緊迫した状況の中、ヨンロはリモコンを握る手を緩め、スホへの失望と不信感を露わにした。「もうあなたの言葉は信じない」と告げるヨンロ。スホは弁明を試みるも、特に例の10日間についての説明は言葉を濁し、ヨンロの疑念を深めるばかりだった。リモコンを持って逃げようとするヨンロを、スホは引き止めようとするが、ヨンロの心は既に冷え切っていた。スホがリモコンを取り戻す姿を、偶然チョンヤが目撃する。

一方、スホはカンムを呼び出し、軽率な行動を慎むよう厳しく警告する。リモコンの秘密がヨンロに漏れたのはカンムのせいだと糾弾するスホに対し、カンムはヨンロを守るため、執権党の陰謀を彼女に知らせただけだと仮論する。しかしスホは納得せず、ハンナから確たる証拠を持ってくるようカンムに迫る。

その頃、テイルから再び脅迫めいた電話がかかってくる。スホはチョンヤを含む全員の監視を強化するよう指示される。チョンヤもまた、スホのヨンロに対する特別な感情に不満を募らせていた。

情報収集のため、スホはハンナを隔離区域に入れ、カンムと接触させる。カンムは現状と、執権党と北朝鮮の癒著の疑いについてハンナに説明し、証拠探しを依頼する。外部では、ケ記者が配達員を装って潜入し、指揮室内部の撮影に成功、テイルたちの真意を探ろうとしていた。

スホは予定通り30人の学生を解放し、ハンナと共に送り出す。しかし、ブンオクは解放リストに含まれておらず、トイレに行くふりをして脱走を図るが、チャンスに阻止される。ヨンロは9日後の全員解放に疑問を抱き、カンムに真相を尋ねる。カンムは知っている限りの情報をヨンロに伝え、沈黙を守るよう忠告する。

トイレでサンボムと揉み合いになったブンオクは、脱走の機会を伺い、ゴミ箱からトランシーバーを見つけ出す。外部ではメディアが騒ぎ立て、ギョンヒの大げさな報道が続く中、テイルはハンナが30人も連れ出したことに激怒するが、スホの主張を受け入れるしかなかった。

ケ記者は撤退しようとした矢先、解放された学生たちがパトカーに連行されるのを目撃し、バイクで追跡を開始する。その頃、クァンテは皆の前でソルヒにプロポーズし、緊迫した空気に温かい光が差し込む。

ヨンロは、自分たちが囚われている理由がチャンソの選挙と関係していることに気づく。チョンヤを含め、多くの人々が政治的闘争の駒であるという事実に衝撃を受ける。テイルとスホの会話から、自分たちが政治的犠牲にされる存在だと確信する。

ハンナは情報伝達中に逮捕され、カンムは怒りと無力感に苛まれる。スホに協力を提案するも、スホは敵対姿勢を崩さない。しかし、館長らの支持を得て、大胆な脱出計画が動き出す。

夜、ヘリョンの歌声が緊張した空気を和らげる。翌朝、スホは学生たちに交代で洗面所を使わせる。ヨンロは隙を見て電子時計を見つけ、わざと音を立てて看守の注意を引きつけ、館長の秘密の部屋に潜入する。そこで盗聴した会話から、チョンヤの正体を知る。

ヨンロの失踪に気づいたスホは必死に彼女を探す。一方、カンムは看守の隙を突いて彼を製圧し、皆を率いて脱出を開始する。ブンオクも混乱に乗じて行動を起こす。生き残りをかけた逃亡劇の幕が上がる。

第17-18話 張り詰めた糸がついに切れる

第17-18話は、これまで張り詰めていた緊張感が頂点に達し、ついに爆発するような展開でした。ヨンロの絶望、スホの苦悩、そしてカンムの焦燥。それぞれの感情が複雑に絡み合い、息詰まるような緊迫感を生み出しています。

特に印象的だったのは、ヨンロがスホへの信頼を完全に失ってしまうシーンです。これまでスホの言葉を信じようともがき苦しんできたヨンロですが、ついに限界を迎えます。リモコンを握りしめ、逃げ出そうとするヨンロの姿からは、彼女の悲痛な叫びが聞こえてくるようでした。スホの必死の説得も虚しく、二人の間の溝は決定的に深まってしまいます。このシーンは、二人の関係性が崩壊していく様を象徴的に描いており、見ていて胸が締め付けられる思いでした。

また、カンムの存在感も際立っていました。ヨンロを守るために行動する彼の姿は、これまでの冷徹なイメージとは異なる一面を見せてくれます。しかし、彼の行動はスホとの対立を深めることになり、今後の展開に不安を残します。

つづく