廃世孫のイ・ソルは追手から逃れ、ユン家にたどり著く。ユン・ダノは彼に食べ物と匿う場所を提供する。兵士たちが捜索に来た際、ユン・ダノとポクシルは機転を利かせて彼らを欺瞞することに成功する。ユン・ダノは、イ・ソルが父の唯一の見舞い客だったことから彼を助けたと伝え、両親を失ったイ・ソルに、再会した時に自分の名前を教えると約束する。
13年後、科挙受験生たちが、幽霊が出るという噂の宿屋について話している。安全のため用心棒を雇ったカン・サンだが、実は彼自身、盗賊にも負けないほどの武術の達人だった。町に著くと、ユン・ダノは受験生たちに、科挙合格を保証する下宿「二花院」を勧めるが、幽霊の噂を聞き、受験生たちは逃げ出してしまう。
妓楼でツケを払わず逃げ出したキム・シヨルは、ナンパされていたユン・ダノを助ける。しかし、直後に食い逃げの通報を受け、捕まってしまう。ユン・ダノは客引きを続け、役人を見ると逃げるカン・サンに出会う。ユン・ダノはカン・サンの荷物を二花院に持ち帰り、あの手この手で彼を宿泊させることに成功する。宵禁の鍾が鳴り、カン・サンは仕方なく宿に泊まることになる。傷だらけのキム・シヨルも二花院に現れ、同じく宵禁のため、やむを得ず宿泊する。
近所に住む陸陸浩がカン・サンに挨拶をし、宿の情報提供をする。月額3両だと陸陸浩は言うが、ユン・ダノは一晩1両5銭とっていた。翌朝、陸陸浩は、ユン・ダノの父が科挙に合格した以外は、二花院には特別な点がないことを暴露する。ユン・ダノは生活のために宿を経営していると説明する。
部屋の掃除中、ユン・ダノはカン・サンの木剣を見つけ、彼を怒らせてしまう。ユン・ダノは、料金の問題を解決するために半月滞在することを提案する。羅州(ナジュ)のおばさんは、カン・サンの立派な風貌から、彼が料金を滞納するとは思えないと言う。
宮中では、パク貴人が予定日通りに出産できないことを心配し、万が一に備えて男児を用意する。イ・チャンは手相を見てもらうが、占い師は彼に息子はできず、命の危険もあると予言し、「夢に出てきてお前に恐怖を与える者」を探すなと警告する。
シン・ウォノは王に、廃世孫であるイ・ソルの行方が掴めないことを報告し、科挙が行われる中村に潜伏している可能性があると推測し、チャン・テファに全ての宿屋を捜索するように命じる。
翌日、カン・サンは市場で朝鮮の民の未来を知る手がかりとなる「謙緯書」を探す。チョン・ユハはカン・サンに協力することを約束する。彼らは、夫に子供を人質に取られた使用人の妻が、富営閣に入ろうとしているところに遭遇する。三人は協力して子供を救出する。
夜、ユン・ダノは父の借金の取り立て屋に迫られ、店を売ることを考える。取り立て屋が廂房に近づくと、ユン・ダノは必死に阻止する。同時に、サンソンとチャン・テファはイ・ソルを探しに二花院へ入ろうとしていた。
第1話 感想
「コッソンビ熱愛史」の第1話は、ミステリーとロマンスの要素が絶妙に絡み合い、今後の展開への期待感を高める魅力的な幕開けとなりました。廃世孫であるイ・ソルと、宿屋の女将であるユン・ダノの運命的な出会いは、わずか数分のシーンながらも強い印象を残します。13年後、成長した二人がどのような再会を果たすのか、今から待ちきれません。
物語の舞台となる二花院は、科挙受験生のための宿屋でありながら、幽霊が出るという噂がつきまとうミステリアスな場所として描かれています。そこに集う個性豊かな登場人物たちも、今後の物語を盛り上げる重要な要素となるでしょう。特に、武術の達人でありながら用心深いカン・サン、謎めいた過去を持つキム・シヨル、そして宿の経営に奮闘するユン・ダノの三人の関係性の変化に注目したいところです。
つづく