ハソンは傷を負い、ソンファダンは献身的に尽くすも、王の寵愛を得られない。そこへ、ソウンと共に善花堂が見舞いに訪れる。ハソンは凛としたソウン、そして寵愛を得ようと争う二人の側室を見て、複雑な思いを抱く。以前、彼女たちが演じた後宮の芝居では、中殿は悪女、そして自分とソンファダンは虐げられる哀れな側室として描かれていた。しかし、現実とは大きく異なる状況に、彼女は深い感慨にふける。

川辺でソウンと出会い、一緒に戻る途中、ソウンが足をくじく。ハソンは言葉少なに、さりげなく道の石を蹴り除ける。その小さな優しさは、ソウンの心に深く刻まれる。普段は薬茶を飲まなければ眠れないソウンだが、その夜はハソンの温もりに包まれ、安らかに眠りにつく。

イ・ギュはハソンに、王としての振る舞いを自覚するよう忠告する。最近のハソンの行動は、イ・ホンらしくないというのだ。ハソンもまた、イ・ギュに自分の職務を全うするよう釘を刺し、自分に放たれた矢を渡す。その矢は、事件の真相を解明する重要な手がかりとなる。

ハソンは役者としての経験から宮廷の外では何とか対応できるが、宮殿に戻ると、書物に囲まれ途方に暮れる。自分の望みを葉えるため、チョ内官に文字の読み書きを習い始める。山積みのイ・ホンが読んだ書物を見て、ハソンは学ぶことの大変さを実感するが、真剣に取り組む。その様子を偶然知ったイ・ギュも、特に咎め立てはしない。

ソンファダンはソウンの勢力を弱めるため、ソウンの部屋で茶に毒を入れる工作を仕掛ける。ハソンが見舞いに行くと、ソウンは全身に針を刺された人形を差し出し、自分の侍女が部屋に置いたと訴える。ハソンは真相究明を望むが、イ・ギュに止められる。後宮の争いは、表向きは寵愛争いだが、実際は背後の家門同士の権力争いだと諭される。以前のイ・ホンは、こうした争いには冷淡で、介入することはなかった。

侍女を守るため、ソウンは王に訴えようと大殿へ向かうが、キム・サングンの泣き顔 を思い出し、引き返す。その様子を見たハソンは、ソウンの後を追って祈願池へ行く。ハソンから身の潔白を信じていると告げられ、ソウンは王の立場を理解を示す。ハソンは必ず潔白を証明すると約束する。

ソウンを失脚させるため、大妃も陰謀に加担する。ソウンの侍女を毒殺した毒が、かつてケファンを毒殺した毒と同じだと判明し、事態は複雑化する。チスと金沿宮も、事態の収拾がつかなくなってきたと感じる。チスは仲間と共謀し、ソウンを廃位するよう上奏する。

一方、ソウンは亡くなった侍女の家族に弔慰金を送るよう手配する。しかし、相手は大妃からの贈り物と勘違いし、手紙と巻物を託す。それはソウンを呪う呪符と、大妃との密通を示す手紙だった。ハソンは喜び勇んでイ・ギュに報告するが、イ・ギュはこれを利用して大妃を排除しようと考える。

大妃はハソンに脅しをかけるが、内心では恐れを抱いている。保身のため、自分の侍女を身代わりに差し出す。イ・ギュはイ・ホンに指示を仰ごうとするが、弟に耳を刺され意識不明になっているイ・ホンの姿を目にする。朝廷では、チスがハソンに大妃排除の必要性を説く。しかし、ハソンはソウンの潔白を証明することだけを望み、不孝者として非難されることは望まない。ハソンの態度に、チスは不安を覚える。

ハソンはチョ内官のために、彼の名前にちなんだ文を書き、笑わせようとする。しかし、チョ内官はイ・ホンの帰還を案じている。イ・ギュは倒れているイ・ホンを見てため息をつき、大殿に戻る。そして、ハソンに私服に著替えさせ、人気のない場所へ連れて行く。崖っぷちで、イ・ギュはハソンに刀を突き刺し、「道化師のハソンは死に、新たな王がここに誕生した」と宣言する。誰もが、その光景に言葉を失う。

第4話 感想

第4話は、ハソンの人間としての優しさと、王としての苦悩が際立つエピソードでした。特にソウンへのさりげない気遣いは、偽物ながらも彼女の中に芽生えた真の心の動きを感じさせ、胸を打たれました。一方で、宮廷内の権力争いの渦中に巻き込まれ、翻弄される姿は、彼の立場 不安定なさを改めて浮き彫りにしています。

イ・ギュは、ハソンを操り人形として利用しながらも、どこかで彼の成長を期待しているようにも見えます。崖っぷちでの衝撃的なラストシーンは、イ・ギュの真意を問いかけるだけでなく、今後の展開に大きな影を落とすことは間違いありません。

また、女性陣の描写も秀逸でした。権力に固執する大妃、陰謀を企てるソンファダン、そしてその中で静かに耐え忍ぶソウン。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。特にソウンの凛とした強さは、逆境の中でも揺るがない芯の強さを感じさせ、彼女の魅力をより一層引き立てていました。

つづく