シム・スリョンは資料を見て、家庭教師の安娜、つまりミン・ソルアが自分の実の娘だと知る。資料には、ミン・ソルアが2014年にアメリカに養子縁組され、2017年に捨てられて帰国したことが記されていた。
シム・スリョンは急いで家に帰り、ミン・ソルアにメッセージを送るが、ミン・ソルアは既に拘束を解き逃走していた。追手に発見され、突き飛ばされたミン・ソルアは必死に逃げる。パーティーへ向かうエレベーターに乗っていたシム・スリョンは、偶然にも実の娘が屋上から突き落とされ、彫像に激突して死ぬのを目撃し、悲鳴を上げて倒れてしまう。
パーティーを楽しんでいた富豪たちはミン・ソルアの遺体を発見し、チュ・ダンテは保松村に遺体を運び、偽装工作を提案する。彼らはエレベーターで遺体を運ぼうとするが、途中で警察官と遭遇し、何とかやり過ごす。車で移動中、飲酒検問にも遭うが、賄賂で切り抜ける。遺体を遺棄し、偽装遺書を屋上に置いてミン・ソルアの部屋に火を放った。
悪夢から目覚めたシム・スリョンは会場に戻ると、何もなかったかのように振る舞う人々を見て、何が起こったのかと問う。会場は既に綺麗に片付けられ、証拠は全て消されていた。シム・スリョンはチョ・サンホンがミン・ソルアと写真を撮っていた人物だと気づき、チュ・ダンテの服の血痕にも気づく。周囲を見渡すと、多くの人の服に血痕が残っていることに愕然とする。保松村の火事を知り、皆の同じ表情を見て、シム・スリョンは会場を飛び出し、保松村へ向かう。そこでミン・ソルアの遺体と対面する。
シム・スリョンは遺体を運ぶ車を追いかけるが、事故を起こして気を失う。目を覚ますと、謎の男、ユン室長がおり、なぜこんなことをしたのかと問い詰める。ユン室長は会長に知られたら危険だと警告する。娘の死を悲しむシム・スリョンに、ユン室長は17年前の出来事を告白する。
17年前、シム・スリョンの子供はジュ会長によってすり替えられ、ユン室長は子供を捨てるように命じられたが、孤児院の前に置いたという。ユン室長はミン・ソルアがシム・スリョンの娘だと知らなかった。シム・スリョンは泣き崩れ、チュ・ダンテへの復讐を誓う。
疑心を持った富豪たちは集まり、チュ・ダンテは激怒し、真実は自分たちが作ると言い放つ。警察はヘラパレスを訪れ、関係者全員に聞き込みを行う。
チョン・ソジンはソファに座り、腕の噛み傷を眺めながら、あの夜を思い出す。ミン・ソルアを問い詰めたが、何も答えず、清雅芸術高校の不正入学を知っていると告げられた。激怒したチョン・ソジンはミン・ソルアを平手打ちし、指輪で顔を傷つけてしまう。そしてミン・ソルアに腕を噛まれたのだ。
事件を担当する刑事はミン・ソルアの死には裏があると感じるが、署長は全く気に留めず、刑事を叱責する。ジュ会長はユン室長にミン・ソルアの遺体を火葬するように指示するが、ユン室長は密かに遺体をすり替える。そして、シム・スリョンにミン・ソルアが死の直前に飲み込んだというものを渡す。シム・スリョンは娘の遺体を見て、自責の念に駆られ泣き崩れる。
家に帰ったシム・スリョンは、ジュ会長とチョン・ソジンの密会を目撃し、ショックで倒れこむ。物音に気づいたジュ会長が出てくる。
第4話の感想
ヘラパレスの住人たちの悪行がついに露呈し、物語が大きく動き出した第4話。中でも、シム・スリョンが実の娘・ミン・ソルアの死を目の当たりにするシーンは、あまりにも悲惨で胸が締め付けられました。愛する娘を救えなかった無念さ、そして真実を知った時の絶望は、想像を絶するものです。彼女の悲痛な叫びは、視聴者の心に深く突き刺さり、涙を誘います。
これまでシム・スリョンは、優雅で上品な妻として描かれてきましたが、この出来事をきっかけに、彼女の内に秘めた復讐心が燃え上がり始めます。これまでとは違う、強い意誌を持ったシム・スリョンの今後の行動に目が離せません。
一方、チュ・ダンテをはじめとするヘラパレスの住人たちは、自分たちの保身のためならどんな手段も厭わない冷酷さを改めて見せつけました。ミン・ソルアの死を隠蔽するために、遺体を運び、証拠を隠滅する彼らの姿は、まさに悪の権化と言えるでしょう。特に、チュ・ダンテの冷徹な表情と、何事もなかったかのように振る舞う姿は、底知れぬ恐怖を感じさせます。
つづく