ユン・セリを韓国へ帰すため、リ・ジョンヒョクは辛い決断を下した。出発前、ユン・セリは村の奥様たちに手紙を残し、自分の正体と北朝鮮へ来た理由を明かした。ついた嘘を謝り、誠心誠意で友情を育んできたことを伝え、許しを請うた。手紙を読んだ奥様たちは驚き、そしてユン・セリへの想いを募らせた。
韓国に戻ったユン・セリは、会社や家族の前に姿を現し、皆を驚かせました。行方を問われると、運動中の事故で療養していたと軽く答えました。兄たちは、せっかく追い出した妹が財産争いのために戻ってきたことに苛立っていました。
久しぶりの我が家で、ユン・セリは湯船に浸かり、コーヒーを飲みながら、温かいバブルバスに入れる喜びを噛み締めた。これが本当の幸せだと実感した。入浴後、念入りにスキンケアをし、柔らかなベッドに倒れ込んだ。至福の時間に浸っていたのも束の間、思わずリ・ジョンヒョクの名前を口にしてしまう。我に返ったユン・セリ。若く裕福な人生を取り戻したものの、リ・ジョンヒョクを失った喪失感に襲われた。
一方、リ・ジョンヒョクは事件の報告書を調べ、何かを掴んだ様子だった。実は、ユン・セリの帰国にはク・スンジュンの協力があった。彼はリ・ジョンヒョクとユン・セリを車で送り、さらにユン・セリはリ・ジョンヒョクへのプレゼントを買うため、ク・スンジュンからもらった指輪を質に入れてしまう。独り身のク・スンジュンは再び大きなショックを受けた。
兄の死の真相を突き止めようと奔走するリ・ジョンヒョクは、多くの壁にぶつかりながらも、事故車の部品を調べ、手がかりを見つける。そして追い打ちをかけるように、犯人からの挑発的な電話を受ける。リ・ジョンヒョクは怒りを抑え、必ず犯人を捕まえ、復讐を誓った。
帰国後、塞ぎ込んでいたユン・セリは、一人街を彷徨っていた。舞い落ちる雪を見ながら寂しさを感じていたその時、見覚えのある姿が目に入った。傷跡のある顔で、嬉しそうにこちらを見つめるリ・ジョンヒョクだった。韓国での住所を曖昧に話していたユン・セリ。リ・ジョンヒョクはその僅かな情報を頼りに、苦労の末、ついにユン・セリを見つけ出したのだ。
第10話の感想
第10話は、愛と喪失、そして再会が複雑に絡み合い、視聴者の心を揺さぶる展開でした。リ・ジョンヒョクの苦渋の決断、ユン・セリの韓国での戸惑い、そして劇的な再会。それぞれの感情の揺れ動きが繊細に描かれ、涙なしでは見られませんでした。
特に印象的だったのは、ユン・セリが韓国の快適な生活に戻りながらも、リ・ジョンヒョクへの想いを募らせていく様子です。高級マンション、温かいバスタブ、柔らかなベッド…物質的な豊かさだけでは満たされない心の空虚感が、彼女の表情や仕草からひしひしと伝わってきました。リ・ジョンヒョクの名前を思わず口にしてしまうシーンは、彼女の切ない心情を象徴する名場面と言えるでしょう。
一方、リ・ジョンヒョクは兄の死の真相究明に一歩ずつ近づいていきます。犯人からの電話を受けた時の、怒りと悲しみに満ちた表情は、彼の強い決意を物語っていました。ク・スンジュンの切ない片思いも、物語に深みを与えています。ユン・セリへの献身的な姿は、報われないながらも胸を打つものがありました。
そして、クライマックスの再会シーン。雪の舞う中で見つめ合う二人の姿は、美しくも切なく、今後の展開への期待を大きく膨らませるものでした。果たして二人は、様々な困難を乗り越え、幸せを掴むことができるのでしょうか。次回が待ちきれません。
つづく