乱闘中、ジアンは「なぜあんな可哀想な子を殴るんだ」という声を聞き、涙を流します。ドンフンは自分もそうしただろうと言い、ジアンの苦しみを理解する彼の言葉に、彼女はしゃがみこんで号泣します。クァンイルは血まみれのドンフンを置いて、振り返ることなく立ち去ります。
ドンフンの弟、ギフンは兄が暴行されたことを知り、怒りに燃えて加害者を探しに行こうとしますが、駆けつけたサッカーチームの仲間たちと共にドンフンを見つけると、彼は暴行の理由を語りたがりません。通りかかった警察に騒ぎを疑われ、皆はドンフンを隠します。彼にとって今は重要な時期であり、些細な問題も将来に影響を与えてはいけないからです。
友人たちは集まってドンフンが殴られた件について話し合いますが、彼は依然として沈黙を守ります。ユニにどう説明するべきか頭を悩ませ、最終的にサッカーで怪我をしたということにします。帰宅したドンフンは、その言い訳でユニを納得させます。ユニは怪我をしたドンフンを見て、ジアンの言葉を思い出し、この優しくしてくれる男性を愛すべきか恨むべきか、心の中で葛藤します。ジュニョンに電話をかけようとして、結局やめます。
ドンフンの母はギフンを責め、ギフンは辛いながらも我慢します。会社では、ドンフンの怪我は逆に同僚たちの共感を呼び、皆が過去の怪我の話を始めます。ドンフンは少しだけ気持ちが楽になります。同僚たちの心配を淡々と受け止めながら、ジアンの空席を見つめ、複雑な思いを抱きます。
ジアンはついにクァンイルへの借金を完済し、肩の荷が下りたように感じます。キム代理はドンフンの評判を守るため、ジアンを食事に誘い、同僚と良好な関係を築いているように見せかけようとしますが、ジアンは断ります。キム代理はドンフンに愚痴をこぼし、ドンフンは彼にもう少し頑張ってみるよう励まします。
ジアンはドンフンにスリッパを買い、ドンフンの帰宅を待ち伏せます。ドンフンが現れると、ジアンは袋を渡し、祖母を老人ホームに手配したことを告げ、頭を下げて去っていきます。ドンフンはジアンの祖母を老人ホームに送り届け、お菓子を買い、祖母がジアンに宛てた手紙を読み、感動します。
ジアンはドンフンに過去の罪を告白し、ドンフンは気にしなくていい、未来は自分で切り開くのだと慰めます。ユニとジュニョンは激しい口論の末、完全に別れます。ユニは最も辛い時に助けてくれたドンフンを思い出し、後悔の念に駆られ、車の中で一人で泣きます。
ジュニョンはドンフンが家族のために出世しようと努力していることを知り、不安になります。ジアンから情報を得ようとしますが、ジアンは多くを語りません。激怒したジュニョンは、ジアンに早く結果を出すよう命令します。
ユニはサンフンに会いに行き、兄弟二人でドンフン夫婦を母親の家での夕食に招待します。ジュニョンはジアンとドンフンの尾行をつけますが、ジアンは既に察知しており、弟の助けを借りて逆に監視します。
ユニの豹変ぶりにドンフンは戸惑います。ジアンはドンフンを監視する者の存在に気づき、彼を守るため、わざとドンフンを怒らせ、彼に自分を殴らせます。殴られたジアンは立ち去り、ドンフンは後悔の念に打ちひしがれます。
第10話の感想
第10話は、パク・ドンフンとイ・ジアンの関係性が大きく揺れ動く、非常に印象的なエピソードでした。ジアンが乱闘中に見せた涙、そしてドンフンが彼女の痛みを理解する言葉は、二人の間に確かな繋がりがあることを改めて示していました。しかし、その繋がりは、ジアンが抱える過去、そしてジュニョンによる策略によって、脆くも崩れ去ろうとしています。
特に、ジアンがドンフンを守るために、あえて彼を怒らせ、自分を殴らせるシーンは胸が締め付けられる思いでした。自分の身を犠牲にしてでもドンフンを守ろうとするジアンの強い意誌、そして、その結果に打ちひしがれるドンフンの姿は、二人の関係の複雑さを物語っています。
また、ユニとジュニョンの関係がついに破綻を迎えたことも大きな転換点と言えるでしょう。ユニは、これまでジュニョンとの関係に苦悩していましたが、ドンフンへの想いを再確認することで、ついに決断を下しました。今後、ユニがドンフンにどのように向き合っていくのか、非常に気になるところです。
つづく