チン会長は、一族、特に息子たちと孫のドジュンを誇りに思っていた。テヨン会長との会談では、10歳にして240億ウォンを稼いだ天才、ドジュンを自慢げに語った。しかし、秘書からの報告で、ドジュンがニューヨークでウォール街の投資会社、控股大グループの代表、オ・セヒョンと密会していたことが発覚する。チン会長の心に疑念が芽生え始める。

真相を確かめるため、チン会長は自ら法学部へドジュンを迎えに行く。車中、裏切り者は許さないとドジュンを問い詰め、オ・セヒョンとの会談の目的と240億ウォンの行方を追及する。ドジュンは映画への投資だと答えるが、チン会長の疑念は晴れない。

後日、盗聴器が仕掛けられた花かごがドジュンの宿泊するホテルの3910号室に届く。偶然にも、配達したのはドジュンの大学の同級生、ソ・ミニョンだった。ミニョンが花かごを届けると、ドジュンは一瞬たじろぎ、ミニョンの表情も真剣になる。

ミニョンがドジュンと話していると、オ・セヒョンが投資の相談に訪れる。重要な情報が漏れるのを防ぐため、ミニョンは食事券を口実に二人の会話を遮り、ドジュンに食事券を渡す。ドジュンは食事券を受け取り、花かごに盗聴器が仕掛けられていることに気づく。

ドジュンとオ・セヒョンは、わざとドアを乱暴に閉め、盗聴している者に聞こえるように口論を始める。オ・セヒョンは、自分の目がおかしい、ドジュンみたいなやつと組むわけがない、巨額を投じてウェブドラマを買うなんて正気じゃない、とまくし立てる。ドジュンもそれに同調し、二人の会話は盗聴器を通してチン会長の耳に届く。

落胆したチン会長。しかし、これはドジュンの計画の一部だった。彼は次に、オ・セヒョンにハングル製鉄の買収価格をつり上げさせ、自分の叔父にウォール街の投資会社に接近するように仕向ける。実は、テヨンの大株主はウォール街の投資会社だったのだ。

叔父はすぐにテヨンと手を組む。ほどなくして、チン会長はオ・セヒョンに、ウォール街が投資しているのはドジュンかと直接尋ねる。オ・セヒョンは、ドジュンが巨額を投じてウェブサイトを買収しようとしており、ウォール街の名でテヨンを率いているのはドジュンの叔父だと明かす。

チン会長の兄は驚きを隠せない。ドジュンの闇躍により、スニャンはハングル製鉄を高値で買収するが、当初の予定より1000億ウォンも高くついた。1997年、韓国は金融危機の真っただ中。スニャンによるハングル製鉄の高値買収は、自らの首を絞めるようなものだった。

ニュースを見ながら、チン会長は怒りに震えるが、何も言えない。彼の傍らに立つドジュンは、自分とスニャンとの戦いが始まったばかりだと理解していた。実は、ドジュンは本当のドジュンではなく、10年後にスニャン一族に殺害された秘書、ユン・ヒョンウの生まれ変わりだった。

ヒョンウは死後、海に遺棄されたが、魂はドジュンの体で蘇ったのだ。ドジュンにとって、スニャンを崩壊させることこそ、自分を殺した真犯人を突き止める唯一の方法だった。そして、これは彼の復讐劇の始まりに過ぎなかった。

第4話 感想

第4話は、ドジュンの周到な復讐計画が動き出すスリリングな展開に目が離せませんでした。10歳とは思えない冷静さと知性で、大人たちを手玉に取るドジュンの姿は痛快ですらあります。

特に印象的だったのは、盗聴器を逆手に取った離間計。オ・セヒョンとの口論を偽装し、チン会長に誤った情報を流し込むことで、スニャンを窮地に追い込んでいく様子は、まさに知略の勝利と言えるでしょう。一見、子供らしい無邪気さを装いながら、内心では冷徹に復讐のシナリオを描いているドジュンの二面性も、このドラマの魅力の一つです。

また、ソ・ミニョンとの偶然の再会も今後の展開を闇示しているようで気になります。彼女がドジュンの正体や復讐計画にどのように関わっていくのか、二人の関係性の変化にも注目したいところです。

そして、物語の背景にある1997年の韓国金融危機も重要な要素です。この時代的な背景が、スニャンの経営危機をさらに深刻化させ、ドジュンの復讐劇にリアリティを与えています。今後のストーリー展開において、金融危機がどのように影響していくのかも見逃せないポイントです。

つづく