ハンバダの代表弁護士チョン・ミョンシクとウ・ヨンウは、サンヨン薬品会長の次男、キム・ジョンフンが長男サンフンを暴行し死亡させた事件を担当することになった。ジョンフンは重度の自閉症を抱えている。自宅に戻った会長夫妻は、ジョンフンがサンフンに馬乗りになり「死ぬな、ダメだ」と叫びながら殴り続けているのを発見した。サンフンは搬送先の病院で死亡。死因は肋骨骨折による胸部内出血で、体内からは高濃度のアルコールが検出され、首には絞められた痕跡があった。
ミョンソクとヨンウは会長夫妻と面談後、ジョンフンに会うことにした。ヨンウは、ジョンフンがペンギンが好きだと知り、暴行の理由を尋ねるが、ジョンフンは機を叩き「死ぬな、ダメだ」と繰り返すばかりだった。ヨンウは父クァンホに、自閉症の若者とのコミュニケーション方法を相談する。クァンホは、ヨンウの世界の中心はヨンウ自身であり、他者への関心が薄いことを指摘し、ジョンフンの好きなものから話を始めるようアドバイスした。
ヨンウはミョンソクとチェ・スヨンにペンギンの歌を歌わせ、ジョンフンの心を開こうとする。そして改めて暴行の理由を問うと、ジョンフンは再び「死ぬな、ダメだ」と叫んだ。ヨンウはサンフンの首の痕跡から自殺を疑い、ジョンフンに確認すると、ジョンフンは「うん」と答えた。しかし、ジョンフンはどんな質問にも「うん」と答えるため、母親はこれ以上の面会を拒否した。
ヨンウとイ・ジュノはサンフンの部屋で切れたロープと日記を発見する。日記には、サンフンが何度も自殺未遂を図り、その度にジョンフンに見つかったことが記されていた。ヨンウはジョンフンの減刑を目指すことを提案するが、会長は激怒し、弁護を依頼したことを後悔する。ニュースで自閉症への非難の声が高まるのを見て、ヨンウは心を痛める。
ジョンフンはタクシーでハンバダにやって来る。ヨンウはジョンフンの面倒を見ながら母親に連絡し、母親は謝罪し、サンフンの自殺を公表しないでほしいと懇願する。法廷で、検察官はヨンウが自閉症であることを理由に、ジョンフンに肩入れしていると攻撃する。
ジュノはヨンウが事務所で自殺を図ろうとしているのを発見し、間一髪で阻止する。ヨンウは床に倒れ、その衝撃で閃く。ジョンフンはサンフンを助けようとして人工呼吸を試み、その際にサンフンの肋骨を骨折させたのだとミョンソクと会長に説明する。殺人罪ではなく傷害罪に問うべきだと主張するが、そのためにはサンフンの自殺を公表する必要がある。
会長は公表に同意するが、ヨンウには法廷に出廷しないでほしいと伝える。ミョンソクは仮対するが、ヨンウ自身も被告に有利な弁護ができないと判断し、欠席を受け入れる。ミョンソクはハン・ソニョンに会長を説得するよう頼むが、ソニョンは拒否し、ミョンソクにも事件から手を引くよう勧める。
チャン・スンジュンが弁護を担当するが、ジョンフンは懲役7年の判決を受ける。ミョンソクは執行猶予がつくはずだと話す。会長夫妻は感謝を伝える。ジュノはヨンウにプレゼントを用意するが、ヨンウは既に退職届を提出し、名札を外して事務所を去っていた。
第3話 感想
第3話は、心を揺さぶられる重いテーマを扱っていました。自閉症の弟が兄を死なせてしまうという衝撃的な事件を通して、家族の葛藤、社会の偏見、そしてヨンウ自身の苦悩が描かれていました。
特に印象的だったのは、ヨンウが事件の真相に迫っていく過程です。ペンギンの歌を歌ったり、自閉症の父親に相談したりと、ヨンウならではの視点と方法で真相に近づいていく様子は、見ていて引き込まれました。そして、自閉症であるが故に、検察官から心ない言葉を浴びせられるシーンは、胸が締め付けられました。ヨンウが事件を通して、弁護士としてだけでなく、人間として大きく成長していく姿が感動的でした。
また、事件の背景にある家族の複雑な関係性も深く描かれていました。兄の自殺、弟の自閉症、そして両親の苦悩。それぞれの立場から見た事件の真相が徐々に明らかになっていくにつれて、家族の抱える問題の大きさを改めて感じさせられました。
最後に、ヨンウが退職届を提出するシーンは衝撃的でした。事件を通して、ヨンウは自閉症である自分と弁護士という職業との間で葛藤を抱えていたのでしょう。ヨンウの今後の選択がどうなるのか、非常に気になるところです。
つづく