リ・ジョンヒョクはユン・セリを優しく抱きしめたが、セリは彼に留まって欲しくないと思っていた。愛していないからではなく、ジョンヒョクが故郷での生活を捨て、仲間から孤立することを恐れていたのだ。セリはため息をつき、北朝鮮へ戻るのが最善の道だとジョンヒョクを説得した。その様子を見ていたジョンヒョクの部下たちは、セリが泣く姿を見るのが辛く、二人がどこか遠くへ駆け落ちして、幸せに暮らしてほしいと願った。

ジョンヒョクとセリが帰る途中、チョ・チョルガンが執拗に二人をつけているとは知らずにいた。家に帰ったセリは、用意されていた誕生日ケーキを見て、そのダサさに思わず笑ってしまう。ケーキを選んだジョンヒョクは少ししょんぼりした様子だったが、セリは場を和ませるために冗談を言っただけで、本当は愛情と友情を何より大切に思っていた。セリは皆と一緒にロウソクの火を吹き消し、楽しい時間を過ごした。

翌朝、ジョンヒョクは恥ずかしそうにセリにプレゼントを渡した。セリは彼のぎこちない様子を見て、思わず笑みをこぼしながら手を開くと、そこには指輪があった。セリは驚きながらも、ジョンヒョクからペアリングをもらったことに感激し、この指輪を一生外さないと誓った。何があってもジョンヒョクのことを忘れないと。

ソ・ダンの母親が帰宅すると、ク・スンジュンが家にいるのを発見し、驚愕する。スンジュンは落ち著いて、ソ・ダンが昨夜ウォッカを飲みすぎて寝ていると説明した。母親は怒ってダンの布団をはがし、彼女を起こした。スンジュンは用意しておいた食事を母親にも勧めた。

母親はスンジュンとダンの関係を問い詰めた。スンジュンは正直に、ダンの心に他の男がいると知りながらも、彼女を諦められないと告白した。さらに、母親に巧みに取り入り、機嫌を取った。一方、ジョンヒョクとセリは散歩しながら、スイスでの過去の出来事を語り合った。二人はスイスで一度だけでなく、複数回会っていたことに気づき、運命の不思議さに心を打たれた。

スンジュンはダンに、ジョンヒョクがソウルに来てセリを探し、チョ・チョルガンを始末しようとしていることを伝えた。ダンの母親はスンジュンの家柄を調べ、娘が間違った相手を選ばないようにと気を配っていた。セリはジョンヒョクの部下とチェ・ジウを会わせ、部下は大喜びした。

チョ・チョルガンはセリを誘拐し、ジョンヒョクをおびき出そうと企んでいた。さらに恐ろしいことに、セリの兄もチョ・チョルガンと手を組み、セリを陥れようとしていた。ジョンヒョクがセリを助けに行くと、チョ・チョルガンに狙われた。セリはジョンヒョクを助けるため、自分の車で彼の前に飛び出した。ジョンヒョクはチョ・チョルガンの策略に気づき、仮撃したが、セリは倒れてしまい、ジョンヒョクは深い悲しみに暮れた。

第13話の感想

第13話は、愛と緊張感が最高潮に達する、息詰まる展開でした。ジョンヒョクとセリの愛は深まり、未来への希望が垣間見える一方で、チョ・チョルガンの陰謀が著実に進行し、悲劇的な結末を予感させます。

特に印象的なのは、セリがジョンヒョクの身を案じ、彼に北朝鮮へ戻るよう説得するシーンです。愛する人のため、自分の気持ちを押し殺し、辛い決断を下すセリの姿に胸が締め付けられました。ジョンヒョクもまた、セリの思いを受け入れながらも、彼女への愛を隠しきれない表情が切ないです。二人の愛は、互いを思いやる優しさで溢れており、だからこそ、迫りくる危機がより一層残酷に感じられます。

コミカルな要素も健在で、セリが誕生日ケーキのダサさを冗談めかして指摘するシーンや、スンジュンがソ・ダンの母親に気に入られようと必死になるシーンなどは、緊迫した状況の中で良い息抜きとなっています。特にスンジュンのコミカルな演技は、彼の本心がどこにあるのかをより複雑に描き出しており、今後の展開への期待を高めます。

つづく