シム・スリョンは、子供たちがバスの中で火をつけ逃げ出した過去の出来事を持ち出し、罪悪感のかけらもない様子を糾弾した。ミン・ソルアへの仕打ちを白状するよう迫ると、珍妮の母は死を恐れ、ミン・ソルアが器械室に閉じ込められていたことを後から知っただけで、自分は無実だと訴え、噴水池の血を掃除しただけだと弁明した。バスの中は混乱し、互いに非難し合うばかりだった。
シム・スリョンはバスの前に置かれたマネキンを銃で撃ち抜き、帽子を脱いで姿を現した。一同は驚きと怒りに満ち、彼女を罵倒した。シム・スリョンがミン・ソルアは自分の娘だと明かすと、彼らは命乞いをするように謝罪を始めた。
もちろんシム・スリョンは彼らを許さず、バスに銃弾を放ち、姿を消した。バスに残された一同は、頭を抱えうずくまり、シム・スリョンがいないことに気づくと、必死にドアを叩いた。時限装置のカウントダウン音が響き渡り、彼らは恐怖に叫び声を上げた。爆発音が鳴り響いたが、バスは爆発しなかった。それは脱出用の装置だったのだ。ドアが開き、彼らは水しぶきを浴びながら外へ逃げ出した。
ヘラパレスに戻り子供たちと合流した一同。そこにク・ホドンが現れ、チュ・ダンテは金で口止めをしようとするが、ク・ホドンは子供たちの仮省文を警察に提出すると告げた。
シム・スリョンはヘラパレスでオ・ユニと会い、全てが終わったと告げた。ヘラパレスの子供たちはミン・ソルアへのいじめを認め、チュ・ダンテたちは死体遺棄と死因のねつ造を認めたという。オ・ユニがチョン・ソジンの罪について尋ねると、シム・スリョンはミン・ソルアを殺したのはチョン・ソジンではなく、オ・ユニ自身だと告げた。
シム・スリョンは、ペロナが警察署に行く夜、オ・ユニに電話をしたこと、そしてオ・ユニの家に行き彼女を起こそうとした際に、床にミン・ソルアのリンゴのネックレスを見つけた時のことを話した。なぜオ・ユニがネックレスを持っているのか理解できなかったという。その後、オ・ユニに問いただそうとしたが、彼女は何かを隠しているようにひどく動揺していた。
シム・スリョンはオ・ユニを尾行し、服を燃やしている現場で、燃え残ったミン・ソルアのネックレスを発見した。まるで記憶を消し去ろうとしているかのようにネックレスを燃やすオ・ユニの行動が理解できなかった。オ・ユニは大声で仮論し、殺害を否定した。
オ・ユニは、ネックレスはミン・ソルアからの感謝の贈り物であり、ミン・ソルアがシム・スリョンの娘だと知った時、誤解を恐れて捨てただけだと主張した。シム・スリョンは決定的な証拠を突きつけた。ミン・ソルアの遺体の爪から見つかった身元不明のDNAが、オ・ユニのものだと判明したのだ。
ローガン・リーはチュ・ダンテを電話で呼び出し、シム・スリョンを救出した。シム・スリョンはローガン・リーに、オ・ユニとチュ・ダンテが親密にしているところを目撃したことを話した。オ・ユニの裏切りにショックを受けたシム・スリョンは、ローガン・リーにミン・ソルアを殺したのはオ・ユニだと告げ、激昂したローガン・リーはオ・ユニを殺そうとするが、シム・スリョンに止められた。
チュ・ダンテは死体遺棄に関わった者たちと口裏合わせをし、シム・スリョンが巨額の慰謝料を目当てに仕組んだことだと主張することにした。
チョン・ソジンは、娘の成績操作と賄賂の容疑で逮捕された。チュ・ダンテもまた、投資詐欺などの容疑で逮捕された。
第19話の感想
第19話は、息もつかせぬ展開で、衝撃の連続でした。シム・スリョンの復讐劇がついにクライマックスを迎え、ヘラパレスの住人たちの悪行が次々と暴かれていく様は、まさにカタルシスを感じさせるものでした。
特に印象的だったのは、シム・スリョンがバスの中で仮面を脱ぎ捨て、自分の正体を明かすシーンです。それまでのシム・スリョンは、冷静沈著で、復讐の鬼と化していましたが、このシーンでは、娘を殺された母親としての悲しみと怒りが爆発し、鬼気迫る演技に圧倒されました。
また、これまで謎に包まれていたミン・ソルア殺害の真犯人が、まさかのオ・ユニであったことも衝撃的でした。シム・スリョンが証拠を突きつけるシーンは、緊迫感に満ち溢れ、見ているこちらも息を呑むほどでした。オ・ユニの裏切りは、シム・スリョンにとってどれほどの衝撃だったのか、想像を絶するものです。
つづく