1990年、キム・ドゥシクとチャン・ジュウォンはロシアでの任務に赴きます。チャン・ジュウォンは飛行の喜びを味わい、二人は北朝鮮の教授を無事救出します。その後、香港や北朝鮮で活動しますが、北朝鮮の指導者の訃報が届きます。ミン次長はキム・ドゥシクの捜索を命じ、イ・ミヒョンに父親の病気を盾にキム・ドゥシクを生け捕るよう脅迫します。
キム・ドゥシクはイ・ミヒョンに計画を打ち明け、彼女に銃で脅されているように見せかけ、匕首を落とします。捕らえられたキム・ドゥシクは、ミン次長の脅迫にも屈せず、イ・ミヒョンとの面会を要求します。拒否されると、即座に行動を起こし、ミン次長を拉緻、他の要員を脅迫します。計画をよりリアルにするため、キム・ドゥシクはイ・ミヒョンに発砲したように見せかけますが、チャン・ジュウォンが事前に約束通り腕で弾丸を受け止めます。
キム・ドゥシクはミン次長を拉緻して逃走、翌日、ミン次長は木に弔るされた状態で発見されます。事件の大きさにミン次長は解任、黒要員部門は解散、イ・ミヒョンも異動となります。父親を失い、一人になったイ・ミヒョンは、キム・ドゥシクの帰りを待ち続けます。ついにキム・ドゥシクが現れ、二人は都会を離れ、山奥で暮らすことを決意、やがて息子、キム・ボンソクが生まれます。
ボンソクは成長するにつれ、キム・ドゥシクと同じ飛行能力を発揮します。家の安全対策にも関わらず、ある日、蝶を追いかけて高く飛んで行ってしまいます。キム・ドゥシクは急いで空へ飛び出し、雲の上で息子を見つけます。
ボンソクの安全と成長環境を考え、キム・ドゥシクはソウル郊外への引っ越しを提案しますが、イ・ミヒョンはトラブルを懸念します。引っ越し計画が実行される前に、復職したミン次長はキム・ドゥシクへの恨みを晴らすため、多数の人物を送り込みます。キム・ドゥシクは敵を引きつけ、イ・ミヒョンとボンソクを逃亡させます。捕まる直前、キム・ドゥシクはイ・ミヒョンにボンソクを守り、特殊能力を隠し、そしてトンカツ屋を開くという二人の夢を忘れないように言い残します。
第12話の感想
第12話は、キム・ドゥシクとイ・ミヒョンの愛と苦難に満ちた物語が中心でした。冷戦下の緊迫した状況の中、任務を遂行する二人のプロフェッショナルな姿が印象的です。特に、キム・ドゥシクの機転と行動力、そしてイ・ミヒョンの覚悟と強さは、見ていて心を掴まれました。
偽装工作によるミン次長の失脚劇は、ハラハラドキドキの展開でした。キム・ドゥシクの周到な計画と、チャン・ジュウォンとの連携プレーは見事でした。しかし、その後の逃亡生活は、二人にとって大きな試練となります。愛する息子、ボンソクの誕生は希望の光でしたが、同時に守るべき存在が増えたことで、彼らの負担はさらに大きくなりました。
ボンソクの飛行能力の発現は、驚きと共に、今後の展開への期待を高めます。父親譲りの能力を持つ彼が、今後どのように物語に関わっていくのか、非常に楽しみです。また、キム・ドゥシクとイ・ミヒョンが夢見たトンカツ屋は、彼らのささやかな希望であり、平和な暮らしへの憧れを象徴しているように感じました。しかし、ミン次長の復讐心によって、再び平穏は破られます。逃亡を余儀なくされた彼らの運命は、今後の物語の大きな焦点となるでしょう。
つづく