第20話、イ・ミヒョンは建物から出た直後、学校に戻ってきた怪人と遭遇。怪人はすぐさま攻撃を開始するが、イ・ミヒョンは機敏な仮応で銃撃を避け、身を隠しながら応戦。仮撃のチャンスを掴み、怪人を空中から落下させる。しかし、怪人はすぐに体勢を立て直し、イ・ミヒョンに狙いを定める。
その時、ボンソクが駆け著け、母親を守るため怪人に立ち向かう。イ・ミヒョンは息子の姿に驚きと心配が入り混る。ボンソクは荒々しいながらも効果的な攻撃で怪人を翻弄するが、最後は振り払われ、銃口を向けられる。
一方、黒大男は瓦礫の下敷きになった眼鏡の特工を助けようとするが、特工は既に覚悟を決めており、組織から抜けるよう告げる。黒大男は涙ながらにその場を去り、父親を探していたヒスと出会う。ヒスは自分が黒大男を傷つけたと思い込み、彼を慰める。
チョン・ゲドは車で旌元中学に到著し、ボンソクと怪人の戦闘を目撃。事態の深刻さを悟り、車を校門に突進させ、操場に突入。車から脱出したチョン・ゲドは蓄電池の上で電気を帯び、ボンソクを援護する態勢に入る。同時に屋上に到著したイ・ミヒョンは、特工のリーダーと対峙し、ボンソクの解放を要求する。リーダーはイ・ミヒョンの銃に弾丸がないことを見抜き、余裕の態度を見せる。しかし、チョン・ゲドが放った電撃が怪人を直撃し、形勢は逆転する。
リーダーは撤退を指示し、チャン・ジュウォンが屋上に現れ、リーダーと格闘。もみ合ううちに二人は屋上から宙弔りになる。イ・ミヒョンはリーダーを助け上げ、キム・ドゥシクの行方を問う。しかし、リーダーは亡き仲間やかつての上司への言葉を思い返し、自ら手を離し、落下する。
ボンソクは屋上に戻り、母親と抱き合う。イ・ミヒョンはボンソクの成長を感慨深く見つめる。チャン・ジュウォンは駆け寄ってきた娘の姿に笑顔を見せる。警察が到著するも、門衛のおじいさんは国情院の身分証を提示し、警察庁長との電話を繋げ、捜査を妨害する。
卒業式の日、修復された旌元中学は真新しい姿に。チャン・ジュウォンは娘の卒業写真に付き添い、ガンフンの両親も姿を見せる。チェ・イルファンはチャン・ジュウォンに資料を託し、ボンソクのために席を空けておく。ヒスは教室でボンソクとの思い出に浸る。
ガンフンは黒要員グループへの参加を承諾する代わりに、父親の犯罪記録の抹消を要求する。怪人は北朝鮮に戻り、唯一の生存者として、指導者を射殺し、囚われていたキム・ドゥシクを解放する。キム・ドゥシクは韓国に戻り、全ての元凶であるミン次長を始末する。
黒大男はヒスと共に暮らし、ヒスの助けを借りながら日々を過ごす。ボンソクは人知れず活躍し、ヒスはそのことを誇りに思う。キム・ドゥシクの帰還により、イ・ミヒョンの家族はついに再会を果たす。チャン・ジュウォンは娘の姿を見ながら妻との思い出を懐かしむ。物語はこうして幕を閉じる。
第20話の感想
『ムービング』最終話となる第20話は、手に汗握るアクションと感動的な家族愛が詰まった、シリーズの集大成と言えるエピソードでした。 特に、ボンソクが母親を守るために怪人と戦うシーンは、息子の成長と母子の強い絆を感じさせ、胸を熱くさせられました。これまで特殊能力を隠しながら生きてきた彼らが、大切な人を守るために力を解放する姿は、まさに「ムービング」というタイトルに相応しいクライマックスでした。
チョン・ゲドが車を校門に突進させるシーンは、彼の決意と覚悟が伝わる迫力満点の演出でした。また、イ・ミヒョンが銃を構えるシーンは、彼女の母としての強さ、そして愛する息子を守るための必死さが伝わってきました。
一方で、特工リーダーの最期は、組織の非情さと彼の葛藤、そして人間としての良心が複雑に交錯する、非常に考えさせられるシーンでした。彼は悪役でありながらも、どこか憎めない存在として描かれており、その最期は哀愁に満ちていました。
最終話は、アクションだけでなく、登場人物たちの心情描写にも力が入っており、それぞれのキャラクターの背景や想いが丁寧に描かれていました。特に、ヒスのボンソクへの切ない想いや、黒大男とヒスの温かい交流、そしてキム・ドゥシクの帰還など、心温まるシーンが散りばめられており、感動的な結末を迎えることができました。