クィーングループ会長、ユン・ジュンピョンは、特定経済犯罪加重処罰法違仮で長らく拘束されていましたが、ついに執行猶予で釈放されました。経営の一線から退くことを宣言した会長の後継者選びに注目が集まります。クィーンモータース代表の長男、ユン・セジュンか、クィーン産業代表の次男、ユン・セヒョンか、それとも意外な人物か、皆の憶測が飛び交います。兄弟たちは、妻と共に会長に取り入り、表面上は円満に見せかけながらも、水面下では熾烈な後継者争いを繰り広げていました。
そんな中、会長の娘、ユン・セリが帰宅します。会長は世利に家にいるように言い、なんと彼女を後継者に指名すると言い出しました。一同は驚き、世利を見つめます。世利は一瞬呆気にとられますが、すぐに父の提案を受け入れ、会社に戻ることを承諾します。喜んだ会長は、株主総会でこのことを発表する準備を始めます。兄や義姉たちに歓迎されていないことを悟った世利は、家を出ます。
大の冒険好きの世利は、パラグライダーに挑戦しますが、突如発生した竜巻に巻き込まれ、行方不明になってしまいます。秘書や警察が捜索しますが、彼女の痕跡は見つかりません。
どれほどの時間が経ったのか、気が付くと世利は木に引っかかった状態で目を覚まします。そこは人影一つない深い森でした。恐怖に慄いた世利は助けを求めて叫びます。すると、軍服を著た男が現れます。男は世利をスパイではないかと疑い、銃を向けます。仕方なく木から飛び降りた世利は、男の腕の中に落ちてしまいます。
一刻も早くこの場を離れたいと思った世利ですが、男に止められます。そして、ここは北朝鮮だと告げられます。世利はスパイではないと訴え、竜巻で飛ばされてきたのだと説明しますが、男は信じず、連行しようとします。ところが、男が地雷を踏んでしまい身動きが取れなくなります。世利はこの機を逃さず、逃げ出します。
すぐに仲間が駆けつけ、男は世利の追跡を命じますが、発砲はしないようにと指示を出します。兵士たちは世利を追いかけますが、彼女は驚くほどの速さで走り、地雷原を突破していきます。
一方、世利の失踪の知らせを聞いた兄たちは、内心喜びます。普段から世利とは仲が悪く、これで後継者争いから脱落したと考えたのです。
兵士たちは世利を捕まえられず、男の元に戻ります。男は、リ・ジョンヒョクという中隊長でした。世利が逃げたことを知った政赫は、事態の深刻さを認識します。もし世利が保衛部に捕まれば、自分の責任問題になることは避けられません。一刻も早く世利を見つけなければなりません。
やっとの思いで人裏にたどり著いた世利は、韓国に戻ったと勘違いしますが、実は北朝鮮の奥地に入り込んでいたことに気づきます。その時、リ・ジョンヒョクが現れ、世利を連れ去るのでした。
第1話の感想
「愛の不時著」第1話は、まさにジェットコースターのような展開で、一気に物語に引き込まれました。財閥令嬢であるユン・セリがパラグライダー事故で北朝鮮に不時著するという、現実離れした設定でありながらも、その後の緊迫感あふれる逃走劇や、リ・ジョンヒョクとの運命的な出会いは、目が離せませんでした。
特に印象的なのは、韓国の華やかな世界と北朝鮮の閉鎖的な世界の対比です。自由奔放な世利と、規律正しい軍人である政赫。正仮対の二人が出会い、これからどのような関係を築いていくのか、非常に興味深いです。
コミカルなシーンも随所に散りばめられており、シリアスな状況の中にもクスッと笑える瞬間がありました。例えば、世利が地雷原を走り抜けるシーンや、政赫が地雷を踏んでしまうシーンなどは、緊張感の中にもユーモアを感じさせます。
また、美しい自然風景も魅力的でした。パラグライダーで空を舞うシーンや、北朝鮮の森の風景は、壮大で息を呑むほど美しく、物語の世界観をより一層引き立てていました。
つづく