屋上で静かな夜を過ごすドクミとライアン。ドクミは子供の頃の悪夢を思い出し、胸が締め付けられる。ライアンを安心させるように、彼女は使い古したぬいぐるみをバッグから取り出し、一緒に遊ぼうと誘う。ライアンは興味深そうにぬいぐるみを受け取り、二人は遊び始める。次にドクミは可愛いカードを取り出し、子供の頃よく遊んだゲームをライアンに教える。ライアンはなかなかルールを覚えられず、ドクミは優しく彼の手に軽く叩く。ライアンは少し困りながらも、彼女の無邪気さに笑顔を見せる。
やっとライアンがゲームに勝つと、ドクミは子供のように喜び、ライアンの腕にキスをし、彼の手に自分の頬を寄せる。二人は寄り添い、甘いひとときを過ごす。その夜、ライアンはドクミの家に泊まり、手をつなぎながら眠りにつく。
一方、ソンジュは夫と些細なことで大喧嘩をする。ソンジュは夫が自分のパソコンのデータを盗んだと激怒し、二人の関係は冷え切ってしまう。ドクミはそれを知り、ソンジュを落ち著かせ、夫と話し合うように諭す。その時、ナム・ウンギがカフェに入ってきて、ドクミの姿を見つけると、少し気まずそうな表情を見せる。
いつものように美術館に出勤したドクミは、ライアンがこっそりゲームの攻略法をネットで調べているのを見つける。彼女は思わず笑ってしまい、ライアンは恥ずかしそうに顔を赤らめる。ドクミはそんなライアンが可愛くて、二人は見つめ合い、子供の頃のような無邪気な時間に戻る。
キム・ヒョジンは美術館の5周年記念のために、絵画を展示するミニチュアのジオラマを製作する。その斬新なアイデアは、ドクミとライアンから高く評価される。美術館の記念日の準備で皆が忙しくしている中、ドクミの母とナム・ウンギの母は一緒にお茶を飲みながら話をする。ドクミの母はライアンのことを褒め、満足げな様子を見せる。ナム・ウンギの母は息子もドクミを好きだと気づいているが、何も言わずに話を聞く。
美術館の職員たちは一緒に児童養護施設へボランティア活動に行く。ライアンは時間通りに到著し、たくさんのぬいぐるみを持ってくる。ドクミは驚いてライアンにぬいぐるみの出所を尋ねる。ライアンは、今朝チャ・シアンに会い、シアンが児童養護施設の活動のことを聞いて、ファンからもらったぬいぐるみを寄付するように頼まれたと説明する。ドクミはシアンの優しさに心を温める。
児童養護施設で、職員たちは子供たちに美術の知識を教え、ライアンは子供たちの無邪気な笑顔を見ながら、自分の子供時代を思い出す。彼は子供たちと一緒に遊び始め、温かい雰囲気に包まれる。ドクミは2階からその様子を静かに見守り、幸せそうに微笑む。
次の活動で、子供たちはドクミの価顔絵を描くことになる。ライアンも画用紙を受け取るが、どう描いていいか分からず戸惑う。病気の影響で、彼は長い間絵筆を握ることができていないのだ。子供たちが次々と絵を完成させる中、ライアンは少し落ち込む。しかしその時、一人の女の子がライアンの価顔絵を描いてあげると申し出て、ライアンは笑顔で承諾する。
一方、ナム・ウンギはチェ画家と会う。チェ画家はライアンへの想いを語りながら、酒を飲み続ける。そして、泥酔してしまい、自分の家も分からなくなってしまう。ナム・ウンギは仕方なく、彼女を自分の柔道場へ連れて行き、泊めてあげる。翌朝、チェ画家はナム・ウンギに謝り、柔道場を後にする。
チャ・シアンの母が息子を訪ねてくる。シアンは母を抱きしめ、再会を喜ぶ。母は相変わらず子供のようなシアンの姿を見て、感慨深い気持ちになる。同じ頃、ライアンはドクミに絵が描けない苦しみを打ち明ける。最初はすぐに治ると思っていたが、なかなか絵筆を握ることができない。そして、その原因が子供の頃に見たイ・ソルの絵だと告白する。ライアンは、まだホ・ユンジェという名前だった頃、イ・ソルの絵を初めて見た時のことを思い出す。
ドクミはライアンの話を聞き、複雑な気持ちになる。彼女はライアンの手を握りしめ、どんなことがあっても一緒にいると伝える。二人は見つめ合い、すべての困難や苦しみが消え去ったかのように微笑む。
第12話の感想
第12話は、ライアンの心の傷とドクミとの深い絆が描かれた感動的なエピソードでした。子供の頃の悪夢に怯えるドクミを優しく包み込むライアンの姿は、二人の信頼関係の深さを改めて感じさせます。ライアンがドクミに子供の頃のゲームを教えるシーンは、微笑ましくも切ない印象を与えました。ゲームを通して、ライアンはドクミの無邪気さ、純粋さに触れ、心の安らぎを得ているようでした。
一方、ソンジュと夫の喧嘩は、夫婦間のすれ違いやコミュニケーションの難しさを浮き彫りにしています。ドクミがソンジュを支える姿は、彼女の優しさ、友情の深さを物語っています。また、ナム・ウンギの登場は、ドクミとライアンの関係に新たな波紋を投げかける可能性を感じさせ、今後の展開が気になります。
ライアンがゲームの攻略法を調べているシーンは、彼の真面目さとドクミへの愛情が垣間見えるコミカルな場面でした。キム・ヒョジンのミニチュアジオラマは、美術館の5周年記念に華を添え、職員たちのチームワークの良さを象徴しています。ドクミの母とナム・ウンギの母の会話は、二人の息子の将来を案じる母親としての愛情が伝わってきました。
つづく