第7話、イ・ミヒョンは息子ボンソクが店に入ってくるのを見て驚き、知らないふりをする。ボンソクは戸惑いながらも母の指示に従う。フランシスはボンソクと少し話しただけで、彼がイ・ミヒョンの息子だと気付く。イ・ミヒョンは銃を抜こうとするが、その時フランシスはアメリカ大使館参事からの連絡を受け、任務中止を指示される。フランシスは仕方なく店を去る。
イ・ミヒョンはボンソクに連絡が取れないことを叱責する。ボンソクは携帯の電池切れを言い訳にするが、イ・ミヒョンは真の理由を告げず、常に携帯を繋がるようにと念を押す。一方、チョン・ゲドは父の遺品を整理していた際に特殊な電池を発見する。その電池を通して、父が殺害される瞬間の映像を見る。犯人は宅配便の服を著た長髪の男で、チョン・ゲドはどこで会ったか心当たりがあるような気がした。
悲しみから逃れるように、チョン・ゲドはバスの運転手として職場に戻る。ある晩、退勤時にフランシスとニアミスを起こす。チョン・ゲドはフランシスが父を殺した男だと確信し、乗客を降ろした後、車でフランシスを追跡する。郊外まで追いかけ、激しい格闘となるが、訓練を受けていないチョン・ゲドはフランシスに敗れ、命を落とす。
フランシスは車に戻り、参事がなぜ任務を中止させたのか考えるが、任務続行を決意し、次のターゲットであるフライドチキン店の店主、チャン・ジュウォンへ向かう。しかし、チャン・ジュウォンは配達中で不在だった。フランシスは店の配達時間と住所を見て、車でチャン・ジュウォンを追跡、ついに追いつき、はね飛ばす。何度も車体で轢き、とどめを刺したと確信してその場を去る。しかし、驚異的な生命力を持つチャン・ジュウォンは、フランシスの隠れ家までこっそり追跡し、再び交戦。今度はチャン・ジュウォンが優勢となり、フランシスを完全に製圧し、重要な書類を処分する。
チャン・ジュウォンは娘に携帯電話を買っていたが、ヒスは組織に渡さず隠していた。ボンソクも母の警告で携帯を提出していなかった。ガンフンが携帯未提出の理由を尋ねると、ヒスは二人をかばい、ガンフンは彼女に好感を抱きながらも二人を見逃す。下校後、ボンソクはいつも乗るバスの運転手、チョン・ゲドがいないことに気付き、不安になる。
修学能力試験が近づき、生徒たちは皆、試験勉強に励んでいた。ボンソクも例外ではないが、心はヒスのことでいっぱいだった。ある晩、ヒスから勉強を気遣うメッセージが届き、ボンソクはヒスが近くで待っていることを知り、すぐに会いに行く。ヒスは試験前に励ましたかっただけだと伝え、大きな石をボンソクの上に置き、想いを伝える。二人の距離はさらに縮まる。
翌日、体育館で学校行事が行われ、ヒスは垂直跳びの練習をしていた。その時、バスケットゴールのネジが緩み落下する。ガンフンとボンソクは同時にヒスのもとへ駆け寄るが、超能力を持つガンフンが先に到著しヒスを守る。ボンソクは石の重みで転倒し、間に合わなかった。ガンフンがヒスを救う場面は生徒に撮影され、ネットにアップロードされ話題となる。
ヒスを助けられなかったボンソクは落ち込み、夜に家を出て空を漂いながら気持ちを晴らそうとする。イ・ミヒョンはそれに気付き後を追う。ボンソクは母に不満をぶつける。イ・ミヒョンもまた悲しみ、夫と同じ運命を辿る息子を見たくないと思っていた。
第7話の感想
第7話は、息詰まるアクションと切ない人間ドラマが交錯する、非常に濃密なエピソードでした。特にチョン・ゲドの死は衝撃的で、深い悲しみを誘います。父を殺した犯人への復讐心と、正義感に突き動かされる彼の姿は、胸を締め付けられるものがありました。訓練を受けていない一般市民である彼が、超能力を持つフランシスに立ち向かう姿は勇敢であり、だからこそ、その死がより一層悲劇的に感じられます。
また、フランシスの冷酷さと任務への固執も際立っていました。大使館からの指示を無視し、任務を続行する姿は、彼の非情さを物語っています。一方で、チャン・ジュウォンの驚異的な生命力と戦闘能力には驚かされました。何度も轢かれたにも関わらず、生き延び、フランシスを圧倒する姿は、まさに圧巻でした。
そして、ボンソクとヒスの淡い恋模様も印象的です。試験を控えた緊張感の中で、互いを思いやる二人の姿は、微笑ましく、心が温まります。大きな石を使ったヒスの愛情表現は独特で、二人の純粋な関係性を象徴しているようにも感じられました。しかし、ガンフンの存在が二人の関係にどのような影響を与えるのか、今後の展開が気になります。
つづく