バスの中で目を覚ましたヒョンミンは、慌てて4月1洞駅で下車。そこで大きなスーツケースを引きずり、バス停に一人佇む謎めいた女性、ジヨンと出会う。それからというもの、ヒョンミンは幾日も彼女を見かけるようになる。ある大雨の日、彼は彼女を自分のアパートに招き入れる。
一方、病院の集中治療室では、ヨンジがカメラ越しに患者の状態を見守っていた。その時、謎めいた男性、ウォンチョルが突然現れ、太平間の場所を尋ねる。その瞬間、警報が鳴り響き、ヨンジは急いでチーム長に連絡。幸いにも、患者の管が外れただけで大事には至らず、チーム長は皆に警戒を促しつつも、この件は一旦収束させる。
薄暗い路地裏には、24時間営業の照明店がある。店主のウォニョンは、いつもサングラスをかけ、大量のコーヒーを飲んでいる。店には電球を買いに来る一般客もいれば、寒さと犬の鳴き声で眠れないビョンジンや、全身ずぶ濡れで赤い革靴を履いたヘウォンといった謎めいた人物も訪れる。
学校の生徒たちの間では、この路地裏に幽霊が出るという噂が広まっている。しかし、ヒョンジュは毎晩、母のユヒのためにこの店へ電球を買いに行く。ある日、ヒョンジュは店主のウォニョンに怪しい人影を見たことを話す。すると彼は、「他人には見えない“見知らぬ人たち”を見たのだろう。よく見れば、普通の人とは違うことが分かる。もし見かけても、見ていないふりをするんだ。もし見えても、彼らの奇妙な点に気づいていないふりをするんだ」とヒョンジュに告げる。そう言うと、ガラスのテーブルに映る店主の顔が奇妙に老け込んだように見えた。別れ際、店主はヒョンジュに懐中電灯を渡し、彼女が去った後、彼女が食べていた飴の包み紙を箱に集める。
場面はヒョンミンの部屋に戻る。ジヨンは彼から渡されたタオルで体を拭いている。その時、ヒョンミンはジヨンの爪が全て指の腹に生えていることに気づき、恐怖に慄く。ジヨンはゆっくりとスーツケースを開けると、中には様々な鋭利な工具が入っていた。彼女は工具を手にヒョンミンの方へ向かう。
同じ階に住むヒョンジュが帰宅すると、重いスーツケースを持って出て行こうとするジヨンを見かけ、自然に挨拶を交わす。しかし、ジヨンはその挨拶に奇妙な表情を浮かべるのだった…。
第1話の感想
『照明店の客たち』第1話は、謎と不穏な空気に満ちた、引き込まれるようなスタートを切った。冒頭から、バスで目を覚まし慌てるヒョンミンと、大きなスーツケースを引きずる謎の女性ジヨンの出会いが、奇妙な緊張感を生み出している。彼らの関係は一体どのようなものなのか、そしてジヨンの正体は何なのか、視聴者の好奇心を強く刺激する。
病院の集中治療室で働くヨンジと、太平間の場所を尋ねる謎の男ウォンチョルの登場も、不穏な雰囲気をさらに増幅させる。一見無関係に見えるこれらの出来事が、今後どのように繋がっていくのか、期待が高まる。
そして、物語の中心となる24時間営業の照明店。店主のウォニョンは、サングラスと大量のコーヒーという特徴的な風貌で、どこかミステリアスな印象を与える。彼の店には、様々な事情を抱えた客たちが訪れるが、中でもビョンジンやヘウォンといった人物は、隻者ではない雰囲気を漂わせている。
つづく