妹のダルレを救うため、ハソンはチスに屈辱的な要求を呑み、土下座までさせられる。チスはハソンに、夜、イ・ギュを親審するように命じる。怒りを抑えながら、ダルレの安全を案じるハソンは命令に従う。イ・ギュが到著すると、中庭には刑部官員がずらりと並び、ハソンとチスの表情は険しい。ハソンはイ・ギュに近づくよう促すが、次の瞬間、態度を豹変させ、チスの逮捕を命じ、尋問を開始する。

ハソンはダルレを証人として呼び出す。胸を痛めながらも、ハソンは平静を装う。チスを追い詰めるため、ハソンは若い頃の芸人時代の芝居を再現する。ダルレは最初は戸惑うが、すぐに兄の意図を理解し、兄は既に亡くなったという嘘をつく。これにより、チスは窮地に陥る。口を塞がれ、暴行を受けるチス。イ・ギュはキム尚宮を証人として呼び、身の危険を感じたキム尚宮はチスの悪事を全て白状する。その罪状は死刑に値するほど重いものだった。ハソンは判決を即座に承認する。

イ・ギュはウンシムをダルレに会わせる。ウンシムはダルレの姿を見て安堵し、入宮の理由を尋ねる。兄に迷惑をかけまいとダルレは真実を隠すが、ウンシムは既に察している。ウンシムはハソンからイ・ギュに託された木の実をダルレに渡し、ダルレは兄の愛情を改めて感じる。

イ・ギュはハソンのやり方が強引すぎると非難するが、ハソンはダルレのことを考えると冷静ではいられなかったと説明する。チスのような狡猾な相手には、先手を打つことが必要だと主張するハソン。イ・ギュはそれ以上何も言わない。チスを処断した後、ハソンはカプスのことを思い出し、杖刑ではなく、辺境の水軍に送ることにする。ヨンギョムとの対峙では、ヨンギョムの悪事も明るみに出る。貧民を虐げた罪は極刑に値するが、ハソンは顔に字を刻む刑に減刑し、一生の恥辱を背負わせる。

牢獄では、チスとヨンギョムは隣の房に入れられる。息子の顔の刺青を見たチスは苦悩する。流刑にされるヨンギョムはチスに深々と頭を下げ、その姿にチスの心は揺さぶられ、イ・ギュへの復讐心がさらに強まる。チスは後金の皇室への密書に関する情報をソン尚宮に流し、この秘密を利用して復権を企む。情報を掴んだチンピョン君は、表面上は冷静を装いながらも、密かにチスの家宅捜索を命じるが、手紙は見つからない。

ソウンは自分が長年飲んでいた茶に避妊効果のある成分が含まれていたことを知り、大きなショックを受ける。ハソンが苦労して築き上げた安定を壊したくないソウンは、この事実をハソンに隠す。しかし、ハソンは侍女から真実を聞き出し、調査を進めた結果、黒幕が大妃であることを突き止める。ハソンは大妃を問い詰めるが、逆に非難される。イ・ギュはソウンの父の事件を再調査することを提案し、ソウンは喜ぶ。しかし、イ・ギュがソウンの父の家を訪ねると、既に殺害されていた。

第13話の感想

第13話は、ハソンが妹ダルレへの深い愛情と、王としての責任感の間で葛藤する姿が印象的なエピソードでした。チスへの怒りを抑え、冷静さを保ちながら、緻密な計画で復讐を果たす姿は、彼の成長を強く感じさせます。特に、芸人時代の演技を巧みに利用し、ダルレと連携してチスを追い詰めるシーンは、緊迫感と感動が入り混じった名場面と言えるでしょう。

一方、ダルレを守るためとはいえ、ハソンの取った行動は強引で、イ・ギュからの批判ももっともです。しかし、妹を思う兄としての切実な思いが伝わってくるため、視聴者としては彼の行動に共感せずにはいられません。

また、ソウンの悲劇的な境遇も胸を締め付けられます。愛するハソンの子供を授かることができないという現実は、彼女にとってどれほどの苦痛だったでしょうか。大妃の陰謀によって引き起こされたこの悲劇は、今後の物語に闇い影を落とすことは間違いありません。

つづく