キム・ドギの計画はオン・ハジュンに見破られ、イ・シワンは法廷に立つことに成功し、組織の秘密も明るみに出てしまった。主教はキム・ドギを監禁室に閉じ込めるよう命じる。これはキム・ドギも予想していた事態だったが、脱出は容易ではない。絶体絶命かと思われた。
6年前、服役を終えて戻ってきた主教は、外部の人間が容易に侵入できない基地の建設を指示し、忠誠を誓う者たちには世界を揺るがすほどの地位を与えると約束した。
イ・シワンの出廷後、主教はオン・ハジュンを見限り、オン・ハジュンは指輪を返し監禁室へ。オン・ハジュンはキム・ドギに、出所したらキム・ドギに関わる者全員、そしてキム・ドギが救った被害者たちまでも殺すと叫んだ。
ゴウンはキム・ドギとの連絡手段を見つけるが、キム・ドギは組織の資金源を断つために残ると告げる。組織の資金源である古美術商の海外口座を特定し、偽の競売品を盗ませることで混乱を引き起こす。さらに、ゴウンのハッキングで高利貸業者の顧客データが消え、主教は直接キム・ドギに接触せざるを得なくなる。
チャン・ソンチョルはオン・ハジュンを訪ね、真実を知る権利があると告げる。一方、主教はキム・ドギの弱点である母親を利用した計画を企てる。これに激怒したキム・ドギは、チャン・ソンチョルと共に組織に連れ去られる。後を追っていたパク・ジンオンとチェ・ギョングも発見され、共に始末されるよう命じられる。
チャン・ソンチョルから渡された資料で、オン・ハジュンは自分が捨て子ではなく、キム・タンウという本名を持つことを知る。そして、自分が主教の策略によって実の父親を殺した真犯人であるという衝撃の事実を知る。
ムジゲ運輸のメンバーが窮地に陥る中、チャン・ソンチョルは冷静に「一号運転手」である女性ドライバーを登場させる。彼女は鮮やかに敵を倒し、窮地を脱する。
主教はキム・タンウに全ての罪を著せる計画を立て、検察とも既に話を付けていた。キム・タンウはそれを受け入れ、交換条件としてキム・ドギを自ら殺すことを要求する。キム・タンウはキム・ドギに連絡を取り、屋上で対決。敗北したキム・タンウは、もっと早くキム・ドギと出会えていれば人生は違っていたかもしれないと呟き、キム・ドギを庇って銃弾を受け、主教と共に屋上から転落死する。
主教の死を知った信者たちは逃げようとするが、全員捕まり、自分たちが作った監獄に閉じ込められる。
1年後、ゴウンはキム・ドギの階下に引っ越し、キム・ドギは「軍事監察科」に配属される。上官たちはキム・ドギがどこまで知っているのかを探り、口封じも考えている様子。しかし、キム・ドギはファン・イェリ中士の事件を調査するために送り込まれたようだ。
第16話の感想
最終回、息もつかせぬ展開でしたね!オン・ハジュンの過去、そしてキム・ドギの窮地、手に汗握るような緊張感が最後まで続きました。
オン・ハジュン、実はキム・タンウという名前だったとは… 主教に操られ、実の父親さえも手にかけたという事実は、あまりにも残酷でした。15話でキム・ドギが「過去を覚えておくべきだ」と言っていたことが、ここで繋がってくるんですね。自分が誰なのか、名前すら忘れていたオン・ハジュンにとって、過去の記憶を取り戻すことは、アイデンティティを取り戻すことでもあったのでしょう。真実を知った時の彼の絶望、そして主教への復讐心は、見ていて胸が締め付けられるようでした。彼が最後に望んだのは、キム・ドギに自分の本当の名前を呼んでもらうこと… その最期は哀しくも美しい、救いのある結末だったと思います。演じた俳優さんの演技も素晴らしく、特に真実を知ったシーンの表情は、彼の内面の崩壊を見事に表現していました。
そしてキム・ドギ。閉じ込められた状況でも、持ち前の知略で状況を打開していく姿は、まさに「全能」でしたね。15話のアクション満載の活躍とは対照的に、今回は知性で魅せてくれました。また、チャン・ソンチョルの機転、ゴウンの潜入捜査、チェ・ギョングとパク・ジンオンの名コンビぶりなど、チーム全員の活躍も見どころでした。それぞれが得意分野で力を発揮し、キム・ドギを支える姿は、まさにチームワークの勝利と言えるでしょう。
主教の策略にはまり、窮地に立たされる彩ムジゲ運輸。前半は主教の冷酷さと狡猾さが際立ち、ハラハラさせられました。しかし、最後に登場した「1号運転手」!これは予想外の展開で、鳥肌が立ちました。窮地に陥ったチャン・ソンチョルたちを救うだけでなく、模範タクシーの歴史に新たな謎を投げかける、見事な演出でした。
全体を通して、オン・ハジュンというキャラクターの悲劇的な過去と、キム・ドギの知略、そしてチームの結束力が印象的な最終回でした。特にオン・ハジュンの最期は、彼の苦しみと救いを同時に感じさせ、深く心に刻まれました。そして「1号運転手」の登場は、今後の展開への期待感を高めてくれます。シーズン3があるなら、ぜひ見てみたいですね!