て感激しますが、マンウォルはニュースでムンスクの現在の成功を知り、マグ神が薬を与えていなければ簡単には解放しなかっただろうと考えます。ムンスクはマンウォルに協力を依頼し、感謝の印として大きなルビーを贈ります。

チャンソンは、ムンスクがデルーナで働いていた頃にマンウォルに多くの利益をもたらしたことを知ります。デルーナホテルは皆既月食の時だけ人々の目に見えるようになります。1981年の皆既月食の夜、ある新婚夫婦がデルーナ404号室で初夜を過ごしました。後に生まれた子供は韓国の有名なサッカー選手となり、ムンスクの娘婿となります。ムンスクは今年の皆既月食の夜にも、娘夫婦に同じ部屋に泊まってほしいと願います。興味を持ったチャンソンは、一人で404号室を見に行きます。

新婚夫婦を迎えるため、ホテルの従業員たちは忙しく準備をします。チャンソンはマンウォルにバラの花を贈り、マンウォルは口では文句を言いながらも内心では喜んでいます。皆既月食の夜、新婚夫婦は予定通り404号室に宿泊し、最高のサービスを受けます。上機嫌のマンウォルに、チャンソンは皆既月食後のチャン・マンウォルを一緒に見ようと誘います。

サンチェスは恋人ベロニカにプロポーズしようと計画していましたが、ベロニカは上海で交通事故に遭い亡くなってしまいます。訃報を受けたサンチェスを、チャンソンはデルーナホテルへ連れて帰り、皆既月食を利用してベロニカの幽霊に会えるようにします。ソンジュンはベロニカの化粧を手伝い、屋上へ連れて行きます。チャンソンはサンチェスに真実を告げ、その場を離れます。サンチェスとベロニカは再会を果たしますが、サンチェスは悲しみに暮れます。皆既月食が終わるとともにベロニカの姿は消え、サンチェスは深い悲しみに沈みます。

翌朝、チェ・ソヒは新婚夫婦を見送り、キム・ユナは犯人の価顔絵を完成させます。しかし、横断歩道を渡っている時に車に轢かれそうになり、運転手のチウォンが犯人に価ていること、そして車内に女の幽霊の影を見つけたユナは、チウォンが犯人だと疑い、タクシーで追跡します。それに気付いたチウォンは殺意を抱きます。ファン・ムンスクはチャンソンがもうすぐデルーナを去ることを知り、複雑な気持ちになります。

空を見上げマンウォルを想っていたチャンソンは、マンウォルから会いに来ると電話を受けます。その後、キム・ユナからも電話があり、犯人を追跡中だと聞かされます。犯人がチウォンだと気付いたチャンソンは、ユナに家に帰るよう警告します。チャンソンはチウォンのバーへ向かい、チウォンに殺された女の幽霊を見つけます。チャンソンの家を訪ねたマンウォルは、チャンソンに会えず、マグ神と出会います。

第11話の感想

第11話は、切なさと温かさ、そしてサスペンスが絶妙に絡み合い、見応えのあるエピソードでした。特に印象的なのは、様々な形の「別れ」が描かれている点です。

まず、サンチェスとベロニカの別れは、あまりにも突然で悲劇的でした。プロポーズを計画していた矢先の事故死、そして皆既月食という幻想的な状況での再会と別れは、涙なしには見られませんでした。サンチェスの深い悲しみは視聴者の胸を締め付け、愛する人を失うことの辛さを改めて感じさせられました。

一方、ムンスク総長とマンウォルの再会は、過去と現在の繋がりを強く意識させるものでした。かつてデルーナで共に過ごした時間、そしてそれぞれの歩んできた人生。マンウォルがムンスクの成功を知り、複雑な感情を抱くシーンは、彼女の長い歳月と変化を感じさせ、感慨深いものがありました。

また、物語全体を覆うマンウォルとチャンソンの別れへの予感も、静かな緊張感を生み出しています。月霊樹の花が咲き誇る様子、そしてマンウォルとマグ神の出会いは、二人の別れが近づいていることを闇示しており、今後の展開に不安を抱かせます。

つづく