ユン・ダノはイ・チャンに呼び出され、イ・ソルを助けたことを問いただされる。ダノは事実を認め、善意からの行動だったと説明する。イ・チャンはダノに亡き師の面影を見出し、罰せず、世間の話を聞きたいと告げ、絹を贈る。この様子を見たパク貴人はダノにイ・ソルの名を口にするなと警告する。

サンソンはチョン・ユハに、廃世子に隠された息子がいること、そして信物を持っていることを伝える。チョン・ユハはイ・チャンの暴政を止めるためなら、イ・ソルの名を受け継ぎ王になる覚悟を示す。サンソンはチョン・ユハの生母について何か知っているようだが、明言を避ける。陸陸浩はダノから廃世孫の話を聞き、イ・チャンがダノを問い詰めなかったことを不審に思い、ダノがイ・ソルの正体を知っていたことに気づく。

チョン・ユハは唯一の肉親であるイ・ソルを探したいと願う。王位のためではなく、イ・ソルの同意を得て名を利用したいだけだと語る。夜、カン・サンはダノの無事を確認しに二花院へ。愛する人を失う恐怖を語るカン・サンの真剣な態度に、ダノは心を揺さぶられ、戸惑いながら逃げる。翌日も落ち著かない様子。

キム・シヨルはカン・サンの部屋に忍び込み、宮中の地図を発見する。外でカン・サンの幼馴染と名乗る男に金を要求される。是姴はその男に疑念を抱き、後にそれが確信に変わる。

イ・チャンは武官たちの稽古を見て、ベテラン武官の実力に不満を抱き、カン・サンと手合わせする。イ・チャンはカン・サンの率直さを気に入るが、ベテラン武官は面白くない。カン・サンとキム・ファンに武器の手入れを命じる。カン・サンはこの機会を利用して宮中を探り、イ・チャンの警護が手薄になる時間帯があることに気づく。

パニャは妓女が宮中に呼ばれていることをダノに伝え、イ・チャンに気を付けるよう忠告する。「真人」出現の貼り紙が町中に貼られる中、チョン・ユハは木人会の仲間と今後の計画を話し合う。キム・シヨルはホンジュに男装させ、客引きに出るが、偶然キム・ファンを呼び込む。しかし、キム・ファンは処女鬼を恐れ逃げ出す。チャン・テファはホンジュに見覚えがあるようだが、今はイ・ソルを倒すことに集中している。

チョン・ユハと陸陸浩が科挙に合格し、ダノは祝いの宴を用意する。しかし、再び宮中に呼び出される。今回はイ・チャンと碁を打ち、何も起こらない。カン・サンはダノの護衛を命じられる。イ・チャンがダノに親切にするのは、イ・ソルを誘き出すため。イ・ソルがダノの身を案じていることを知っているからだ。

カン・サンの友人が捕らえられ、姜家の養子の正体を隠すようカン・サンが指示したことを白状させられる。ダノは姉と恋愛小説の悲劇的な結末について語り、もし相手の戦死を知っていたら気持ちを伝えたかと思いを巡らす。カン・サンは「真人」の存在を知り、首謀者を調べ始める。イ・チャンが大晦日の夜に行う儀式の間、警護が手薄になる時間帯を狙う好機だと考える。

カン・サンは故郷の友人に呼び出され、待ち合わせ場所へ向かうが、罠だった。そこにキム・シヨルが現れ、カン・サンを守る。

第10話の感想

第10話は、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、緊張感が高まる展開でした。イ・チャンはユン・ダノを利用してイ・ソルをおびき出そうと画策し、その一方でダノへの不思議な親近感を抱いているようにも見えます。ダノ自身もイ・ソルの正体を知りながら、イ・チャンの真意を探ろうとしているかのようで、二人の駆け引きに目が離せません。

カン・サンはダノへの想いを募らせながらも、イ・チャンへの忠誠と自らの使命の間で揺れ動いています。彼の真摯な態度はダノの心を掴み始めていますが、二人の恋路は波乱に満ちている予感がします。キム・シヨルはカン・サンへの忠誠心から、危険を顧みず彼を守ろうとする姿が印象的でした。彼の存在が今後の展開を大きく左右するかもしれません。

チョン・ユハは王位への野心ではなく、民を救いたいという強い信念を持っていることが改めて描かれました。イ・ソルへの敬意も持ち合わせている彼の行動は、今後の物語の鍵を握っていると言えるでしょう。

つづく