別荘で、イ・ラエルは再び悪夢にうなされます。カン・ユンギョムに不安な気持ちを打ち明け、彼が極端な行動に出ることを恐れます。皇帝のように全てを捨て去って静かに暮らしたいと語るイ・ラエル。カン・ユンギョムはただ愛する人を愛したいと願います。イ・ラエルは考えを変え、二人で平凡に暮らしたいと告げ、カン・ユンギョムにソウルへ戻るよう促します。

その頃、キム・ジョンチョルが別荘に現れ、ハン・ソラはカン・ダビを口実にカン・ユンギョムを別荘からおびき出します。キム・ジョンチョルは隙を見てイ・ラエルを襲います。異変に気づき戻ったカン・ユンギョムは、逆上してキム・ジョンチョルを殺害してしまいます。カン・ユンギョムはイ・ラエルをその場から逃がすことを決意。彼女に睡眠薬を飲ませ、自首の準備をします。

翌日、ソ・ウンピョンが別荘に到著。カン・ユンギョムは警察に通報するよう頼みますが、ソ・ウンピョンは正当防衛だと判断し、初期捜査への協力を申し出ます。キム・ジョンチョルの死を知ったハン・ソラは、失恋の絶望からイ・ラエルを拉緻。カン・ユンギョムはハン・ソラを見つけ、イ・ラエルは隙を見て脱出し、ハン・ソラを停車させます。ソ・ウンピョンは負傷したイ・ラエルを連れ去り、カン・ユンギョムはハン・ソラと共に車に閉じこもり、崖から車を転落させ、死亡します。

ハン・パンロは地牢に閉じ込められたまま。ムン・ドワンは彼の居場所を検察に明かさず、放置するようです。ムン・ドワンは法廷で証言し、自身の罪も含め全ての罪を明らかにします。事件は終結し、LYの被害者たちは賠償を受けます。

イ・ラエルはバンドネオンとカン・ユンギョムからもらったタンゴの本を持って、ブエノスアイレスで新しい生活を始めます。しばらく後、ソ・ウンピョンはイ・ラエルに会えるか、一緒に暮らせるかは分からないものの、自分の想いを断ち切るためブエノスアイレスへ行くことを決意します。

ムン・ドワンはハン・ソラに面会を求めます。ハン・ソラは精神分裂と記憶喪失に陥っており、記憶が戻れば自殺する可能性があります。ソ・ウンピョンは、ハン・ソラは命は助かったものの、自分自身を失ってしまったと語ります。イ・ラエルは鏡でハン・ソラに彼女の変わり果てた顔を見せ、カン・ユンギョムが彼女のせいで死んだことを告げ、ハン・ソラを精神的に追い詰めます。

最後は、イ・ラエルはブエノスアイレスで元気に暮らし、過去を葬り、未来へ、そして自由へと向かいます。

第16話の感想

「イブの罠」最終回、第16話は、息詰まる展開と悲劇的な結末で幕を閉じました。復讐劇の果てに、登場人物たちはそれぞれの運命を受け入れることになります。

イ・ラエルは、カン・ユンギョムの死という大きな悲しみを乗り越え、新たな人生を歩み始めます。ブエノスアイレスでの彼女の姿は、過去の呪縛から解き放たれ、真の自由を手に入れたように見えました。復讐という重荷から解放された彼女の表情には、未来への希望が感じられます。

一方、カン・ユンギョムの最期はあまりにも悲劇的でした。愛する人を守るため、そして罪を償うため、自ら命を絶つという選択は、視聴者の心に深い傷跡を残すでしょう。彼の愛は純粋で深く、だからこそ彼の死はより一層悲しく感じられます。

ハン・ソラの末路もまた、救いのないものでした。精神を病み、記憶を失い、自分の犯した罪の重さに耐えきれなくなってしまった彼女。復讐に囚われた人生は、彼女自身を破滅へと導いてしまいました。

ムン・ドワンの自白とLY被害者への賠償は、一筋の光となりました。彼の罪は決して許されるものではありませんが、自らの罪を認め、償おうとする姿は、わずかながらも希望を感じさせます。

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