リ・ジョンヒョクはユン・セリのためにアロマキャンドルを作り、セリを深く感動させます。しかしその時、ソ・ダンという女性がジョンヒョクの家を訪ねてきます。村のアジュンマたちは好奇心でソ・ダンに尋ねると、彼女は自分がジョンヒョクの婚約者だと答えます。アジュンマたちは驚きを隠せず、ジョンヒョクが二股をかけているとは信じられません。その後、ジョンヒョクとセリが帰宅すると、三人は気まずい雰囲気の中、顔を見合わせます。
ジョンヒョクはソ・ダンにロシアからいつ帰ってきたのか尋ねます。ソ・ダンはセリに冷たい視線を向けると、ジョンヒョクは慌ててセリが同じ作戦目標を持つ同誌だと説明します。セリも誤解を解こうと愛想良く頷きます。ソ・ダンは帰ろうとしますが、ジョンヒョクは女性一人で夜道を運転するのは危険だと考え、彼女を送ると言い出します。そしてセリには家で大人しくしているように言い残します。ソ・ダンは表面上は何も言いませんでしたが、二人の関係を疑っていました。
セリが一人で家にいると、村のアジュンマたちがやって来ます。彼女たちは悲しそうな顔でセリを見つめ、ジョンヒョクがそんな人だとは思わなかったとセリを慰めます。訳が分からないセリに、アジュンマたちはビールと食べ物を持ち込み、みんなで飲み始めます。セリは皆の激しい感情に驚きつつも、ジョンヒョクが女性たちの好感度を失ったことを悟ります。「脱ファン」の真の意味を理解した瞬間でした。
アジュンマたちはセリに男の本性を見抜くように忠告し、ジョンヒョクと結婚しないようにと説得します。翌日、ジョンヒョクはセリに、国家体育大会の選手としてヨーロッパへ行き、そこから帰国する計画を立てたと伝えます。現地の生活に溶け込むため、セリは仕方なく流行りのパーマヘアにします。また、きちんとしたワンピースを買うために、高価な限定モデルの腕時計を質屋に入れますが、重量で値段が決まるため、驚くほど安い値段でしか売れませんでした。
セリは質屋で高価な男性用の腕時計を見つけ、こんな高級な時計をする人がいるのかと驚きます。店主は、それは誰かに預かっている物だと説明します。ジョンヒョクはセリとパスポート用の写真を撮りにいきますが、電車が故障し、十数時間も停車することになります。セリは驚き、残りの食料が卵2つしかないことに途方に暮れます。
その時、多くの人が電車に押し寄せ、食べ物や飲み物を売り始めます。乗客たちは空腹に耐えかねず、次々と素肉串やトウモロコシ餅、焼き鳥などを買い求めます。夜になっても電車は動く気配がなく、ジョンヒョクはセリのためにトウモロコシを焼いてあげます。セリは美味しそうにそれを食べ、二人は互いの過去を語り合い、心の距離を縮めます。ジョンヒョクは初めて、心に深い傷を負わせた亡き兄についてセリに話します。セリは優しくジョンヒョクを慰め、前を向いて生きてほしい、そして自分が去った後も幸せになってほしいと願います。
第5話 感想
第5話は、ジョンヒョクとセリの関係に大きな変化が生じる重要なエピソードでした。ソ・ダンの登場により、二人の関係はより複雑になり、セリは不安定な状況に置かれます。アロマキャンドルを作るジョンヒョクの優しい姿は、セリへの深い愛情を示す一方で、婚約者であるソ・ダンの存在は、セリの心に影を落とします。
セリを心配する村のアジュンマたちの温かさ、そして彼女たちのジョンヒョクへの失望ぶりは、北朝鮮の村社会の独特な雰囲気を鮮やかに描き出しています。セリは、アジュンマたちの言葉を通して、ジョンヒョクの別の側面、そして自分が置かれている状況の複雑さを改めて認識させられます。
国家体育大会への出場という、帰国への希望の光が差し込む一方で、電車の故障という予期せぬハプニングは、セリとジョンヒョクをさらに近づけるきっかけとなります。限られた食料の中で、互いの過去を語り合うシーンは、二人の心の距離が縮まり、特別な感情が芽生え始めていることを感じさせます。特に、ジョンヒョクが亡き兄について語るシーンは、彼の心の奥底にある悲しみ、そしてセリへの信頼が垣間見える印象的な場面でした。
つづく