イ・ヨルムは普通の会社員で、最近よく玄関に閉じ込められる夢を見ていた。毎朝決まった時間に起床し、会社へ行き、地下鉄に乗り、いつもの一日が始まる。

ある日、ヨルムは上司にプレゼンする企画を用意していた。会議室で練習していたが、準備ができたその時、ツイ組長がメイハオと一緒に会議室に入ってきた。メイハオは突然、社長は缶コーヒーではなく、挽きたてのコーヒーが好きだと指摘し、ツイ組長はヨルムに社長の好みを事前に調べていなかったことを責めた。ヨルムは慌ててコーヒーを買いに行ったが、戻るとメイハオがすでに彼女の代わりにプレゼンを始めていた。会議後、社長は企画を気に入り、皆を食事に誘った。ツイ組長はヨルム一人に会議室の片付けをさせるのは大変だと闇に示し、ヨルムは自ら手伝いを申し出た。

忙しい午前中を過ごしたヨルムは、昼は簡単な寿司だけを食べた。その時、母親から電話があり、故郷の漬物を送ると言われた。電話で、ヨルムは母親がまた食堂でアルバイトをしていることに気づいた。仕事の後、ヨルムは残業中の彼氏に好きな寿司を届けた。食事中、ヨルムは彼氏に今日の出来事を話し、ツイ組長とメイハオに騙されたのではないかと訴えた。しかし、彼氏はそれはヨルム自身の問題だと責め、別れを切り出した。ヨルムは引き留めようとしたが、彼氏はしばらく距離を置きたいと言い張った。このことでヨルムは動揺し、仕事にも集中できなくなった。

翌日、ツイ組長はヨルムが印刷会社を変えたことに気づき、理由を尋ねた。ヨルムは新しい印刷会社の方が15%安いと説明したが、逆にツイ組長からより厳しい叱責を受けた。ツイ組長は会社を軍隊に例え、ヨルムを軍犬以下だと罵った。その夜、ヨルムは実家から電話を受け、母親が亡くなったことを知り、病院へ急いだ。母親の遺体と対面し、ヨルムは母親との思い出を振り返った。

元彼氏が母親の葬儀に来たことにヨルムは驚いた。彼はヨルムに、人生は続くのだから、食べるべき時は食べ、寝るべき時は寝ろと言った。母親の葬儀を終え、ヨルムは職場に戻った。母親が生前に送った漬物と手紙を受け取り、ヨルムはついに泣き崩れた。母親を失ったヨルムは、何をする気力もなかった。

ある日、通勤途中にヨルムのイヤホンが隣の男性のリュックに引っ掛かり、予定外の駅で降りることになった。次の電車を待っている間、ヨルムは舞い散る桜に心を奪われ、結局家に帰ることにした。目が覚めると午後3時で、ヨルムは慌てて会社へ行こうとしたが、辞職するつもりだったことを思い出した。そして、すぐにツイ組長に電話をかけ、辞意を伝えた。予想通り、ツイ組長は彼女を激しく非難したが、ヨルムは辞職の意思を固く表明した。

ヨルムが私物を整理していると、ツイ組長とメイハオは彼女を引き留めようとし、心理戦まで仕掛けてきた。ヨルムは彼らの要求を拒否し、ツイ組長が謝罪しなければ、業者からの賄賂を受け取っていたことを暴露すると脅した。ツイ組長は仕方なく謝罪し、ヨルムは会社を去った。会社の門を出たヨルムは、これまで一番厳しく自分を批判していたのは自分自身だったことに気づいた。

ヨルムは全財産283万ウォンで、行き当たりばったりの旅に出た。しばらくして、メイハオは仕事用のグループチャットに、ツイ組長がヨルムをホテルに誘うメッセージのスクリーンショットを投稿した。それでも、ヨルムは憧れの海へ行き、リュックを下ろし、靴を脱ぎ、海に飛び込んだ。その時、ヨルムはしばらく休暇を取り、すべての仕事を休むことを決めた。

第1話の感想

「何もしたくない」の第1話は、現代社会で生きる若者の苦悩と解放への第一歩を鮮烈に描いた、心を掴まれるエピソードでした。主人公・イ・ヨルム的日常は、まるで私たち自身の写し鏡のようです。仕事での理不尽な扱い、彼氏との別れ、そして母親の突然の死。畳み掛けるように不幸に見舞われる彼女の姿は、見ている側にも重くのしかかり、息苦しささえ感じさせます。

特に印象的なのは、職場での描写です。上司であるツイ組長の理不尽な叱責や、同僚のメイハオ喫裏腹な態度は、多くの視聴者が共感できるのではないでしょうか。会社を軍隊に例え、社員を軍犬呼ばわりするツイ組長の言葉は、現代社会における労働環境の歪みを象徴しているように感じました。

そんな絶望的な状況の中、ヨルムが最後に海に飛び込むシーンは、まさに圧巻です。すべてのしがらみを捨て去り、自由を求めて飛び込む彼女の姿は、私たちに希望を与えてくれます。これから彼女はどのように生きていくのか、第2話以降の展開が非常に楽しみです。

つづく