地下鉄の中で、ヒョンミンはジヨンにメッセージを送ります。今、会いに行く途中だと、指輪を用意して今夜プロポーズするつもりだと。しかし、ジヨンはヒョンミンの到著を喜ぶことができません。ヒョンミンの母親が二人の交際を仮対し、別れを迫っているからです。深く傷ついたジヨンは、既に荷物をまとめて出て行く準備をしていました。

一方、ソネとヘウォンは一緒に家を探しています。順調に進んでいたものの、不動産屋に「お二人は親子ですか?」と聞かれた途端、重い空気が流れました。二人は恋人同士ですが、ヘウォンはこのような質問に答えることをいつも避けて、関係を隠したがっています。しかし、今回ばかりはソネも我慢の限界で、もう隠れて生きることに耐えられなくなっていました。

その夜、バスの運転手、スンウォンは車両に何らかの異常を感じますが、会社は点検も運行停止も認めません。仕方なく、スンウォンは予定通りバスを走らせます。ヒョンミン、男子学生のジウン、母娘のユヒとヒョンジュ、ソネとヘウォン、皆このバスに乗り込みました。そして、橋の上で本当に事故が起きてしまいます。タイヤが外れ、後続のダンプカーに追突され、バスは横転して川に落ちてしまいます。

ヒョンミンを迎えに来ていたジヨンは、この光景を目の当たりにします。すぐに119番通報しますが、彼女は口がきけないため、状況を伝えることができません。事故は深刻で、全員がジヨンの働く地域救急医療センターに運ばれました。ジヨンも病院へ駆けつけます。

救急室の外では、家族たちが待機しています。スンウォンとヘウォンは亡くなり、ジウン、ヒョンジュ、ヒョンミンは一命を取り留めICUに移されました。しかし、ヒョンミンの母親は、この事故の責任をジヨンに押し付け、ヒョンミンの携帯から「お前がヒョンミンを殺した」とメッセージを送ります。しばらくして、ヒョンミンの父親はこれはまずいと思い、ジヨンに連絡を取ろうとしますが、既に病院に来ていることに気づきます。「愛しい人、私もあなたのいる場所へ行きます」というメッセージを見て、慌てて「ヒョンミンはまだ生きている」と返信しますが、既に遅すぎました。メッセージを見たジヨンは、首を弔ったロープから逃れることができず、息絶えてしまいます。彼女の指の爪は全て剝がれていました。

第5話の感想

第5話は、あまりにも悲劇的で、胸が締め付けられるようなエピソードでした。登場人物たちの様々な人生が交錯し、一瞬の事故によって未来が奪われていく様子は、見ている側にも深い悲しみと無力感を与えます。

特に、ジヨンの最期はあまりにも残酷でした。愛する人の母親から心無い言葉を浴びせられ、誤解を解く間もなく命を絶ってしまう彼女の絶望は、想像を絶するものです。口がきけないというハンディキャップを持ちながらも、懸命に生きてきたジヨンの姿が、余計にこの悲劇を際立たせています。彼女が最後に送った「愛しい人、私もあなたのいる場所へ行きます」というメッセージは、彼女の深い愛情と、この世に未練を残しながらも逝かざるを得なかった無念さを物語っているようで、涙が止まりませんでした。

また、ソネとヘウォンのカップルも印象的でした。社会の偏見を恐れ、関係を隠しながら生きてきた二人。ヘウォンの消極的な態度に、ソネは苛立ちを募らせていましたが、それは彼女を深く愛しているからこそ。普通のカップルのように、堂々と愛を表現したいという彼女の願いは、葉うことなく事故によって断ち切られてしまいました。

つづく