第17話は、チョン・ゲドが車を暴走させて警察署に突っ込むシーンから始まる。車は電気係統の故障で製御不能になったと説明する。乗客たちは順番に事情聴取を受け、ボンソクとヒスは列の後ろの方にいた。二人は既に家に「早く帰る」と嘘をついており、バスの事故で更に時間がかかってしまったため、相談の上こっそり警察署を抜け出し、遁村洞スポーツセンターへと向かう。事前に連絡を受けていた管理人は、二人をそのまま中へ通した。

ボンソクはヒスの練習に真剣に付き添い、ヒスは嬉しそうだった。ヒスはボンソクに先に休憩するように言い、著替えた後、一人で練習を始める。ヒスのために何かしたいと思ったボンソクは、飲み物を買いに出かける。ヒスは10周ほど走った後、疲れ果ててしゃがみこんで息を整えていると、背後にバスに乗っていた怪人が現れ、何周走ったか尋ねる。突然の怪人の出現に驚くヒス。どうやって入ったのかわからない。怪人は多くを語らず、ヒスの能力を測ろうと、彼女を階上から突き落とした。ヒスは痛みを感じたものの怪我はなく、怪人は彼女が回復能力を持っていると推測する。更に確かめるため、怪人は飛び降りてヒスに攻撃を続ける。ヒスは抵抗するも全く歯が立たず、一方的に殴られ続ける。

飲み物を買って戻ってきたボンソクは、体育館の扉が閉まっているのに気づき、中からヒスの叫び声が聞こえてくる。焦ったボンソクは、身に付けていた重りを外し、母の言葉を思い出す。「飛びたいなら、落ちることを恐れるな」。ヒスを助けるため、ボンソクは勇気を振り絞って飛び上がり、外壁のガラスを突き破ると、ヒスが怪人に階上から落とされようとしている場面を目撃する。ボンソクはすぐに飛んで行ってヒスを抱きとめるが、飛行はまだ未慣れなため、ヒスを抱えたまま壁にぶつかりながら、何とか無事に著地する。それを見た怪人は、ボンソクにも飛行能力があることを悟り、二人を始末しようと考える。ボンソクとヒスは勇敢に立ち向かうものの、訓練不足のためすぐに劣勢に追い込まれる。

一方、イ・ミヒョンは行動を起こすことを決意し、校長の部屋のドアを押し開けて鍵をかけ、清掃員の正体を問い詰める。清掃員は北朝鮮から来たことを認め、二人は戦闘を開始する。清掃員は強力な実力者だが、イ・ミヒョンも引けを取らず、互角の戦いを繰り広げる。イ・ミヒョンはドアの外の足音を聞き、清掃員に仲間がいると判断し、花瓶で清掃員を倒して窓から脱出しようとする。もう一人の北朝鮮工作員が到著し、清掃員と合図を交わす。清掃員はイ・ミヒョンがいないことに気づき、監視カメラで探そうとするが、複数のカメラが雪で覆われていることに気づく。

イ・ミヒョンは監視カメラを破壊した後、配電室に潜入して学校の電源を遮断し、互いに同じ条件にする。激怒した清掃員は配電室に突入してイ・ミヒョンを捕まえようとするが、逆にイ・ミヒョンに撃たれてしまう。別の場所で、チャン・ジュウォンは証拠を持ってチェ・イルファンに異能生徒について問い詰める。チェ・イルファンが答えようとしたその時、部屋のドアが開き、二人の男が入ってくる。そのうちの一人は、チェ・イルファンに異能生徒の資料を渡すよう要求する。

ガンフンは学校の図書館で本を読んでいる時に北朝鮮工作員と遭遇し、衝突する。母親はそれを知り、すぐにイ・ジェマンに連絡する。息子が危険にさらされていると聞いたイ・ジェマンは、急いで旌元中学校へ向かう。チャン・ジュウォンも北朝鮮工作員と戦うが、最初は優勢だったものの、相手も異能者であり、逆にチャン・ジュウォンは倒されてしまい、仮撃できなくなる。パン・ギスを守るため、チェ・イルファンは警棒で北朝鮮工作員に立ち向かうが、数回の攻防の後、倒されてしまう。このエピソードは、緊迫した対決シーンで幕を閉じ、今後の展開に期待を持たせる。

第17話の感想

第17話は、まさに息もつかせぬ展開でした。冒頭からチョン・ゲドの暴走シーンで一気に引き込まれ、そこからノンストップでアクションとサスペンスが続きます。ボンソクとヒスの遁村洞スポーツセンターでの訓練シーンは、二人の関係性の深まりを感じさせる一方で、突如現れた怪人によって一変、緊迫感溢れる戦闘へと転じます。ボンソクが母の言葉を思い出し、勇気を振り絞ってヒスを助けに行くシーンは、感動的ながらも、未熟な飛行能力ゆえの危うさも感じさせ、ハラハラさせられました。

イ・ミヒョンと清掃員の対決も、互角の攻防で見応えがありました。イ・ミヒョンの機智と冷静な判断力、そして清掃員の執拗さが際立ち、手に汗握る展開でした。学校全体の電源を落とすという大胆な行動は、まさにイ・ミヒョンらしいと言えるでしょう。

つづく