チョン・ゲドは、小さい頃からフラッシュに憧れ、自身も放電する体質を持っていたが、それは彼にとって悩みの種でもあった。高校時代、体育の成績が悪く、体育大学進学を断念。教師の勧めで演劇映画科に進学し、卒業後、舞台「フラッシュ」の主役オーディションを受ける。演技では劣っていたものの、放電能力を買われ、主役に抜擢される。

しかし、舞台上で意図せず放電し、照明を落としてしまい、解雇される。失意の中、帰宅すると母親が亡くなっており、自責の念に駆られる。葬儀に駆けつけた父親は、離婚後、十分に面倒を見られなかったことを謝罪するが、啓道は理解を示す。父親は長年、啓道を経済的に支えていたのだ。母親を埋葬した後、啓道は仕事を探すが見つからず、父親の古書店で働く父親の生活も楽ではないことを知り、負担をかけまいと店を出ていく。

落ち込んだ啓道は、道端で酒を飲んでいると、電気がなくて動かないバスを見つける。彼はバスに放電し、エンジンを始動させる。このことがバス会社に伝わり、啓道は運転手兼電気係統の修理担当として採用される。

一方、イ・ミヒョンは、ボンソクの超能力の秘密を守るため、彼の訓練の強度を上げる。昼休み、ヘウォンがボンソクと喜愛のテーブルに加わる。三人はクラスの端っこ組だ。ボンソクは一人で食事をするガンフンに気づき、声をかけようとするが、ヒスに止められる。パン・ギスはガンフンを挑発し、公共の場では手を出せないことを利用して、彼を侮辱し、眼鏡を食事の中に投げ込む。ガンフンは怒りをこらえて食事を捨て、ヒスが眼鏡を拾い、ボンソクが拭いてあげる。その後、二人はガンフンを慰め、パン・ギスを気にしないように言う。

フランクは、新たな任務の指示を待ちながら、幼少期に強製的に訓練させられていた日々を思い出し、複雑な心境になる。ボンソクとヒスが一緒に練習をしている時、二人の偶然の接触にボンソクは動揺し、円周率を闇唱して気持ちを落ち著かせる。ヒスはボンソクが選曲した音楽に興味を持ち、ボンソクは自分の携帯電話を彼女に貸す。しかし、放課後、携帯電話の電池が切れていることに気づき、母親のイ・ミヒョンから連絡が取れるように言われていたことを思い出し、急いで帰宅する。

その頃、ミン次長は、アメリカからフランクという闇殺者が派遣されたことを知る。フランクは幼い頃から米軍基地で訓練を受け、両親は韓国人とアメリカ人だ。ミン次長は、他にも闇殺対象がいるのではないかと懸念し、アメリカ駐韓参事官と緊急会談を行い、闇殺を止めなければ、韓国は他国と同盟を組むと脅す。フランクは、イ・ミヒョンの闇殺指令を受ける。美賢は既に危険を察知し、ボンソクに帰宅しないように伝え、護身用の武器を持って準備をしていた。しかし、ボンソクはメッセージを受け取っておらず、家のドアを開けてしまう。

第6話 感想

第6話は、それぞれ異なる立場の登場人物たちの苦悩や葛藤が描かれた、重みのあるエピソードでした。特にチョン・ゲドのストーリーは、能力ゆえの苦しみ、そして大切な人を失った悲しみと、人生の厳しさを突きつけられる展開に胸が締め付けられました。フラッシュへの憧れと現実のギャップ、そして不器用ながらも懸命に生きる彼の姿には、共感せずにはいられません。放電能力という特殊な才能を持ちながらも、それを活かせずに苦労する様子は、私たちが日常で抱える才能と現実の葛藤を想起させます。母親の死をきっかけに、父親との関係や自身の将来について深く考えるようになる啓道の変化は、今後の展開への期待を高めます。

一方、高校生組のボンソク、ヒス、ガンフンらの日常も丁寧に描かれていました。思春期特有の繊細な感情、友情、そして理不尽な暴力への対処など、等身大の高校生たちの姿がリアルに表現されています。特に、ガンフンがいじめられるシーンは見ていて辛かったですが、ボンソクとヒスが彼を支える姿に温かさを感じました。また、ボンソクとヒスの間に芽生え始めた淡い感情も、今後の展開を期待させる要素の一つです。

そして、物語の緊張感を高めるのが、闇殺者フランクの存在です。冷酷な任務を遂行する一方で、過去の訓練の日々を思い出す彼の表情には、複雑な感情が読み取れます。フランクの過去や目的が徐々に明らかになることで、物語はさらに深みを増していくでしょう。

つづく