第6話では、パク・テジン、チヨン、チャン・ジェギョン、そしてオ・ユンジンの行動を中心に、事件の裏に隠された秘密や複雑な人間関係がさらに明らかになります。
まず、チャン・ジェギョンはパク・テジンが家のパスワードを知っていたことに疑問を抱きます。問い詰められたパク・テジンは慌てますが、以前から知っていたパスワードを試しに入れてみただけだと弁明します。窮地に陥ったパク・テジンを助けるため、チヨンは自分が捜査のためにパスワードを教えたのだと主張します。チャン・ジェギョンは半信半疑ながらもそれ以上追及せず、パク・テジンを帰らせます。チヨンもパク・テジンの見舞いを受け入れるのを断り、チャン・ジェギョンの疑いを晴らします。
その後、チャン・ジェギョンとパク・テジンはチヨンの家を後にしますが、オ・ユンジンはそれを陰で見ていました。オ・ユンジンは、パク・テジンとチヨンが巨額の金に関わっていることを突き止めます。パク・テジンはその金を得ようとしていますが、パスワードを知るチヨンと互いに探り合い、まだ完全には信頼し合っていません。
署に戻ったチャン・ジェギョンは、キム・チャンスに最近の敵意をぶつけ、監視カメラの情報を確認します。キム・チャンスは何も知らないと答えると、チャン・ジェギョンは苛立ちを隠して立ち去りますが、キム・チャンスの様子からは何かを察しているようにも見えます。
一方、チヨンはパク・テジンが家に来たことでチャン・ジェギョンに疑われそうになったと不満を漏らします。パク・テジンは金を持って一緒に逃げて新しい生活を始めようと提案しますが、チヨンはパク・テジンが自分のためにそこまでしてくれるとは信じられず、疑いの目を向けます。
オ・ユンジンはパク・テジンとチヨンが逃げるのを阻止したいものの、何もできません。チャン・ジェギョンはある店の店主の葬儀に参列し、自分の判断ミスで店主が死んだのではないかと自責の念に駆られます。上司の無条件の信頼に安堵しつつ、パク・ジュンソとパク・テジンが金炯薬業と関係していることを明かし、事件は見た目以上に複雑であることを示唆します。また、チャン・ジェギョンは自分の拳銃を紛失しますが、上司の助けで一時的に処分を免れます。
オ・ユンジンは録音を繰り返し聞き、金の重要性に気づくと同時に、パク・テジンとチヨンがそれぞれ秘密の一部を握っているものの、互いに不信感を抱いていることを認識します。チャン・ジェギョンは特定の補聴器を販売している唯一の店を訪ね、自分に毒物を注射した人物を探しますが、店主は「また来る」と言うだけで詳しい情報は得られません。
オ・ユンジンがチャン・ジェギョンから恋愛関係の情報を聞き出そうとすると、チャン・ジェギョンは警戒心を露わにします。同時に、ウォン・ジョンスは講演でパク・テジンに教わった方法を使いますが、成功したにも関わらず、父親は息子の本心ではないことを見抜きます。ウォン・ジョンスは、幼い頃からパク・テジンとの競争に晒され、父親が常にパク・テジンの方を重視していると感じてきたため、パク・テジンに強い仮感を抱いています。
オ・ユンジンは粘り強い努力の末、患者家族の信頼を得て、取材の中で金炯薬品の依存性薬物に関連する情報を入手します。警察はこの情報に基づき麻薬密売人の逮捕作戦を実行しますが、作戦中、チャン・ジェギョンは禁断症状に襲われ、危うく正体を暴かれそうになります。しかし、何とか平静を装い、同僚の疑いをかわします。
そして、チャン・ジェギョンは麻薬組織の実態を暴くため、麻薬中毒者を装って組織に潜入します。身元確認のため、密売人はチャン・ジェギョンにその場で麻薬を注射し、警察は手出しできません。密売人はチャン・ジェギョンに麻薬使用歴があることを確認すると警戒を解きます。ちょうどその時、ウォン・ジョンスは記者会見で感情の起伏から突然倒れ、オ・チヒョンは急いで病院に連れて行きますが、医師はまた同じ薬を処方しようとし、オ・チヒョンは無力感と挫折感を味わいます。
最後に、チャン・ジェギョンは麻薬組織に溶け込み、真相解明へと動き出します。一方、ウォン・ジョンスの健康問題と個人的な葛藤が、物語に新たな波乱を予感させます。
第6話の感想
第6話は、緊張感とサスペンスが終始漂う、息詰まる展開でした。特に、チャン・ジェギョンの禁断症状の発作シーンは、見ているこちらも苦しくなるほどでした。麻薬捜査のために自らを危険に晒す彼の覚悟と、それでも抑えきれない苦しみが、リアルに伝わってきました。
パク・テジンとチヨンの関係も、重要なポイントです。巨額の金を巡る駆け引きの中で、互いに探り合い、信じきれない二人の緊張感は、今後の展開を大きく左右しそうです。特にチヨンは、パク・テジンの提案に揺らぎながらも、まだ完全に心を許していない様子が印象的でした。
オ・ユンジンの粘り強い取材も、物語に深みを与えています。患者家族の信頼を得て、金炯薬品の闇に迫る彼女の姿は、ジャーナリストとしての矜持を感じさせます。そして、ウォン・ジョンスの苦悩も、見逃せません。父親の期待と、パク・テジンへのコンプレックスに苦しむ彼の姿は、共感を覚える人も多いのではないでしょうか。
つづく