キム・ヒウは、パク・サンマンから受け取ったJQ建設の契約書を妹のキム・ヒアに渡し、チョンハグループの新しい会長になってほしいと告げる。これを察知したチョ・テソプは、キム・ヒウをアメリカに留学させようとする。キム・ヒウは表向き従う姿勢を見せるが、渡米前にチョ・テソプの側近を排除しようと画策する。チョン・ソクキュにキム・ジヌとの接触を指示し、屋上で対峙したキム・ヒウは、チョン・セヨンとの取引の写真と動画を証拠にキム・ジヌを脅迫する。追い詰められたキム・ジヌは、チョ・テソプを守るため自殺という道を選び、キム・ヒウに衝撃を与える。その後、キム・ヒウは検事を辞職する。
キム・ヒウはファン・ジニョンに、議員選挙への出馬を要請する。特にチョ・テソプと同じ選挙区を希望する。候補者となったキム・ヒウはチョ・テソプと会い、チョ・テソプを倒すことが目的だと明言する。チョ・テソプもかつて同じような目的を持っていたと語る。キム・ジヌの最期について、キム・ヒウはチョ・テソプの問いかけには答えない。ハン・ジヒョンはキム・ヒウにチョ・テソプへの謝罪を勧めるが、キム・ヒウは拒否し、ハン・ジヒョンと二人だけで話すことを求める。
選挙戦が近づく中、イ・ミンスはキム・ヒウの過去のいじめや不正な財産売買を暴露する。しかし、キム・ヒウは弁明しない。同時に、キム・ヒアとの結婚発表を行い、記者会見で選挙に関する疑惑を釈明し、チョ・テソプを名誉毀損で訴え、公開討論会を要求する。チョ・テソプは討論会に応じ、両者は互いの不正を暴露し合う。討論会後、ハン・ジヒョンはインタビューでチョ・テソプの問題点をさらに追及し、検察への圧力や不正献金を示す録音データなどを公開する。
ハン・ジヒョンの追及を阻止するため、チョ・テソプは殺し屋を送り込みハン・ジヒョンを拉緻しようとするが、キム・ヒウは事前に察知しハン・ジヒョンを守る。格闘の末、殺し屋を倒したキム・ヒウは、殺し屋からチョ・テソプにかかってきた電話に出る。そして、自分の行動をチョ・テソプに伝える。その後、警察が殺し屋を連行し、ハン・ジヒョンはチョ・テソプを告発するため自首を決意する。
ユン・ジョンギを含む多くの人物が検察に連行され、チョ・テソプは行方不明となる。海辺でチョ・テソプらしき遺体が発見される。意識を取り戻したパク・サンマンを見舞ったキム・ヒウは、キム・ヒアと交際中であること、結婚式は延期することを伝える。
チョン・ホリョン会長は、チョ・テソプの失敗は野心が大きすぎたためだと考え、彼の秘密組織を再建しようとする。キム・ヒウとファン・ジニョンによって逮捕された多くの人物を釈放する。キム・ヒウは、まだ多くの仕事が残っていることを認識し、正義こそが国家の存続の基盤だと強調する。
第16話の感想
「アゲイン・マイ・ライフ~巨悪に挑む検事~」の最終回、第16話は、息つく暇もない展開で、手に汗握る緊張感と、カタルシスが絶妙に絡み合った見応えのあるエピソードでした。キム・ヒウの周到な計画と行動力、そして正義を貫く強い意誌が、ついに巨悪・チョ・テソプを追い詰める様は、まさに痛快の一言。特に、キム・ジヌの自殺という悲劇的な出来事を乗り越え、検事を辞職してまで復讐を遂げようとするキム・ヒウの覚悟には、心を揺さぶられました。
一方、ハン・ジヒョンのジャーナリストとしての勇気と信念も、物語に深みを与えていました。チョ・テソプの不正を暴くため、自らの危険を顧みずに行動する姿は、キム・ヒウとは異なる形で正義を体現しており、強い印象を残しました。
また、キム・ヒアとの結婚発表や、パク・サンマンとの再会など、シリアスな展開の中にも、温かい人間ドラマが描かれていた点も良かったです。特に、キム・ヒウとキム・ヒアの絆は、物語全体を通して希望の光となっており、最終回でもその温かさがしっかりと伝わってきました。
しかし、チョ・テソプの死は、本当に彼の最期だったのでしょうか?チョン・ホリョン会長の暗躍や、釈放された悪党たちの存在など、物語の結末は、新たな悪の芽生えを暗示しているようにも感じられます。正義の実現は、決して容易な道のりではないことを改めて突きつけられたような、複雑な余韻を残すエンディングでした。