ク・チャンソンは道で小さな女の子に会い、ホテル・デルーナが見えると言われ、落ち込む。望遠鏡でそれを見ていたチャン・マンウォルに、キム・ソンビはク・チャンソンは99番目の客人だと諭すが、マンウォルは彼が違うと感じ、共に過ごした日々を思い出し複雑な心境になる。

マンウォルはホテル・デルーナを移転し、従業員が成仏して足りなくなったため、キム・ユナを新しい支配人に迎える。ソンジュンはユナの引っ越しを手伝うが、彼が見えない運転手はユナが独り言を言っているように見える。車が通り過ぎ、ユナは車の中に助けを求める幽霊を見つけ、運転手に追いかけるよう指示する。

ク・チャンソンはマゴシンを訪ね、マンウォルの消息を尋ねる。マゴシンは彼に幽霊が見えなくなる薬を渡し、普通の生活に戻るよう勧めるが、マンウォルを愛するチャンソンは薬を飲まずに彼女を探し続けることを決意する。

マンウォルはチェ・ソヒ、キム・ソンビと共に新しいホテル・デルーナに移り、月霊樹の下でマゴシンからチャンソンが薬を飲むか迷っていると聞く。チャンソンは廃墟となったホテルを訪れ、蛍に導かれ彷徨う幽霊に新しいホテルへ行くよう伝える。その後、不動産屋がホテルを売却するために訪れる。

チェ・ソヒはマンウォルが相続税を払っていないため、旧ホテルが売れないことを知る。マンウォルは生前弁護士だった客チャン・ファヨンに相談するが、彼は過労死したため、書類を5分以上見ると気を失ってしまう。チェ・ソヒの提案で、マンウォルは不動産屋に電話し、チャンソンが電話を奪い、マンウォルに去った理由を問い詰め、戻りたいと訴える。マンウォルは不動産屋に鍵をかけさせ、チャンソンを追い払おうとし、チェ・ソヒにソンジュンとユナを呼ぶよう急かす。

ソンジュンとユナはホテルへ向かう途中、車が故障する。ユナは森の中で彷徨う幽霊を見つけ、ホテルへ連れて行こうとするが、ソンジュンに止められる。マンウォルは機嫌が悪く、キム・ソンビにカクテルを作らせるが満足せず、一人で近くの宝藍酒造へ行き酒を飲む。酒造の主人は後に空瓶を見つけ、誰が飲んだのか不思議がる。

マンウォルは酒造から出て井戸を見つけ、その水が酒の美味しさの秘訣だと知る。井戸神が現れ、彼女がホテルの主人だと見抜く。ミロはサンチェスからチャンソンが解雇されたのは自分と関係があると聞くが、車の中で目を覚ました記憶しかない。

チャンソンは帰宅し、長白山の絵を見に来た会長に会い、絵の中の虎が消えていることに気づく。テレビで会長の訃報を知り、チャンソンは彼をホテル・デルーナに招待する。会長を通してマンウォルを見つけようとするチャンソンは、彼と共に新しいホテルへ向かう。ミロはチャンソンのマンウォルへの想いに気づき、身を引くことを決意する。

マンウォルはソンジュンとユナが幽霊を保護したと聞き、チャンソンも同じことをしていたのを思い出し、複雑な気持ちになる。チャンソンは会長を連れてホテルに到著し、マンウォルは驚き、チェ・ソヒに会長を案内させる。マンウォルはチャンソンが幽霊を利用したと非難し、チャンソンは会長の長白山の絵を高値で売って資金を得ようとし、マンウォルは利益の半分を要求するが、チャンソンは拒否する。マンウォルは怒ってチャンソンを追い出そうとする。

大洞井戸神が突然ホテルに現れ、チャンソンは彼を迎えるが、井戸神はチャンソンをびしょ濡れにする。マンウォルはなぜ井戸神を入れたのかと問い詰め、チャンソンは申し訳なく思いながらも、神は一度招き入れたら追い出せず、丁重に扱わなければならないと説明する。井戸神が元の場所を離れると井戸が枯れ、宝藍酒造が倒産する可能性がある。チャンソンは井戸神に会いに行くことを決意し、マンウォルは彼の安全を心配するが、チャンソンは行ってしまう。

ソンジュンとユナは森の中でチェック柄のシャツを著た男性の遺体と5人の幽霊を発見する。ユナは恐れ、ソンジュンは急いで警察に通報する。警察は現場に到著し、5体の遺体を掘り起こす。運転手のチウォンはニュースを見て驚き、死者たちを知っていた。同窓会で、チウォンはチャンソンの名前を出す。

チャンソンは井戸神の魂が入ったひょうたんを会長の家の小川に投げ込み、川の水が激しく流れる。マンウォルは以前の宝藍の酒がもう飲めないことを残念がり、チャンソンはマンウォルがマゴシンに薬を渡すよう頼んだのだと察し、薬を川に投げ捨て、マンウォルのそばにいると強く宣言する。

第9話の感想

第9話は、チャン・マンウォルとク・チャンソンの切ない想いが交錯するエピソードでした。マンウォルはチャンソンを「99番目の客人」と突き放そうとしながらも、彼との思い出に浸り、複雑な心境を隠しきれません。一方、チャンソンはマンウォルへの愛を貫き、マゴシンの薬を拒否し、彼女を探し続ける決意を固めます。二人のすれ違いはもどかしいですが、お互いを想い合う気持ちは確かに存在し、それがこの物語の切なさを一層際立たせています。

移転したホテル・デルーナは、以前とは異なる雰囲気を纏い、新たなスタートを予感させます。しかし、従業員の減少や相続税の問題など、マンウォルには解決すべき課題が山積みです。そんな中でも、彼女は持ち前の強さとプライドで困難に立ち向かおうとする姿が印象的でした。

また、今回登場した大洞井戸神や、森の中で発見された遺体と幽霊たちは、ホテル・デルーナを取り巻く不思議な世界観を改めて感じさせます。特に、井戸神の登場は、マンウォルとチャンソンの関係に新たな波紋を投げかけ、今後の展開への期待を高めます。そして、最後にチャンソンがマンウォルのそばにいると決意を新たにするシーンは、感動的で、二人の未来に希望を感じさせました。

つづく