ク・スンジュンの死後、ユン・セリは緊急治療を受け、一命を取り留めました。リ・ジョンヒョクは手術室の前でずっと待機し、目の周りは腫れ、その場を離れようとしませんでした。しかし、リ・ジョンヒョクの父の尽力により、リ・ジョンヒョクと彼のチームはすぐに朝鮮へ帰還することになり、負傷者も出ませんでした。ユン・セリはこの知らせを聞き、深い悲しみに暮れます。別れを受け入れたくなく、リ・ジョンヒョクに会うことで彼の帰国がより辛くなることを恐れました。

それでも、ユン・セリはリ・ジョンヒョクに最後に会うことを決意します。周囲の人々は衝突を心配しますが、ユン・セリは全てを顧みず、リ・ジョンヒョクの元へ駆け寄ります。リ・ジョンヒョクはユン・セリの来訪に感動し、運命的な出会いに感謝し、いつか必ず再会できると信じていました。その後、リ・ジョンヒョクは帰国の車に乗り込み、ユン・セリは見送ります。

帰国途中、リ・ジョンヒョクは危険に遭遇します。軍事部長が彼を襲おうとしますが、リ・ジョンヒョクの父が間一髪で駆けつけ、息子を救い、口封じを図ろうとした軍事部長を射殺します。リ・ジョンヒョクは無事に朝鮮へ帰還しました。

一方、ク・スンジュンの復讐を誓ったソ・ダンは、調査の結果、ユン・セリの実の兄と兄嫁が黒幕であることを突き止めます。ユン・セリの兄は妻の行動に不満を抱き、会長の座を失ったことを責めます。間もなく、二人は警察に逮捕され、ユン・セリの父も二人に失望し、助けるつもりはありませんでした。

リ・ジョンヒョクは出発前に、ユン・セリへの想いを携帯電話に録音していました。ユン・セリはその録音メッセージを聞きながら、リ・ジョンヒョクの言葉通りに生活を送り、朝鮮の村の女性をイメージした新しい化粧品を発売します。人々はその商品を見て、ユン・セリのことを懐かしみます。

リ・ジョンヒョクは毎日ユン・セリにメッセージを送り、宅配便で植物を贈ります。どんな植物かは芽が出るまでのお楽しみ、とのことでした。しかし、予約送信できるメッセージは一年間限定。雪絨花が咲く頃、リ・ジョンヒョクからのメッセージは途絶えてしまいます。二人はスイスで会う約束をしていましたが、具体的な時期は未定でした。

一年後、ユン・セリはスイスを訪れ、リ・ジョンヒョクとの思い出を振り返ります。ある日、パラグライダーでトラブルに見舞われた時、窮地に陥った彼女の目の前に、リ・ジョンヒョクが現れます。彼もまた、再会を待ち望んでスイスに来ていたのです。二人は目に涙を浮かべ、長い間の想いを募らせた末、ついに再会を果たし、この愛の物語は幕を閉じます。

第16話の感想

「愛の不時著」最終回、第16話は、感動と安堵に包まれた、まさに"著地"にふさわしい結末でした。1話から続く、南北の壁を越えた愛の物語は、様々な困難に直面しながらも、決して諦めない二人の強い想いが胸を打ちました。

特に印象的だったのは、リ・ジョンヒョクとユン・セリがスイスで再会するシーンです。一年もの間、遠く離れた場所で互いを想い続け、ついに再会を果たす二人の姿は、涙なしには見られませんでした。パラグライダーでトラブルに見舞われたユン・セリを、まるで王子様のように颯爽と助け出すリ・ジョンヒョク。そして、再会の喜びを噛み締めるように見つめ合う二人の表情は、これまでの苦労を全て忘れさせるほどの輝きを放っていました。

また、脇を固めるキャラクターたちの物語も丁寧に描かれており、それぞれの結末に温かい気持ちになりました。ク・スンジュンの死を乗り越え、新たな一歩を踏み出すソ・ダン。そして、悪事を重ねたユン・セリの兄夫婦が逮捕されるなど、それぞれのキャラクターにふさわしい結末が用意されていました。

ただ、一年に一度、限られた期間だけスイスで再会できるという設定は、少し切なくも感じました。それでも、二人が同じ空の下で、共に過ごす時間を大切にしている様子が伝わってきて、深い余韻を残しました。

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