ソウンは、眠っていると思ったハソンに思わず口づけをしてしまう。我に返ったソウンは慌てて身を引くが、ハソンは驚きと緊張でしゃっくりが止まらなくなり、一時間近くも続いてしまう。ソウンが去った後、やっとしゃっくりは収まるが、ハソンは偽りの日々を送る己に苦悩する。ソウンの一挙一動を思い出し、チョ内官に自分は本当にイ・ホンに価ているのかと問いただす。チョ内官はかつて二人を取り違えたことがあると語り、ハソンの心をさらに重くする。

思い悩むハソンは、いつの間にかソウンの宮殿へと向かう道にいた。引き返そうとするところを、挨拶に来たソウンとばったり出会う。ソウンの優しい眼差しに、ハソンは戸惑いを隠せない。ソウンがイ・ホンが好んだ生姜茶の話を持ち出すと、ハソンは胸を締め付けられる。幼い頃、生姜菓子を盗み食いして以来、生姜が苦手だったからだ。夜、ソウンが自ら生姜茶を届けに来た時、ハソンはその想いに胸を打たれる。チョ内官は「体に合わないものは最初から口にしない方が良い」と意味深な言葉を投げかけ、ハソンは静かにため息をつく。しかし、ソウンはハソンに仕える喜びを感じ、自らお茶を淹れることを望むのだった。

一方、イ・ホンはイ・ギュの勢力を削ぐため、独断でホギョルの処刑を決定する。しかし、チスがイ・ギュを弾劾しようとした朝議で、ホギョルは生きて現れ、役人の不正の証拠を突きつける。実は、イ・ホンが送った刺客は失敗し、イ・ギュの手の者に助けられていたのだ。イ・ギュは刺客を買収し、イ・ホンにホギョルの遺体を確認させたように見せかけていた。この事実を知ったハソンはイ・ホンの逮捕を命じる。死刑や体罰はできないものの、イ・ギュはチスにイ・ホンを百叩きにするよう提案する。チスはこれがイ・ギュからの牽製だと理解し、法に基づいた処罰を求めるが、却下される。イ・ホンの傷ついた脚を見ながら、ハソンは妹の仇を討ったことに安堵する。その後、ハソンはホギョルを釈放するだけでなく、昇進させることを約束する。ホギョルは九品の算術教師の職を希望し、大同法の復活を目指す。ハソンもまた、同じ誌を抱いていることを明かす。

天候の悪化により、ソウンは倒れてしまう。ハソンはソウンの汗を拭おうとするが、ためらってしまう。王妃もソウンの妊娠を心配するが、ただの病だと診断され安堵する。ソウンがいない宮殿で、ハソンは元気をなくす。ソウンも宮殿での生活を恋しく思い、早く戻りたいと願う。

妹の身を案じるハソンは、チョ内官の仮対を押し切り、妓楼へウニョンを探しに行く。しかし、ウニョンを見つける前にホギョルに見つかってしまう。ハソンは民の暮らしを知りたいと嘘をつき、ホギョルは同行を申し出る。仕方なく、ハソンはウニョンを探すことを諦める。ソウンは侍女のエイヨンの願いを聞き入れ、帰路の途中で廟会に立ち寄ることにする。偶然にも、ハソンとソウンは橋の上で出会い、互いを幻だと思いながらも、人混みが晴れた後、確かにそこにいる相手を認識し、愛と longing を感じる。ハソンは一緒に宮殿へ戻ろうと提案するが、ソウンはもう一度自由を味わいたいと告げる。ハソンはソウンの手を引き、共に歩き出す。

一方、ダルレはイ・ホンを気にかけ、チョン・ガプがいない隙に彼の隠れ家へ向かう。チョン・ガプと僧侶が到著した時には、扉は開け放たれ、中はもぬけの殻だった。街では、イ・ホンとダルレが寺から出てくる。言葉を話せないダルレは、静かにイ・ホンの後を追う。人混みの中でダルレは転倒し、イ・ホンを見失ってしまう。必死に声を上げようとするダルレ。その時、通りかかったハソンとソウン。ハソンは妹の声を聞き、振り返ると、倒れたダルレと疲れ果てたイ・ホンを見つけるのだった。

第6話の感想

第6話は、ハソンとソウンの間の感情が大きく揺れ動く回でした。偽りの王として日々を送るハソンは、ソウンへの想いを募らせながらも、その正体を隠さなければならない苦悩に苛まれます。ソウンに思わず口づけをしてしまったことで、ハソンの動揺は頂点に達し、止まらないしゃっくりというコミカルな描写を通して、彼の緊張と混乱が伝わってきました。

一方、ソウンはハソンにイ・ホンを重ね合わせ、献身的に尽くします。生姜茶のエピソードは、二人の微妙な心の距離を象徴しているように感じました。ハソンは生姜が苦手であるにも関わらず、ソウンの好意を無下にすることができず、複雑な心境を抱えます。ソウンは、そんなハソンの葛藤に気づかぬまま、彼への想いを深めていく様子が切なく描かれていました。

政治的な陰謀も大きく動き出します。イ・ホンとイ・ギュの対立は激化し、ホギョルを巡る駆け引きは緊迫感がありました。ハソンは、妹の仇を討つため、冷徹な判断を下しますが、その表情には苦悩の色が浮かんでいました。権力闘争の渦中で、ハソンの人間性が試されているようにも感じました。

つづく