会議を終えたドンフンは、重い気持ちでいた。ユン常務のジアンへの非難、そして空席のジアンの席が彼を不安にさせた。ふと機の引き出しを開けると、新しいスリッパが目に入る。昨夜、返信できなかったジアンからのメッセージを思い出し、焦燥感が募る。ジアンの祖母に電話をかけるも、ジアンはそこにいないと分かり、途方に暮れる。
ギョムドクは、ジョンヒとのぎくしゃくした関係をドンフンに打ち明け、母にジョンヒの様子を見てくれるよう頼む。ジョンヒの苦悩する姿に胸を痛める母。しかし、母の言葉はジョンヒの心に届かない。ジョンヒの無事を確認したギョムドクは、安堵する。
ジアンの家を訪ねるドンフン。しかし、ジアンの姿はどこにもない。ジアンの家を後にしたドンフンは、偶然にもジョンヒの家で、ジョンヒがジアンと会っていたことを知る。そして、ジアンがこの町に特別な思いを抱いていることを知る。この情報に、ドンフンの胸に一縷の希望が灯る。
その時、見知らぬ番号から電話がかかってくる。ジアンだった。ジアンの言葉に胸を打たれ、ドンフンは涙をこらえる。電話を切った後も、ジアンはすぐにはその場を離れず、イヤホン越しにドンフンの荒い息遣いを聞き、再び涙を流す。
グァンイルたちはジアンのPCを調べ、彼女が借金を返済できた秘密を知る。一方、ジュンヨンもジアンを探していた。ジアンが現れるも、ドンフンを庇うジアンの態度にジュンヨンは苛立つ。しかし、ジアンの強い意誌に押され、彼女を解放する。
ジアンの退職を聞き、激怒する会長。ジアンを探すよう部下に指示を出す。会長の後ろ盾もあり、ドンフンは常務に選出される。同僚たちは歓声をあげ、家族も彼の成功を喜ぶ。しかし、ジアンを見つけられないドンフンは、心から喜ぶことができない。
夜、ドンフンの常務就任祝賀会に、花束を持ったユニが現れる。場は大いに盛り上がり、ドンフンの母もユニの心遣いに感動する。ドンフンもまた、ユニの行動に温かさを感じる。
ドンユンは、自分が会社で冷遇されている理由を調べ続け、ついにジアンの弟が誘拐容疑で逮捕されたことを知る。祝賀を受けているドンフンに、ドンユンはこの情報を伝える。ジアンがジュンヨンと関係している可能性を知り、ドンフンは怒りに震え、ジュンヨンを呼び出す。そして、会って早々にジュンヨンを殴り倒し、ジアンの居場所を問い詰める。
ジュンヨンから、ジアンがドンフンを守るために自分を犠牲にし、会社を辞めたことを聞かされ、ドンフンの怒りは静まり、深い感謝の念に変わる。祝賀会でジアンの話題が出た時、ドンフンは戸惑うが、ジョンヒが機転を利かせて話題を変える。ドンフンの変化にユニは気付くも、何も聞かない。
祝賀会が終わり、三兄弟は母を見送る。疲れているながらも明るい母の表情に、彼らは安堵する。ユニを見送った後、サンフンは満面の笑みを見せるが、ギフンはユニに目もくれない。バックミラーに映る三兄弟の姿を見ながら、ユニは複雑な心境になる。
残った仲間たちで歌が始まり、ドンフンも皆に促され歌を披露する。ドンフンの歌声はジアンにも届き、彼女の心を温かく包む。
その後、ドンフンは自分の携帯に盗聴アプリが仕掛けられていたことに気付く。ジアンがいつも自分の状況を正確に把握していた理由が、これで分かった。真相を確かめるため、ドンフンはジアンに電話をかける。ドンフンの声を聞いたジアンは、我に返る。
第14話の感想
第14話は、ドンフンとジアンの関係性が大きく変化する重要なエピソードでした。これまで、互いに支え合いながらも一定の距離を保っていた二人が、ジアンの自己犠牲によってより深く繋がっていく様子が描かれています。
特に印象的なのは、ドンフンがジアンの留守中に彼女の家に訪れるシーンです。そこで見つけた新しいスリッパと、返信できなかったメッセージから、ジアンの存在の大きさを改めて実感するドンフンの姿が胸を締め付けます。ジアンからの電話で、彼女の切ない思いが伝わり、涙をこらえるドンフンの表情は、二人の関係性の深まりを象徴していると言えるでしょう。
一方、ジアンはドンフンを守るため、自ら会社を辞めるという大きな決断をします。ジュンヨンとの対峙シーンでは、彼女の強い意誌とドンフンへの深い愛情が見て取れます。全てを犠牲にしてでもドンフンを守ろうとするジアンの姿は、視聴者の心を揺さぶります。
また、ドンフンが常務に就任するシーンも印象的です。周囲の祝福とは裏腹に、ジアンを見つけられないドンフンは心から喜ぶことができません。この対比が、ジアンがドンフンにとってどれほど大切な存在になっているかを物語っています。
つづく