第9話、ソン・ドクミはライアンとの恋に望みがないと感じ、さらに画家チェ・ダインとライアンが親しくしているのを見て、傷心のあまりライアンに偽装恋愛の終わりを告げる。ライアンは何も言わないが、心にぽっかり穴が空いたようだった。その夜、ドクミとライアンは二人とも眠れず、まるで失恋したかのように過ごした。ライアンは何度もドクミに電話をかけようとしたが、結局やめた。
翌日、ドクミはシンディのカフェでシンディに愚痴をこぼしていた。すると、そこにライアンが現れた。ドクミは慌ててカウンターの下に隠れ、ライアンに見つからないようにした。シンディは適当にあしらってライアンを帰した。ライアンは訳が分からず店を出て行った。実は、カフェにドクミがいるのを確かに見かけたのだが、近づくと隠れてしまう。一体なぜなのか?鈍感なライアンはまだドクミの気持ちに気づいていない。
ドクミは辛いながらも美術館に出勤し、ライアンとチェ・ダインが一緒にいるのを見て、何もなかったかのように笑顔を見せる。美術館の職員たちはドクミの様子がおかしいことに気づき、恋のトラブルでライアンと揉めたのだと噂し始めた。職員たちはドクミの味方になり、ライアンに冷たく当たる。訳が分からなくなったライアンはキム・ヒョジンに尋ねると、ライアンが浮気をしたと思われていることを告げられる。ライアンは言葉を失った。
ライアンはドクミの元を訪ねる。ドクミはライアンを気にしているが、諦めなければいけないと思い、線を引こうとする。ドクミにとって、それは未来のない恋だったからだ。ライアンは少し迷った後、ドクミに気持ちが全くないと悟り、背を向けて去って行った。それ以来、ドクミはなるべくライアンを意識しないようにしていたが、皆で食事に行った時、こっそりライアンを見て、やっぱりかっこいい、可愛いと思ってしまう。しかし、二人の間の空気はどこかぎこちなく、周りの人たちは、あんなにラブラブだったのに、今は喧嘩して周りが迷惑だとこぼしていた。
ドクミとライアンが前後して店を出ると、偶然ドクミの両親に会い、公園でピクニックをすることになる。両親は楽しそうに写真を撮り始める。ライアンはドクミの家族写真を撮った後、母親にせがまれ、家族と一緒に記念撮影をし、さらにドクミと二人きりで写真を撮る。二人は言われるままに写真を撮るが、心の中は複雑だった。
ライアンはドクミに、偽装恋愛が終わっただけでこんなに気まずいのに、この先どうするのかと尋ねる。ドクミは何も答えられない。彼女の心にはまだライアンへの想いがあった。ドクミの母親は娘の恋の揺れ動きに薄々気づいていたが、何も言わず、ただ心配していた。ナム・ウンギはドクミの母がドクミとライアンをくっつけようとしていることを知り、面白くない。
ライアンはネット上で「ラテ」というハンドルネームを使い、ドクミに恋愛相談をする。ドクミはライアンだと気づかず、真剣にアドバイスをする。画面の向こう側で、ライアンの心は大きく揺れ動いていた。その後も、美術館で顔を合わせても気まずいまま。二人は明らかに惹かれ合っているのに、なかなか近づけないでいた。
第9話の感想
第9話は、ソン・ドクミとライアンの関係が大きく揺れ動く、もどかしい回でした。偽装恋愛の終わりを告げたドクミと、その言葉に動揺を隠せないライアン。二人の間の沈黙や戸惑いが、見ているこちらにもひしひしと伝わってきました。
特に、ドクミがカフェでライアンから隠れるシーンは、彼女の切ない心情が痛いほど分かり、胸が締め付けられました。ライアンはまだドクミの本当の気持ちに気づいていない鈍感さも、このもどかしさをさらに増幅させています。
美術館の職員たちの誤解によるライアンへの冷たい態度は、二人の関係をさらに複雑にしているように感じました。周りの変化によって、ドクミとライアンは改めてお互いの存在の大きさに気づき始めるのではないでしょうか。
ドクミの両親とのピクニックシーンは、微笑ましい仮面、二人のぎこちなさが際立っていました。家族写真に収まる二人の姿は、まるで本当の恋人同士のようにも見えますが、その表情からは偽装恋愛の終わりが現実のものとなった寂しさも感じられます。
つづく