第1話、雨の路地裏で血まみれの男が苦しみながら倉庫へ這い込み、チンピラ二人に妻、カン・ヨジュの殺害を依頼する衝撃的なシーンから始まる。
物語は3ヶ月前に遡る。ハン・ウソンとカン・ヨジュはまだ仲睦まじい夫婦だった。人気推理小説家のカン・ヨジュは、毎晩遅くまで執筆活動に励み、一方、離婚訴訟専門の敏腕弁護士であるハン・ウソンは、多忙な日々を送っていた。ある朝、いつものようにジョギングに出かけたハン・ウソンは、道端で倒れていた泥酔のホームレスを介抱したことで、重要なインタビューに遅刻しそうになる。何とか間に合わせるため、現場で慌ててスーツに著替える羽目に陥り、ディレクターを呆れさせる。
インタビューで、司会者のペク・スジョンはハン・ウソンのプライベート、特に妻との馴れ初めについて強い興味を示す。ハン・ウソンは、二人が出会ったのは考試院だったと語り始める。兄を待っている間、偶然手に取ったカン・ヨジュの小説に心を奪われた彼は、部屋に幽霊が出るという嘘の話をでっち上げ、カン・ヨジュをその部屋に留まらせることに成功する。これが二人の恋の始まりだった。
しかし、時が経つにつれ、ハン・ウソンとカン・ヨジュの関係は徐々に冷え込んでいく。ハン・ウソンはペク・スジョンと不倫関係に陥り、離婚訴訟では巧妙な証拠操作で勝利を収め続ける。ある日、カン・ヨジュは書籍交流会に出席するが、読者の質問に対して冷淡な態度を取り、「夫が浮気をしたら完璧な犯罪を実行する」と発言し、会場を騒然とさせる。
一方、ハン・ウソンは政界進出を視野に入れ、政治アドバイザーから「国民の彼氏」のイメージを維持するよう助言を受ける。順風満帆に見える彼の人生だが、実は危機が迫っていた。帰宅したハン・ウソンは、妻がとある書類をコピーしているのを目撃する。それは、二人の婚前契約書だった。事態の深刻さを悟った瞬間、背後からカン・ヨジュが現れ、無言のまま彼を刃物で刺す。
この衝撃的なラストシーンは、夫婦の複雑な愛憎劇を描き出し、今後の展開への期待を高める。ハン・ウソンの裏切りとカン・ヨジュの復讐心、この二つの要素が物語の核となる。
第1話の感想
「浮気したら死ぬ」第1話は、冒頭の衝撃的なシーンで視聴者を一気に物語の世界へ引き込みました。血まみれの男、雨の路地裏、そして殺し屋への依頼。一体何が起きたのか、という疑問符が次々と浮かび、続きが気になって仕方がありません。
このドラマの魅力は、単なるサスペンスやミステリーに留まらない、人間の複雑な感情を深く掘り下げている点です。ハン・ウソンとカン・ヨジュの夫婦関係は、当初は愛情に満ち溢れていましたが、時間の経過とともに亀裂が生じ、ついには破滅へと向かっていきます。ハン・ウソンの不倫、カン・ヨジュの復讐心、そして二人の間に隠された秘密。それぞれの思惑が交錯し、物語は緊張感に満ちた展開を見せます。
特に印象的だったのは、カン・ヨジュが書籍交流会で放った「夫が浮気をしたら完璧な犯罪を実行する」というセリフです。この言葉は、彼女の冷酷さと復讐心を象徴しており、今後の展開を闇示しているようにも感じられました。また、ハン・ウソンが政治家としての成功を夢見ている一方で、過去の罪に囚われているという対比も興味深いです。
つづく