イ・アンは、ジェインが両親を殺害した犯人の娘だと知り、大きなショックを受けました。ユン・テハを生涯許せないイ・アンは、ジェインの言葉、つまり父親の冤罪を信じることができませんでした。サイコメトラーとしての能力で、人の隠された醜悪な一面を見てきたイ・アンは、他者との接触を避けて生きてきました。しかし、ジェインとの出会いで再び心を開き、手を差し伸べた矢先に、残酷な真実を知ることになったのです。怒りに駆られたイ・アンは、ジェインの手を振り払い、その場を去りました。事情がわからないジェインは、追いかけようとしましたが転倒。足の痛みよりも、イ・アンの豹変ぶりに心は深く傷つきました。一体自分が何をしたのか、全く理解できませんでした。
一方、ジスは、ハンミン療養院の看護師、キム・ヒスを知る唯一の目撃者に会い、ソンモの母親の写真を見せました。肯定的な返答に衝撃を受けたジスは、すぐにソンモに確認しようとしますが、ソンモは突然無期限の休暇届を提出、連絡も取れなくなっていました。以前からのソンモの不可解な言動を思い返し、ヨンソンアパート火災事件には隠された真実があると確信したジスは、再捜査を決意します。
イ・アンの態度の急変に、ジェインは失意に暮れ、天国から地獄へと突き落とされたような気分でした。イ・アン自身も苦しみ、両親の墓前で一人、胸の内を明かします。ユン・テハの罪とジェインは無関係だと理解しつつも、心の葛藤を乗り越えられず、ジェインとどう向き合えばいいのか分からずにいました。イ・アンは再びヨンソンアパートを訪れ、両親との幸せな記憶を探ろうとしますが、年月が経ちすぎて何も感知できません。足を負傷したジェインもまた、ヨンソンアパートへ。イ・アンは声をかけませんでしたが、ジェインを気にかけ、陰ながら見守り、泣き崩れる彼女の後ろ姿を悲しそうに見つめていました。ジェインが治安センターに戻るまで見届け、一人寂しく家へと帰ります。
ソンモは、生存している母親の真実を一人で明らかにしようと決意し、出発前に治安センターのジェインを訪ねます。ヨンソンアパート火災事件の真犯人は別にいて、もうすぐ真相が明らかになると告げ、街頭監視カメラの調査資料をイ・アンに託し、ジェインのことも頼みました。イ・アンは資料から、ソンモがジェインを特別に気にかけていることを感知し、ジスからソンモが休暇を取り、一人で母親を探しに行っていることを聞きます。ソンモの母親、姜ウンジュこそ、イ・アンが以前感知した、細い指輪をしていた女性でした。ジスは、ソンモが「捜査を深めるほど、大切な人が危険になる。そいつは俺の大切な人を皆壊すだろう」と話しており、ソンモにとって一番大切なのはジェインだと伝えます。
ジェインが危険だと知ったイ・アンは、すぐに西昕治安センターへ向かいます。何度も電話をかけますが繋がらず、治安センター前でジェインの携帯電話を発見。携帯からジェインが拉緻されたことを感知し、犯人は以前自分を刺し、自宅に侵入し、自分とジェインを尾行していた同一人物だと気づき、その顔もはっきりと見ました。ジェインは実際に拉緻され、足首には重い鉄の鎖が繋がれていました。
第10話の感想
第10話は、衝撃の真実と新たな危機が交錯する、息詰まる展開でした。イ・アンがジェインの出生の秘密を知り、彼女を拒絶するシーンは、胸が締め付けられる思いでした。これまで心を通わせてきた二人だからこそ、この突然の別れはあまりにも残酷です。イ・アンの苦悩も深く、過去のトラウマと向き合いながら、大切な人を守りたいという葛藤が伝わってきました。
一方、ジスの粘り強い捜査も、物語に緊張感を与えています。ソンモの不可解な行動や、彼が抱える秘密が少しずつ明らかになり、事件の真相へと近づいていることを予感させます。ソンモの母、姜ウンジュの存在も重要な鍵となりそうで、今後の展開がますます気になります。
そして、ラストシーンのジェインの拉緻は、衝撃的でした。これまでにも不穏な影が漂っていましたが、ついにジェインが危険にさらされ、物語は急展開を迎えます。一体誰が、何の目的でジェインを拉緻したのか?イ・アンは、ジェインを救い出すことができるのか?様々な疑問と不安を残し、次回への期待が高まる終わり方でした。
つづく