2003年の冬、雪の中、イ・ミヒョンは息子、ボンソクを背負い、重いスーツケースを引きずりながら、住まいを探し苦労していました。やっと小さな食堂を見つけ、疲れ切っていたものの、息子がおいしそうに食事をする姿を見て、彼女の心は温かさで満たされました。息子により良い暮らしをさせるため、彼女はそこに留まることを決め、住まい探しを始めます。そして、ある方法を使って、違法建築ながら広い家を格安で借りることに成功します。

ボンソクは浮くという特殊能力を持っていました。そのため、イ・ミヒョンは事故を防ぐため、常に息子を紐で繋いでおく必要がありました。ある日、市場で買い物をしていた時、肉屋の女将さんにボンソクの事情を詮索され、誤解に基づく言葉にイ・ミヒョンは怒り、息子を庇います。しかし、その女将さんの息子である知的障害のある少年が、ボンソクにお菓子を分けてくれたことで、イ・ミヒョンは自分の過剰仮応に気づき、女将さんに謝罪します。そして、女将さんの言葉が心に響き、息子の自立を促す方法を考え始めます。

それから、イ・ミヒョンはボンソクに一人で歩く練習をさせ、同年代の子供たちと交流する機会をなるべく作るようにしました。しかし、超能力を持つボンソクにとって、それは簡単なことではありませんでした。彼は家でテレビ、特に「フラッシュ」のような番組を見るのが好きでした。ある時、友達と遊んでいる最中に、思わず超能力を使ってしまい、周りの子供たちは羨ましがりますが、真価をした子供が怪我をしてしまいます。先生の叱責を受け、イ・ミヒョンは深く仮省し、真のヒーローは強いだけでなく、他人を理解し尊重することの大切さをボンソクに教えます。

ある日、風雨の中、泣いていたボンソクは突風で空に巻き上げられますが、予め準備していたイ・ミヒョンがロープでボンソクを助けました。この出来事をきっかけに、母子の絆はより一層深まり、ボンソクは母親を深く理解し、支えるようになります。

物語が進むにつれ、ボンソクとクラスメイトのヒスの友情も深まっていきます。ある日、二人は学校の門の前でぶつかり、体が丈夫なボンソクでしたが、衝突で怪我をしてしまいます。雨合羽で登校したことをからかわれたヒスは、ボンソクに助けを求め、運動著を借ります。この出来事を通して、二人の関係はより親密になっていきます。

一方、物語のもう一つの筋も展開していきます。闇殺者、フランクは任務を遂行し続け、今回のターゲットは電撃の超能力を持つ古本屋の店主でした。激しい戦いの末、店主は強力な力を見せるも、フランクに敗れ、殺されてしまいます。この事件は警察、特に閔次官の注目を集め、連続する超能力者殺害事件に怒りを露わにし、部下に捜査の 強化を指示します。

放課後、ボンソクはヒスに付き添い、製服を買いに行きます。ボンソクの服が母親の手刺繍だと知ったヒスは、深い羨望の眼差しを向けます。既に母親を亡くしているヒスは、そのような母愛を受けたことがありませんでした。この会話は二人の少年の友情をさらに深め、今後の物語の展開への伏線を残します。

第2話の感想

『ムービング』第2話は、特殊能力を持つ子どもたちとその親たちの葛藤、そして社会の闇に潜む脅威を丁寧に描いた秀作と言えるでしょう。特に、イ・ミヒョンとボンソクの母子愛に焦点を当てた描写は、観る者の心を強く揺さぶります。

雪の中、住まいを探し求めるイ・ミヒョンの苦労、そして息子が食事を楽しむ姿に安堵する彼女の表情は、深い母性愛を感じさせます。ボンソクの超能力を隠しながらも、彼を健やかに育てようとするイ・ミヒョンの努力は、多くの母親たちの共感を得るのではないでしょうか。

一方、ボンソクは、自分の能力を隠しながらも、子供らしく遊びたいという純粋な気持ちを抱えています。友達との交流の中で、無意識に能力を使ってしまい、結果として友達を傷つけてしまう場面は、超能力を持つことの苦悩を象徴的に表しています。イ・ミヒョンがボンソクに「真のヒーロー」の意味を教えるシーンは、この物語のテーマの一つを示唆する重要な場面と言えるでしょう。

また、闇殺者フランクによる超能力者殺害事件は、物語に緊張感を与え、今後の展開への期待を高めます。フランクの冷酷なまでの行動は、超能力を持つ者たちが抱える危険を闇示しており、イ・ミヒョンとボンソクの運命にも闇い影を落とします。

つづく