この日、館長と門番のおじいさんは屋上の倉庫へ向かった。ウン・ヨンロとイム・スホは窓の外に隠れ、見つからないよう息をひそめて様子を窺っていた。館長が去った後、おじいさんは倉庫に戻ったが、鍵は既に館長が持ち去っており、今後ここへ来るのは更に難しくなることが予想された。イム・スホはこれ以上ウン・ヨンロに迷惑をかけられないと思い、おじいさんとウン・ヨンロに見送られ、夜のうちに脱出することを決意する。しかし、事はそう簡単には運ばず、すぐに安全な脱出は不可能だと悟る。

一方、チョ・ソンシム、チェ・ミヘ 、ホン・エラの3人は占い師の元を訪れた。占い師はウン・チャンスは龍珠を持つ真龍だが、虎に襲われるだろうと予言した。そして、この厄災を避けるには13人の処女の血が必要だと言う。この恐ろしい予言は3人の心に闇い影を落とした。

同じ頃、ウン・ヨンロはイム・スホに兄の服を著せ、同窓会を機に逃がそうと考えていた。彼女は事前に家のお手伝いさんに電話し、明日の家の様子を確認した。誰もいないと分かると、ウン・ヨンロは服を取りに帰宅することにした。しかし、この電話を偶然ホン・エラが聞いてしまう。ホン・エラはすぐにゴルフの予定をキャンセルし、家に客人が来ると嘘をついた。

ウン・ヨンロは家に帰り、兄の服と靴をまとめ、出かけようとしたところをホン・エラに阻まれた。ホン・エラはウン・ヨンロに何故兄の物を持っていくのかと詰問し、皮肉を言った。怒ったウン・ヨンロは家族写真を床に叩きつけ、更に激怒したホン・エラはウン・ヨンロの頬を叩いた。ウン・ヨンロは兄の服を抱え、悲しみながら家を出た。

ウン・ヨンロはイム・スホに服を渡し、彼と共に同窓会の会場へ向かった。会場の階上から降りて扉を開けると、そこに館長がいた。館長はウン・ヨンロに何故見知らぬ男を連れてきたのかと尋ねた。イム・スホはとっさに好奇心でウン・ヨンロに頼んで連れてきてもらったと説明し、二人は急いでその場を離れた。

同窓会では、呉広泰が現れ、ソルヒは慌てて隠れた。呉広泰は表向きにはコ・ヘリョンに言い寄っているが、実はソルヒと付き合っていることは周知の事実だった。その時、コ・ヘリョンのもう一人の求婚者であるビョンテが射的ゲームで腕前を披露し、喝採を浴びていた。得意げなビョンテはイム・スホを見つけ、一緒にゲームに参加させようとする。イム・スホは隙を見て学校を出ようとしていたが、ビョンテに捕まり身動きが取れなくなった。コ・ヘリョンは止めようとしたが、既に遅かった。

イム・スホも負けじと銃を撃ち、標的に命中させた。ビョンテは驚き、イム・スホの射撃の腕前に感嘆し、射的ゲームのコツを教わることを望んだ。イム・スホはこの機会を利用し、ウン・ヨンロを連れて人混みをかき分け、脱出を試みた。

会場は大勢の人で賑わい、歌や踊りで盛り上がっていた。ソルヒと呉広泰はこっそり寮で逢瀬を楽しんでいた。二人がキスをしようとした時、ルームメイトが部屋に入ってきて邪魔をされた。二人は食堂へ行き、コ・ヘリョンとビョンテが激しく踊る様子を見物した。二人の熱狂的なダンスは会場全体の雰囲気を盛り上げ、ウン・ヨンロもダンスフロアに引きずり出された。皆の歓声の中、イム・スホもウン・ヨンロの前に進み出た。照明が変わり、軽快な音楽が流れ始めると、二人は皆の注目を集めながら踊り始めた。出会いからこれまでの様々な出来事を思い出し、二人の間には特別な感情が芽生えていた。

しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎた。場面が変わり、我に返ったウン・ヨンロはイム・スホに連れられ人混みから抜け出ようとした。ルームメイトは既に自転車を用意して門口で待っていた。しかし、そこには既に特務が待ち構えていた。ウン・ヨンロが恋人同士を装うことで、二人は自転車で無事に学校を脱出した。この様子をケ・ブノクが見ていた。

一方、学校の近くの森で、イ・ガンムは部下と共に大同江1号の拳銃を発見した。これでイム・スホがこの学校に隠れている確信を深めた。外は雪が降り始め、ウン・ヨンロはイム・スホを学校の門まで送り届けた。二人は別れを惜しみ、ウン・ヨンロは静かに背を向けた。

その時、一台の自転車がウン・ヨンロの背後に止まった。その人物はウン・ヨンロの後ろ姿を見つめ、複雑な感情を抱いていた。同時に、警察も現場へ急行していた。ウン・ヨンロは遠くの方を見て、幸せそうな笑みを浮かべた。なんと、イム・スホが自転車で戻ってきたのだ。彼はウン・ヨンロの手を強く握り、二人は見つめ合った。まるで全ての困難や危険が過ぎ去ったかのように。

第5-6話 感想

第5-6話は、イム・スホとウン・ヨンロの脱出劇と、周囲の人間模様が複雑に絡み合い、ハラハラドキドキの展開でした。特に、同窓会でのシーンは印象的です。賑やかな音楽とダンスの中で、二人の間に芽生えるロマンス。しかし、その裏では特務の監視の目があり、逃亡の緊張感が常に漂っています。この対比が、物語に深みを与えていると感じました。

イム・スホは、ウン・ヨンロを巻き込んでいることに罪悪感を抱きながらも、彼女の助けを借りなければ脱出できないジレンマに苦しんでいます。一方、ウン・ヨンロは、危険を承知でイム・スホを助けようとする強い意誌と、彼への想いが交錯する複雑な心情が伝わってきました。二人の視線が交わる度に、言葉にはできない感情が溢れ出ているようで、胸が締め付けられます。

また、ホン・エラの嫉妬や、館長の疑念、そして占い師の不気味な予言など、様々な要素が散りばめられており、今後の展開がますます気になります。特に、ウン・チャンスの運命を闇示する占い師の言葉は、物語全体に闇い影を落としており、不安感を煽ります。

同窓会での射的ゲームのシーンは、イム・スホの意外な才能と、ビョンテとのコミカルなやり取りが緊張感を和らげる良いアクセントになっていました。そして、ラストシーンでのイム・スホの行動は、彼のウン・ヨンロへの強い想いを象徴しており、感動的でした。危険な状況の中でも、愛を貫こうとする二人の姿に心を打たれました。今後の展開では、二人が無事に脱出できるのか、そして周囲の人間関係がどう変化していくのか、目が離せません。

つづく