チン・ドジュンは再び30年前へと戻り、鋭いビジネスセンスであるアマゾンへの投資を決断。この投資は大成功を収め、100億ドルもの莫大な利益を生み出し、一時は栄華を極めた。しかし、順風満帆な状況は長くは続かなかった。彼の重大な秘密がチン会長に発覚してしまう。実は、チン・ドジュンは前世でトップの富豪、オ・セヒョンと手を組み、鉄鋼会社の買収を画策していたのだ。これはチン会長が計画していた買収と真っ向から対立するものだった。
チン・ドジュンとオ・セヒョンが密かに計画を進める中、二番目の叔父の指示を受けた人物に尾行されていた。尾行者たちは二人の接触の写真を撮影するだけでなく、行動の細部まで把握していた。写真を受け取った二番目の叔父の顔には、満足げな笑みが浮かぶ。チン・ドジュンがグループの相続権に挑戦しようとしていることなど、彼の眼中にはなく、むしろチン・ドジュンを叩きのめす絶好の機会だと考えていた。
程なくして、チン会長はテレビで鉄鋼会社買収の候補者リストを目にする。そこにはライバルの大英グループに加え、オ・セヒョンのPS投資会社の名前もあった。会長は驚き、警戒心を抱く。この機に、二番目の叔父はチン会長の秘書に写真を渡す。写真を見たチン会長は、目を疑った。
真相を確かめるため、チン会長は孫のチン・ドジュンを呼び出した。車内で二人きり、緊張感が漂う。チン会長はまず遠回しに、自分が今の地位に上り詰めた理由をチン・ドジュンに問いかける。チン・ドジュンは何も答えず、考え込んでいる様子だった。そしてチン会長は、裏切り者は絶対に許さないと明言する。意味深な視線をチン・ドジュンに送り、真意を悟らせようとする。
チン・ドジュンも何かを察知するが、まだわずかな希望を抱いていた。チン会長から以前渡した240億ウォンの使い道を問いただされると、チン・ドジュンは仕方なく真実を話す。父親の映画に投資したと。しかし、この答えはチン会長を満足させるものではなく、会長の表情は曇り、孫に騙されたと感じた。
一方、チン・ドジュンはオ・セヒョンに会い、投資額を増やし、鉄鋼会社買収を早期に完瞭させようと持ちかける。しかし、二人は知らない。チン会長が既にホテルに盗聴器を設置し、二人の会話を全て盗み聞きしていたことを。チン・ドジュンの裏切りを知ったチン会長は激怒する。眼鏡を外し、冷淡な表情で、チン・ドジュンへの信頼を完全に失ったようだった。
その後、チン会長はオ・セヒョンを呼び出し、会社への出資者がチン・ドジュンかどうかを問いただす。オ・セヒョンは正直に、チン・ドジュンが出資していることを認める。しかし、彼の目的は鉄鋼会社買収ではなく、アマゾンという小さな会社への投資だと語る。成功すれば900%もの利益が見込めるという。それでもチン会長は半信半疑だった。そこでオ・セヒョンは、チン・ドジュンを疑うよりも、実の息子である二番目の叔父を警戒すべきだと告げる。
実は、二番目の叔父もチン会長を裏切っていた。資金繰りに苦しむライバル企業、大英グループに直接資金を提供し、チン会長との競争を可能にしていたのだ。この事実を知ったチン会長は、怒りを抑えきれない。湯呑みを手に、何も言わずに座り込み、この状況をどう打開すべきか思案する。
一方の二番目の叔父はまだ何も知らない。大英グループの会長と契約を交わし、得意げな様子だった。しかし、自分の計画がチン会長に露見しているとは夢にも思っていない。結局、チン会長のスニャングループは鉄鋼会社買収に成功するが、価格は当初の3000億ウォンから7000億ウォンにまで跳ね上がってしまう。チン会長にとって、これは大きな痛手だった。
二番目の叔父は依然として勝ち誇っていたが、自分の計画がバレていることを知ると、顔色が変わる。夕食の席では、チン会長の顔も見ることができなかった。チン・ドジュンを陥れようとした結果、グループ全体の相続権を失うことになったのだ。
実は、チン・ドジュンは尾行されていることに気付いていた。あえてその事実を利用し、二番目の叔父の裏切りを暴くための策略を練っていたのだ。計画は成功したが、同時にビジネスの厳しさ、そして家族内の争いの残酷さを改めて認識する。この世界で生き残るためには、より慎重に、そして賢く立ち回らなければならないことを悟るのだった。
第9話の感想
第9話は、チン・ドジュンの聡明さと冷酷さ、そしてチン家の権力争いの熾烈さが際立つエピソードでした。アマゾンへの投資という大胆な決断で巨額の富を築く一方、一族の権力争いに巻き込まれ、窮地に立たされる道俊の姿は、まさに「勝者と敗者」の紙一重のビジネスの世界を象徴しています。
特に印象的なのは、チン会長との対峙シーンです。孫である道俊に対して、愛情と期待を抱きながらも、裏切りは決して許さないという会長の強い意誌が、静かながらも重厚な演技で表現されていました。道俊もまた、会長の真意を理解しつつも、自分の野望を諦めきれない葛藤が見て取れ、緊迫感溢れるシーンでした。
また、二番目の叔父の浅はかな策略と、その結果としての没落も印象的です。道俊を陥れようとしたことが、逆に自身の破滅を招くという皮肉な展開は、権力争いの恐ろしさを改めて感じさせます。
そして、物語の鍵を握るオ・セヒョンの存在感も光っていました。道俊との共謀、そしてチン会長への忠告など、彼の行動は今後の展開を大きく左右しそうです。
つづく