葬儀屋のユヒは、棺に欠陥があることに気づき、助手に故人の著替えと、口に綿を詰め、遺体安置所に戻すように指示しました。出棺の際に別の棺に入れ替えるとのことでした。助手は著替えを終え、遺族に連絡しようとしましたが、その時、ユヒは故人の声が聞こえてきました。「まだ死にたくない。死んだらどこへ行くの?」と。ユヒは故人を優しく慰め、未練を捨てて安らかに旅立つように諭し、遺体を冷凍庫に戻しました。
ヨンジはエレベーターでICU(集中治療室)へ戻る途中、ずぶ濡れの運転手、スンウォンと乗り合わせました。彼も8階へ行くようでしたが、ヨンジが中の患者は目覚めないかもしれないと告げると、スンウォンは大泣きし始めました。泣き声は階段全体に響き渡り、ヨンジは恐怖に慄きましたが、エレベーターが8階に著くと、すべてが元通りになりました。
アルコール中毒の患者の容態が回復し、ヨンジは自ら進んで彼を一般病棟へ移送することを申し出ました。その際、患者と語り合い、彼が遭遇した「知らない人」ウォンチョルに自分も会ったことがあると伝えました。そして、交通事故の手術で頭にできた傷を見せ、自分もせん妄を経験し、社会復帰に苦労したと話しました。ウォンチョルは借金のために生き埋めになり、このような状態になったと言われているそうです。ヨンジは毎日、ウォンチョルの耳の砂を取り除き、音楽を聴かせ、回復を願っていました。彼だけでなく、ICUにいるすべての患者が看護師たちの献身的なケアを受け、生き続けていました。
やっとの思いで帰宅したヒョンジュは、恐怖で震えながら、母に電球を買えなかったこと、そして奇妙な人たちに出会ったことを謝りました。何度も謝るヒョンジュに対し、母は何も言いません。抱き合った時、母から良い香りがしました。実は、ユヒが手掛けた故人はヒョンジュの母でした。口を綿で詰められていたため話せず、香りは、花でいっぱいの棺に入れられていたためでした。その時、ジヨンはドアの隙間からこのすべてを見ていました。
第4話の感想
『照明店の客人たち』第4話は、生と死、そして現実と非現実の境界線が曖昧になる、不思議な感覚に包まれるエピソードでした。特に印象的なのは、葬儀屋のユヒと助手、そして既に亡くなっている故人のやり取りです。死を受け入れられない故人の声に耳を傾け、優しく慰めるユヒの姿は、死という避けられない運命に対する人間の複雑な感情を映し出しているようでした。死を扱う職業でありながら、どこか温かみのあるユヒの対応は、視聴者に静かな感動を与えます。
一方、病院で働くヨンジの物語は、生と向き合うことの難しさを描いています。アルコール中毒の患者や、意識不明のウォンチョルなど、様々な事情を抱えた患者たちと接する中で、ヨンジ自身も過去のトラウマと向き合っています。彼が患者たちに語りかける言葉は、彼自身の心の傷を癒すための言葉でもあるように感じられました。
そして、物語の終盤で明かされるヒョンジュの母の死は、視聴者に大きな衝撃を与えます。一見何気ない日常の風景の中に、突然死の影が差し込むことで、生の儚さと同時に、日常の尊さが際立ちます。電球を買えなかったことを謝るヒョンジュと、香水の香りがする母の姿の対比は、あまりにも残酷で、胸が締め付けられる思いがしました。
つづく